中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験をするなら心得たい、家庭学習の仕方と親の関わり方

2018年4月25日 石井知哉

中学受験を志す場合、塾通いをすることが多いですが、塾の授業だけでなく、家庭学習も重要です。受験の合否は家庭学習の仕方によって分かれるといっても過言ではないでしょう。そこで、中学受験の合格者たちの実例から集約した「家庭学習の仕方と親の関わり方のポイント」をお伝えします。

塾の宿題をやり遂げる

中学受験に向け通塾をはじめると、塾から宿題を課されます。この宿題にしっかりと取り組むことが家庭学習の基本です。宿題は、授業で学んだ内容を確実に身に付けるためのものです。宿題をおろそかにして自己流で家庭学習をするのは得策ではないでしょう。

家庭学習のキモは「復習」と「反復」

通塾しているお子さんにとって、宿題以外の家庭学習は、「授業内容の復習」と「反復練習」が最優先です。これらなしでは授業内容が理解・定着できません。計算問題や漢字練習などは定着に時間もかかります。限られた授業時間を生徒が独力でできることに使うのはもったいないので、計算問題や漢字練習は宿題として課されるわけです。

授業で扱った例題や問題を再度解き、正解できるまで反復する。これが復習の大原則です。特に、授業中につまずいた問題は、1週間に3回は解きたいもの。次の授業までに完全にマスターできれば、きちんと復習・反復練習できたということです。お子さんが、保護者に解き方や考え方を説明できるようになれば万全でしょう。

家庭学習のスケジュール例

1週間に1回塾に通う場合、次のような流れが無理なく効率的なスケジュールです。

● 授業の1・3・6日後:復習・反復練習
● 授業の2・4・5日後:宿題

「いつ何をやるか」が明確であることが大切です。授業後に1週間の計画を教材やカレンダーに書き込んでおきましょう。

家庭学習の成果は「何をどれだけやったか」で判断する

家庭学習に際して、「1日●●時間」と時間をノルマにする家庭もあることでしょう。しかし、ダラダラ取り組む1時間と、集中して取り組む1時間で得られる効果は全く違います。時間の長さを勉強の目的にしてはいけません。

「その日のやるべきこと」が短時間で終われば、その日の勉強はもう終わりにして自由時間としてもよいでしょう。逆に、「その日のやるべきこと」は時間がかかってもやり遂げる姿勢を持つ。そういうスタンスで前向きに取り組むことができれば、質の高い家庭学習になります。

親が子供に教えすぎない

子供の横に親がついて家庭学習に取り組む場合、以下の3点は特に要注意です。ここを外すと成果は期待できないでしょう。

【1】教え過ぎは避ける

「AだからBでしょ、BだからC、ということは、答えはDになるでしょ」

こんな風に最初から最後まで全部を親が説明すると、子供は何も考えていないので、力はつきません。「Aってことはどういうこと?」「Bだからどうなる?」「Cということは、答えは何になる?」など、「教える」のではなく「問いかける」「引き出す」という姿勢が重要です。また、子供が自分で考えている間は口を挟まずに待つことも大切です。

【2】「わかった」ではなく「自力で正解」をゴールにする

ヒントや解説を受ければ、子供は「わかった」となりますが、これは「補助輪付きの自転車」に乗れたようなもの。自分の力だけで解けていません。誰の力も借りずに「自力で正解」がゴールです。

【3】感情的にならない

間違えたりスムーズに進まなかったりすると、子供に対してイラ立つこともあるかもしれません。しかし、怒鳴っても、できるようにはなりません。むしろ子供が萎縮して逆効果です。間違いを許容する心のゆとりが必要です。

親子一緒に考え、楽しみながら家庭学習を

以上お伝えしてきたことをきっちりと実践した中学受験生親子がいます。ご両親共に中学受験も大学進学もしていません。

家庭学習は「親も一緒に考える」というスタンスで、親子でゲームやパズルのように楽しみ、お子さんは第1志望の私立中に合格、のちに最難関大学を突破しています。

その子の「点数が悪くて怒られたことはない」「勉強しろと親から言われたことがない」という発言が強く印象に残っています。これこそが「家庭学習の仕方と親の関わり方」の理想的な形ではないでしょうか? ぜひ、参考にしてみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

石井知哉
この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。