連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

例年よりも短い夏休み、小6受験生の親が気をつけること|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年6月23日 石渡真由美

新型コロナウイルスの影響で、短くなってしまった夏休み。例年とは異なる今年の夏、6年生はどのように受験勉強を進めていけばよいのでしょうか。

夏休み短縮 塾の夏期講習はどうなる?

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月・5月の2カ月間、小学校は休校を余儀なくされました。小学校では学習の遅れを埋め合わせるため、夏休みを20日前後とするが多いようです(地域によって微妙な違いがあります)。困ったのは、小6受験生です。夏休みは天王山といわれるほど、重要な時期。それが例年の半分ほどの日数になってしまうわけです。その影響ははかり知れないでしょう。

私の塾に通う生徒たちの学校では、8月1日〜8月23日頃までが夏休みです。そのため、7月中は放課後、夜の時間帯に夏期講習を実施します。また、例年の夏休みであれば、お盆の時期に塾も1週間お休みですが、今年の休みは4日間のみです。夏休みの期間は短いのに、勉強の量は変わらない。子ども達の負担はその分大きくなります。

第一に体調管理。夏の学習は計画・取捨選択を

今年の夏休みは期間が短く、やるべき内容が多い。そんな状況ですから、子ども達の身体的負担はかなりのものになります。親御さんが最も重視すべきは、子どもの体調管理です。体調を崩せば、塾に行けなくなってしまいます。塾に行けなくなると、この夏の大事な勉強ができず、痛手となります。したがって、例年以上に夏休みの学習計画を立てることと、学習の取捨選択が重要となってきます。

大手進学塾では夏期講習のほかに、単科講座や合宿といったオプション講座があります。こうした講座は塾から勧められて、半強制的に受講することになりがちです。しかし、前述のように、今年の夏は例年よりもハードです。過密予定に加えてオプション講座を入れてしまうと、子どもはヘトヘトになってしまうでしょう。結果、集中力が低下し、勉強時間が長いわりに成績が伸びないという悪循環に陥ってしまう恐れがあります。塾から勧められる講習は、本当に必要なのかどうか検討すべきだと思います。単科講座の中でも、この分野は苦手だから受けるけれど、この分野は得意だから受けないといったように、お子さんの学力に応じた取捨選択が必要です。

また、夏休み中は塾から大量の宿題が出ることも想像されます。それらも取捨選択の対象です。すでに理解している箇所は飛ばし、苦手な箇所だけをやる。なんでもかんでも全部やる必要はありません。やるべきことを絞った方が、効果は高いでしょう。体調を第一に、的を絞る。無理をさせないことです。

学習計画はいざ夏休みが始まると、目前の課題に追われて、そのまま流れに飲み込まれがちです。ですから、夏休みが始まる前に計画を考えておきましょう。計画を考えるタイミングは6月末か、7月初旬に実施される模試の結果が出た頃がよいと思います。模試の結果から、苦手分野や苦手単元を分析し、夏休みはそれを克服するようにしましょう。

2月にピークをもっていく。焦りは禁物

映像授業に切り替わったり、夏休みが短くなったりと異例つづきの年ですが、1月・2月の受験スケジュールは大きく変わらないと思われます。この夏に総復習をして、9月以降は合否判定模試が続き、過去問の勉強も始まります。

6年生の総復習の機会は4回あります。最初の総復習が夏休みです。夏休みの総復習ではたくさんの苦手分野が残っているものです。したがって、9月の模試で思うような結果が出ないこともあります。しかし、その後9月・10月に2回目の総復習、11月・12月に3回目の総復習をし、冬休みと1月に最後の総復習をして仕上げていきます。ですから、夏から9月にかけて思うような結果が出なくても、焦らないことです。

2月にピークを持っていけばいいのです。今から「あれもこれも!」と全力で頑張ってしまうと、気力・体力を維持することができません。筋トレもそうですが、負荷をかけすぎると体を壊してしまいます。大事なのは無理をせず、一定のペースでコツコツと勉強を継続することです。


これまでの記事はこちら『今一度立ち止まって中学受験を考える

※記事の内容は執筆時点のものです

宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)
『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)
『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)
『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

合わせて読みたい