中学受験ノウハウ 塾選び

中学受験、塾はどうやって選ぶ? わが子のスタイルを見極めよう

2018年7月24日 水野若葉

中学受験をはじめとし、「大切なわが子に、よい学習環境を与えたい」と考える方は多いでしょう。そうはいっても、受験準備にはさまざまなことが求められます。家庭学習だけではなかなかフォローできない……という場合、頼りたくなるのが「塾」という存在ではないでしょうか。

今回は、どんなタイプの塾があるの? という点から、それぞれのタイプに合うのはどんな子供なのか、塾の掛け持ちはするべきなの? といった親御さんの疑問にお答えします。

「塾」のスタイルはさまざま

入塾を検討し始める前に、まずは塾にもいろいろなスタイルがあることを確認しておきましょう。そして、子供にとってどんな塾がベストなのかを考えてみましょう。

塾選びの前に、まずは子供の性格をよく分析

ひとくちに「中学受験向けの塾」と言っても、学習・指導のスタイルは千差万別です。たとえ多くの合格者を輩出する有名塾であっても、子供に合わないスタイルであれば思うような効果が得られないかもしれません。「大手だから」となんとなく決めてしまわず、まずは子供自身を見ることが大事だと言えるでしょう。

学費や通塾時間は重要、とはいっても……

「大手だから」という以外に、学費の面や通塾時間も大きな要素と考える方は多いでしょう。しかし、塾や講師とは相性が大切。たとえ学費が高めの塾であっても、子供が馴染みにくいと感じれば、授業に集中できません。逆に、お手頃な価格の塾でもカリスマ性のある講師がいて、子供にバッチリ合う可能性もあります。先入観を抱くことなく、根気よく探すつもりでいるとよいでしょう。

距離についても、一人で行くのと友達と行くのとでは体感時間も違います。「遠かったけど、友達と一緒に通っていたから、一瞬だった!」と感じる子もいます。大人の感覚と子供の感覚は違うはよくあることなので、実際に電車に乗ってみるなどして、子供の感覚を把握しておきましょう。

具体的な塾のタイプ

さて、ここでは実際に、どのような塾のタイプがあるのか、どのような子供がマッチするのかについて確認します。

競争心を高め、成績をアップさせるタイプ

まずは「ある程度、子供に競争心を持たせるタイプ」の塾です。このタイプの塾は、こまめなテストやクラス分け、補習などを実施して、子供の成績をしっかり管理する傾向があります。難関校の志望者を対象とした塾に多いタイプです。

最難関校をめざす子供の中には、「友達より難しい問題に取り組みたい!」「あの同級生より、いい成績が取りたい!」という負けず嫌いな気持ちをバネにする子もたくさんいます。

競争がプレッシャーにならず、むしろやる気が出る! という子供であれば、こうした塾が向いていると言えるでしょう。周りの子供のモチベーションも高いため、受験に関してプラスの感情を持ちやすい塾です。

一人ひとりのフォローに力を入れるタイプ

競争タイプに対し、「一人ひとりのフォローをしっかりするタイプ」の塾もあります。子供の性格やつまずきやすいポイント、細かな気持ちの変化を見極めながら、丁寧に指導してくれるのがこのタイプ。何が何でも有名校というのではなく、小規模な学校であっても子供の気質にマッチした学校をすすめてくれる傾向があります。

子供にとって、中学受験というイベントは、体力・メンタルともにハードであることは確かです。頑張ってはほしいけれど、子供のペースも大事にしたいという場合は、ケアの手厚い塾を探すのがよいでしょう。

ユニークな講師・カリキュラムを売りにするタイプ

最後は、「ユニークな講師・カリキュラムのある」塾です。学習にゲームを取り入れたり、巧みなトークで気持ちを惹きつけたりするカリスマ講師がいるなど、ユニークな取り組みが特徴的な塾です。

中学受験に挑む子供は、どれだけ難しい問題を解けるとはいってもまだまだ「子供」です。

こうした塾は、子供が「勉強をさせられている」と感じないようなカリキュラムを持っており、大人でも驚かされるほどです。前向きな気持ちで勉強に取り組むことができるので、「親としては受験してほしいけど、子供があまり乗り気でない……」といった場合に頼ってみるのがいいでしょう。

塾は掛け持ちするべき?

塾に関して、もうひとつ気になるのが「掛け持ち」ではないでしょうか。メインで通っている塾と合わせて、苦手教科を補うためにもうひとつ塾に通った方がいいのかなと不安になる方も多いようです。掛け持ちのメリット・デメリットとは何でしょうか。

子供の安心につながるのであれば検討もあり

受験が迫る6年生になると、「国語だけは、もうひとつ塾に通っている」という子も増えてきます。そうした状況に不安を感じ、子供の方から「自分も行った方がいいのかな……」と相談してくるケースもあります。

確かに、特定の教科に特化した塾にはノウハウがあり、短期集中で成績を伸ばしやすい面があります。心理的にも、「あれだけ対策したのだから」と子供が安心することができ、苦手意識をなくしやすくなります。

子供のモチベーションが高いのであれば、「掛け持ち」を検討してもいいでしょう。

指導方法のズレと体調面には注意

ただし注意したいのは、指導方法のズレ、そして体力的な面です。

それぞれの塾には、長年培ってきたオリジナルのノウハウがあります。ですから、掛け持ちをすることによって「問題の解き方が、A塾とB塾でぜんぜん違う!」というズレが発生する可能性があります。

これは、一概にどちらが正しい、間違っているという話ではありません。どちらもプロの講師が長年研究してきた結果ですから、信頼に値する方法なのです。ただ、子供からすると「どっちのやり方が正しいの?」と混乱してしまい、本来解けるはずの問題も解けなくなってしまう可能性があります。指導方法が極端にズレている場合は、ちょっと注意が必要です。

また、単純にスケジュールの密度が高まることで、子供が体調を崩してしまう可能性があります。未来のための受験なのに、病気にでもなったら元も子もありません。子供がつらそうにしているなと思ったら、無理せずスケジュールを見直せるようにしておきましょう。

まとめ

以上、中学受験の塾の選び方について気をつけておきたいポイントを見てきました。小学生という年齢は、心も体も大きく成長するデリケートな時期でもあります。合格実績や学費の面だけでなく、本当に子供に合った塾を根気よく見極めることが大切だと言えるでしょう。

中学受験の経験者には「塾はすごく楽しかった!」と答える人も多いです。子供が笑顔で通えるようなピッタリの塾が見つかるといいですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

過去、学習塾の個別講師として、関西の最難関校(灘、甲陽、神戸女学院、四天王寺)志望者の指導にあたる。一方で、学校内容の補習や不登校の生徒の指導も行う。保護者相談も担当し、リアルな生徒・保護者の声と向き合った経験を生かして現在は教育ライターに。