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小学校でも導入が進められている反転授業とは? メリット・デメリットを知ろう! (2ページ目)


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学習効率の向上

反転授業のメリットとして挙げられるのが、学習効率の向上です。反転授業では一般的な授業と異なり、予習の際に学習教材を何度も繰り返し見られるため、納得いくまで学ぶことができます。また、従来の授業は基礎学習に大きく時間を割いていましたが、自宅で基礎部分を予習することで授業時間に余裕ができ、学校では発展学習をおこない、理解を深めることができるようになります。

自主的に学ぶ姿勢が身に付く

反転授業などのタブレットを使った学習は、従来の紙と鉛筆を用いた学習と違い、「ゲーム的な面白さ」が感じられるため、楽しんで学べます。楽しんでいるうちに「自主的に学ぶ姿勢」が身に付くのは、反転授業の大きなメリットでしょう。実際、武雄市の事例の検証では、「授業が楽しみ」と感じる生徒が多いなど、学習に対するポジティブなデータが出ています。

反転授業のデメリットは?

効果的に学ぶことができる反転授業ですが、メリットばかりではありません。以下のようなデメリットも挙げられています。

環境が整わないと難しい

反転授業はタブレットを用いて予習を行うため、インターネット環境がほぼ必須です。現在はほとんどの家庭にインターネット環境が整ってはいるものの、学校単位でのインターネット環境整備となるとコストもかかるため、どこにでも導入できるものではありません。また、教材の整備も負担となります。

自主性に任せるため差が生まれやすい

自主学習がメインになるため、積極的に予習ができる子供とそうでない子供の差や子供の理解力の差が、翌日の発展授業に大きく影響します。そのため、画一的な学習内容では学力に差が出てしまいます。

武雄市の導入実験でも、理解度に合わせて授業スタイルを変えるなど、効果的に学習がおこなえるような工夫がされていました。この点は反転授業を取り入れる場合には考慮しないといけない課題といえます。

効率的に学べる学習方法だが本人しだいの部分が強い

反転授業にはメリットもデメリットもあります。また、日本では反転授業の導入自体があまり進んでいないため、学校と連携しての学習はまだ難しいでしょう。ただ、学習塾では「タブレット学習」として反転授業の要素を取り入れているケースもあるので、興味がある方はそちらを体験させてみてはいかがでしょうか。

⇒参照文献:重田勝介『反転授業 ICTによる教育改革の進展』(国立研究開発法人科学技術推進機構「情報管理」56巻10号、P677-684、2014)

⇒参照記事:東洋大学現代社会総合研究所 ICT教育研究プロジェクト『武雄市「ICTを活用した教育」第三次検証報告』
https://www.city.takeo.lg.jp/kyouiku/docs/20170324kyouiku03.pdf

(中田ボンベ@dcp)

※記事の内容は執筆時点のものです

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