扇状地と三角州の違いは習うより慣れろ! 実例の地図を多く見るのが近道 (2ページ目)
代表的な扇状地と三角州の実例を見てみる
さて、扇状地と三角州の基礎知識として違いを見てきました。とはいえ、実例を見てみないとイメージがつかないですよね。習うより慣れろです! 今回は日本の国内にある有名な扇状地と、有名な三角州を地図とともにご紹介したいと思います。扇状地は衛星写真を、三角州は白地図を見るとすぐにわかります。
日本にある代表的な扇状地
甲府盆地
甲府盆地にはたくさんの扇状地が存在します。下の地図は山梨県笛吹市にある扇状地です。山地から甲府盆地に移るあたりが、扇型の傾斜になっていることがわかります。そして甲府盆地といえば「ブドウ」や「モモ」の生産地ですね。
参考:山梨県笛吹市の扇状地
https://goo.gl/maps/YwbPB3qSsPn
長野盆地
長野盆地にもたくさんの扇状地が存在します。下の地図は長野県安曇野市にある扇状地です。長野盆地の西側の山から長野盆地に移るあたりが、扇型の傾斜になっていますね。長野盆地は「リンゴ」や「モモ」の生産地です。
参考:長野県安曇野市の扇状地
https://goo.gl/maps/FPm6YXz4Gg32
山形盆地
山形市の中心部は扇状地上に発達した都市です。下の地図は山形市の中心部付近の扇状地です。そして山形盆地では「さくらんぼ(桜桃)」がたくさん生産されています。山形市中心部は都市化していますが、山形盆地のあちこちにある扇状地にはさくらんぼ園が見られます。
参考:山形市中心部の扇状地
https://goo.gl/maps/WaxLJ2C3hyz
道後平野
愛媛県の道後平野も扇状地で有名です。そして道後平野は「みかん」の生産地としても有名ですね。下の地図は愛媛県東温市の東部ですが、北の方の山地から道後平野へ抜けるところが扇形の傾斜になっています。
参考:愛媛県東温市 東部の扇状地
https://goo.gl/maps/Q2uDQcT82Yw
胆沢扇状地
岩手県にある胆沢扇状地は日本最大級の扇状地です。読み方は「いさわせんじょうち」と読みます。衛星写真を見ると見事に綺麗な扇形をしていますね。ただ胆沢扇状地の土地利用は、ほぼ水田で、果樹の栽培はほとんどありません。
参考:岩手県 胆沢扇状地
https://goo.gl/maps/FTAvXdnSXME2
日本にある代表的な三角州
広島市や萩市の中心部は三角州
広島市の中心部は太田川の三角州の上に発達した都市です。太田川の支流がいくつもの三角州をつくっていますね。土地は都市化しています。
萩市の中心部も阿武川の三角州の上に発達した都市です。広島市と同じですが、広島と異なり支流は2つに分かれ大きな三角州がひとつだけ形成されています。
東京や大阪も三角州
実は東京や大阪のような大都市も、三角州上に形成された都市です。東京では江戸川や荒川や隅田川が東京湾に流れるところに三角州があります。大阪は淀川のいくつかの支流が大阪湾に流れるところに三角州がつくられています。
まとめ
扇状地と三角州は河川によって運ばれた土砂が堆積してできたという共通点と、形も扇形と三角形でなんとなく似ていることから、違いがわからなくなってしまいがちです。しかし扇状地と三角州には「できる場所が違う」という大きな違いがあります。基本をおさえたら習うより慣れろです。可能な限り数多くの地図を見ましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます