連載 「国語力」が、中学受験を左右する!

どうすればいい? 塾との上手な付き合い方|「国語力」が、中学受験を左右する!

専門家・プロ
2019年12月23日 水溜 兼一(Playce)

本連載では、国語の講師として、中学受験を目指す子どもたちを長年指導している南雲ゆりか先生が、国語力アップにつながるさまざまな方法を紹介します。

年明けから入塾を考えているご家庭も多いと思います。今回は、多くの受験生を指導してきた南雲先生が、塾との良好な関係の築き方や、面談で押さえておきたいポイントなどを紹介します。

先生と直接会うことが、コミュニケーションを築く第一歩

塾とのコミュニケーションは、親が先生と直接会うことから始まります。多くの塾では定期面談を行っているので、入塾後、最初の面談には必ず参加して先生と顔合わせをしておきましょう。

面談では、どんな思いで子どもを塾に入れたのかを話し、お子さんの性格も伝えてください。お子さんのことを知っておくと指導しやすくなりますし、親と会って話をすることで「大切なお子さんを預かっている」という意識も一層強くなります。また、健康上の留意点があればできるだけ伝えて、先生方やスタッフに共有してもらいましょう。

勉強の仕方や志望校選びについて悩みがあれば、定期面談以外でも遠慮なく相談して構いません。だだし、先生と会うときは事前にアポイントを取ることを忘れずに。子どもを塾に送って行ったついでに先生と話ができれば保護者は好都合ですが、授業前の先生方は準備で忙しいので対応が難しくなります。電話で相談したい場合も、あらかじめメールなどでアポイントを取り、長電話は避けましょう。

“でも…”を連発せず、素直に話を聞く姿勢を大切に

相談するときは保護者側から一方的に話をするのではなく、先生の話にも耳を傾けましょう。ついやってしまいがちなのが、“でも…”を連発する受け答えです。

「だいぶ基礎が身に付いてきましたよ」
「でも、ダメなんですよね」

「授業はちゃんと聞いていますよ」
「でも、私の話は聞かないんです」

「この学校に見学に行ってみてはいかがですか?」
「でも、この学校はちょっと……」

このような会話が続くと、先生はどのようなアドバイスをすればよいか迷ってしまいます。受験に熱が入り過ぎるあまり、自分の欲しい情報しか受け付けない姿勢はよくありません。

これまで多くの受験生を見てきましたが、先生の話に素直に耳を傾けてくれるご家庭は良い受験をするケースが多いです。受験までの道のりではいろいろなことがあり、ときには心が苦しくなる話を聞くことがあるかもしれません。それでも先生と良好なコミュニケーションを保ちながら合格を目指し、最後には、親子とも「十分やり切ったのでこの結果で納得」という受験をしていただきたいと思います。

小学4、5年生のうちに併願校のアドバイスをもらう

塾はさまざまな学校の情報を持っています。特に大手塾の情報量は目を見張るものがあります。受験情報を得るために塾を利用しない手はありません。

中学受験の“学校勢力図”は、ひと昔前とは様変わりしています。かつて名門校といわれていた学校の難度が下がっていたり、以前は名前を聞かなかった学校が一流校になっていたりするので、親世代、祖父母世代のイメージで学校選びをするのは避けたいところです。また、グローバル教育に力を入れている学校や医学部を目指すのに適した学校など、偏差値だけでは測れない特徴もあります。

保護者と面談をすると、第一志望校の情報ばかり求める方が目立ちます。じつは面談ではそれ以外にも重要なことがあります。それは子どもが小学4、5年生のうちに、「ほかにおすすめの学校はありますか?」と併願候補になりそうな学校について聞いておくこと。アドバイスをもらったら、学校説明会などにも足を運び、実際の様子を掴んでおきましょう。

保護者の中には、「4、5年生のうちから押さえの学校のことを考えておくの?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし6年生になって塾から併願校の話を切り出されると、「第一志望は無理なのか……」と激しくショックを受けたり、ほかの学校のことを考えていなくて焦ったりする保護者の方がたくさんいらっしゃいます。

子どもはどうしても第一志望校にしか目が向きません。受験は何があるかわからないので、第一志望校に届かなかった時にどうしたらいいか早めに考えておくのは親の役目です。塾の先生には、いろいろな生徒を見てきた蓄積があります。「このような性格の子には、どんな学校が合いそうか」「今この学力なら、受験までの期間でどれくらい成績が伸ばせそうか」というのは、ネットではなかなか得られない、塾ならではの貴重な情報です。ぜひ幅広い視野を持って先生の話を聞くようにしましょう。

宿題で睡眠時間が削られるなら相談を

塾通いを始めたら、子どもの睡眠時間をしっかり確保することに気を配りましょう。今の子どもたちはびっくりするほど遅くまで起きています。就寝時間は早くて23時頃で、なかには夜中の1時過ぎまで勉強をしている子もいます。多くのお母さんが「子どもが朝起きられない」と悩んでいて、子どもたちも「授業中に眠くなる」と言います。これでは学習効率が下がるばかりか、体力、精神力ともに持ちません。

睡眠時間が短くなってしまう原因のひとつとして、塾の宿題がなかなか終わらないことが考えられます。もしかしたら宿題の難易度やボリュームが子どものキャパシティを超えてしまっているのかもしれません。その場合は、塾に事情を伝えて相談することが必要です。自分の子どもが優先して学ぶべき学習領域を聞いて、宿題の範囲を絞ってもらいましょう。それと同時に家での学習スタイルも見直して、だらだら勉強することは避け、きちんと睡眠時間を確保することが大切です。

特に塾の新学年がスタートする2月は、授業数が増え、学習内容も急に難しくなります。新しいカリキュラムになって、親も子も張り切る時期ではありますが、春休みまではあまり無理をさせず順応することを心掛けたいところです。一週間の学習スケジュールを立てつつ、本格的に始動するのは4月からと考えましょう。


これまでの記事はこちら『「国語力」が、中学受験を左右する!

※記事の内容は執筆時点のものです

南雲ゆりか
南雲ゆりか 専門家・プロ

南雲国語教室(東京都文京区)主宰。「正確に読む力、伝える表現力」の育成をモットーに小学生の指導にあたっている。東京都生まれ。横浜市の小学校教諭を経て、大手中学受験塾の国語科専任教師に。10年間、最難関コースの指導を担当するとともに、模試や教材の作成にも携わった。主な著書に、『笑って合格する!「中学受験」必勝法』『中学受験の合否を決める! 考える力がつく「国語」勉強法』(いずれもダイヤモンド社)がある。現在、朝日小学生新聞で「楽読み楽解き国語の時間」、朝日新聞EduAで「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」を連載中。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。

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