学習 社会

【2021年中学入試】社会で出題された「時事問題」を解説

2021年2月09日 吉崎 正明

2021年中学入試の社会では、例年同様に「時事問題」が出題されました。特に新型コロナウイルス感染症や、アメリカ新大統領・バイデン氏の就任など、世界的な話題が多く出題されています。情報社会や消費税増税、SDGsなど、経済・環境問題についての出題も目立ちました。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症についての問題は、早稲田実業などで出題されました。新しい生活様式を指す言葉「三密」とは何かを答えさせる問題も出題されています。三密とは「密閉・密集・密接」のことですね。対人距離を確保することは「ソーシャルディスタンス」と呼ばれます。新型コロナウイルスの話題は私たちの生活とは切り離せないものですが、この話題を通して、受験生が日常の話題にどの程度関心があるかを各学校が見ているように感じます。

新型コロナウイルス感染症

  • 正式名称は「COVID-19」
  • 新型コロナウイルス対策を世界規模でおこなっている国連機関は「WHO(世界保健機関)」……WHOは新型コロナウイルスの世界的な大流行を指す言葉として「パンデミック」を宣言

外国のなかには、新型コロナウイルス感染症の対策のため、罰金などの強制力をともなう都市封鎖、いわゆる「ロックダウン」をおこなう国があります。一方で2021年2月現在、日本では外出自粛などの要請に留まるのみです。そもそも日本には「ロックダウンを実施するための根拠となる法律が存在しない」という側面があります。そして日本でロックダウンを実施すると、人々の移動などの自由を制限することになるため、「自由権を保障している日本国憲法に反する」といった点で不都合が生じてしまうともいわれています。

バイデン新大統領就任

2021年中学入試で特に多く見られた時事問題が、アメリカ大統領選挙についての話題です。新大統領は、ジョー・バイデン。彼は2021年1月20日(日本時間1月21日)に大統領に就任しました。今回のアメリカ大統領選挙に関するポイントは、次の3つです。

  • 新大統領のジョー・バイデンは民主党所属(トランプは共和党)
  • アメリカは民主党と共和党による2大政党制
  • 大統領の任期は1期4年(最長2期まで)

開成中学では新大統領の名前や任期などについて問う問題、サレジオ学院では大統領の名前のほか、所属政党名を問う問題が出題されました。ちなみにアメリカ大統領選挙をはじめ、世界的なリーダーが交代する話題などは中学入試の時事問題としてすぐに反映される傾向にあります。たとえば2017年1月に国連事務総長に就任したアントニオ・グテーレス氏に関する問題は、その翌月の入試で多くの学校から出題されました。

情報社会

情報社会に関する時事問題も、今年の中学入試で多くみられます。武蔵中学では「新聞の発行部数」をテーマに、戦後に発行部数が増加した理由、21世紀に入ると減少している理由をそれぞれ答えさせる問題を出題。テレワークやオンライン授業をはじめ、ネット環境が欠かせないものとなりつつあるなか、「情報通信」に関する問題も多く出題されています。たとえば大宮開成中の特待生選抜入試では、「テレワーク」の意味を答えさせる問題が出題されました。

来年以降の入試でも、「メディアリテラシー」や「デジタルデバイド」といった用語の出題が続く可能性があります。すでに中学入試で出題された用語を含め、この先の入試で出題が予想される用語は次のとおりです。

出題が予想される用語

  • メディアリテラシー……テレビや新聞などのメディアが伝える情報を正しく理解する力
  • デジタルデバイド……インターネットなどを利用できる者と利用できない者との間にもたらされる格差
  • マスコミュニケーション……テレビや新聞、ラジオなどを通し、多くの人に大量の情報を送る方法
  • フェイクニュース……「真実ではない情報」を指す言葉(ウェブサイトやSNSなどを通して“ウソ”の情報が拡散・発信されていることが社会的な問題に)
  • ICT……情報通信技術(Information and Communication Technology)

経済・環境問題

今年の中学入試では、経済・環境問題に関わる時事問題の出題も目立ちました。早稲田中学では「新紙幣」をテーマに、消費税10%の話題と絡め、食料品などは消費税が8%のままとなる「軽減税率」について答えさせる問題を出題。経済産業省が主導した「キャッシュレス・ポイント還元事業」や「レジ袋有料化」についての問題もさまざまな学校で出題されました。

SDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした出題も、2020年入試に続き目立ちます。早稲田実業では、SDGsを日本語で答えさせる問題を出題。「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」についての出題もありました。

■都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト
東京オリンピック・パラリンピックのメダルを「リサイクル素材だけを原材料にしてつくろう」というプロジェクト

※記事の内容は執筆時点のものです

吉崎 正明
この記事の著者

都内の中学受験専門塾で社会・国語担当として活躍。12年間在籍した大手進学塾では難関選抜講座担当を歴任、社内数千名が出場する「授業力コンテスト全国大会」において優勝経験あり。その後家庭教師を経験し、2019年より現在に至る。全国トップレベルの授業技術と多彩な戦術眼を駆使し、御三家中などの最難関校から幅広い成績層まで、多くの受験生の第一志望合格をサポート。茨城県行方市出身。