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成績を伸ばすために、理科とどう向き合うか|なるほどなっとく 中学受験理科

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2019年11月26日 水溜 兼一(Playce)

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

子どもが理科に親しみ、力をつけていくためにはどうすれば良いのか? 今回は、理科学習の基本的な心構えを小川先生に伺いました。

「理科は暗記科目」という認識を改めることが必要

理科は学習領域が広く、しかも領域ごとに内容が大きく異なるので、「いろいろなことを覚えなければいけない」と考える保護者の方は多いようです。受験勉強は知識詰込み型になりがちで、植物ひとつとっても、春夏秋冬それぞれの季節に咲く花の名前をたくさん覚えるのが理科の学習だと思われています。

しかし前回お話したように、近年の理科の入試は、暗記力ではなく思考力を測る方向にシフトしています。入試で求められるのは、花の名前をたくさん知っていることではなく、なぜその季節にその花が咲くのかを考えることです。

朝顔は暖かい地方の原産で寒さに弱いため、冬を種子で越し、夏に花を咲かせます。アブラナは暑さに弱いので、春に咲いて夏は種子で乗り切ろうとします。植物のメカニズムをきちんと理解することが入試問題を解くカギになります。

暗記に頼る勉強法では、試験で足をすくわれることもあります。例えば、

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小川眞士

小川眞士

  • 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。