連載 発達障害&グレーゾーンの中学受験

#0 はじめまして ―― 親子で乗り越えた、発達障害&グレーゾーンの中学受験

2019年5月31日 市川 いずみ

はじめまして。市川いずみと申します。わたしには、発達障害&グレーゾーンの中学2年生の息子がいます。息子は中学受験をして、現在は私立中高一貫校に通っています。

「えっ? 問題を抱えていても中学受験ができるの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、息子の「得意・不得意」「個性」「居場所」「成長」を考えぬいた結果、わが家は中学受験を選びました。

発達障害といっても、いろいろな特徴を併せ持つ子が多くいます。「軽度」「グレーゾーン」といっても、とらえ方は様々です。わたしの息子は、明るい性格でおしゃべり、好きなことへの集中力はすごいパワーを発揮します。知能検査ではIQ高め、得意・不得意の差に開きが大きい凸凹タイプであると判明しました。ADHD不注意の傾向もあり、親としては、ほかにもさまざまな特性を併せ持っていると感じています。

わたしは心理学や療育の専門家ではなく、ふつうの主婦です。だからこそ、発達障害やグレーゾーンの子供を抱えながら中学受験を考えている親御さんの気持ちが痛いほどわかります。

「子供を信じて中学受験をあきらめないで!」と100%おすすめできない自分も、正直います。「中学受験が全てじゃない。だから親子で無理をしないで」という想いもあります。

中学受験は、先が見えない戦いです。子供の状態がどうなるかわからないという不安で、押しつぶされそうになることもありました。母親として「逃げたい」と思ったことも、少なくありません。二次障害(※1)で苦しんだときは、私たち夫婦は中学受験から離れようともしました。

しかし私たちには、「中学受験をしたい。行きたい学校の試験を受けたい」と最後まで言い続けて頑張りぬいた、息子の存在がありました。

色々あった中学受験でしたが、最終的には息子自身が強くあこがれていた学校にご縁をいただきました。息子は入学後、人が変わったように心も体も成長。学校生活を生き生きと楽しんでいる姿を見ていると、今では親として「中学受験をして良かったな……」と思っています。

発達障害&グレーゾーンの子供の中学受験は、メリットもデメリットもありました。勉強面でも生活面でも、親の手が何倍もかかります。もしかしたら、中学受験の期間はデメリットのほうが多いかもしれません。

それでも「息子が変わるかもしれない」という希望を持ち、中学受験をしました。そんなわが家の考えてきたこと、ときに反省したこと、子供への接し方などを体験談としてお話させていただきます。

同じように悩むお父さん、お母さんたちに「子供はきっと成長する。希望を持ってほしい」というメッセージを、少しでもお伝えできればと思っています。

※1「二次障害」:発達障害の特性を理解してもらえず、過剰なストレスや自信喪失により引き起こされる二次的な障害。一般的に、身体症状、精神症状の悪化、不登校、ひきこもり、暴言・暴力などがあり、思春期以降に現れやすくなるといわれています。わたしの息子の場合は、登校拒否、無気力、親への攻撃的な態度、ひきこもりの症状が現れました

※記事の内容は個人の経験談です


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

息子と娘2人の母です。凸凹の特性がある息子の中学受験が終了し、中高一貫校へ進学。現在は娘が中学受験に取り組んでいます。家庭学習、小中学校の生活、子育てについて日々の情報を発信しています。

中学受験体験・子育て情報ブログ「市川さんのおうちスタイル」
https://www.ouchistyle.net/

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