中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験を失敗させやすい親の特徴

2018年8月24日 山本暁子

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知らないうちに親が子供を悪い方向へ導いてしまっていることがあります。よかれと思ってしていることが裏目に出ることも……。今回は、中学受験を失敗させやすい親の特徴を挙げてみました。

塾や家庭教師に任せすぎている

「うちは有名な進学塾に通わせているから大丈夫」「有名大学の家庭教師も雇っている」。それだけで満足してしまって、成績表を確認したらあとは放置状態になっていませんか?

子供は、「親が自分のやっていることに関心をもっているか」「自分のやっていることは親にとっても価値があるものなのか」を気にしています。

塾や家庭教師は受験のプロとはいえ、ひとりの子供と接することができる時間も、関われる範囲にも限界があります。

「今日はどんなことを教えてもらったの?」
「成績が上がっているけど、何か素敵な勉強方法でも見つけたの?」
「今日は元気ないけど、学校や塾で何かあったの?」

このような問いかけを帰宅時や食事時などにしてみてください。どんなささいなことでもいいのです。親が子供に関心を持っていることを、子供に理解させることが大切です。

勉強を強制しすぎている

「勉強は子供の仕事なんだから、つらくても我慢してやるべき」といった態度で子供に接してしまっていませんか?

「勉強とは、つらいけど我慢してやらないといけないといけないもの」という価値観を子供に植え付けるのはよくありません。

子供は、怒られるという「マイナス」と、勉強をしなければいけない「マイナス」を天秤にかけて選ぶことになるからです。

どちらを選んでもマイナスだけれど、マシな方を選ぶしかないという2択にしてしまうと、やる気が落ちるのは当然です。

最終的には、「親の目をいかにごまかして上手くさぼるか?」といった思考におちいる可能性があります。

「勉強はつらい面もあるけど、楽しい面もある」ということを親が言葉と態度で示すことが大事です。「自信がつく、新しいことを学ぶ達成感を得られる」というプラス面を意識させましょう。

親の気持ちを優先しすぎている

受験に対して、親だけが勝手に盛り上がっていませんか?

子供が「親が必死だから仕方なく受験に付き合っている」という状態では、どこかで成績は伸び悩んでしまいます。子供自身にやる気を持たせるには、親子で目標の共有が必要です。

志望校を決めるときに偏差値だけで判断するのではなく、パンフレットやホームページ等で、子供と一緒に学校を調べてみましょう。実際にその学校を訪れてみるのもおすすめです。

子供自身にも「この学校に行きたい」と思わせることで、受験を親子の共通の目標にしてください。

余裕がない

何事にも余裕がなければ続きません。それは子供だけでなく親も同じです。中学受験は、数年かけて準備する長丁場のイベントです。

大学受験までを考えると、10年近くもかかる長い道のりです。たとえ足踏みや回り道があっても、少しずつ確実に積み上げていけば必ず高いところに登れるはずです。親子ともに余裕をもって楽しんで続けることが大切です。

人間は完璧な生物ではありません。まして子供は、ときにはどうしてもやる気が出ないときもあります。真面目に勉強したのに、思ったように成績が伸びないときもあります。

このようなときに、すぐに勉強時間を増やしたり、ゲームやテレビを取り上げたりするようなことはおすすめしません。特に罰則を作るなどはもってのほかです。

それよりも、勉強方法や塾の教え方等に問題がないか冷静に分析する方を優先しましょう。

・親との約束を守れているか?
・良い点が取れなかったときも正直に状況を報告できるような親子関係にあるか?
・日々のコミュニケーションがしっかりととれているか?

見直すべきことはたくさんあります。

まとめ

子供のやる気を阻害している、いつの間にか子供の気持ちを無視して受験を強制している……というのが、受験失敗の主な原因です。子供はとても繊細です。知らず知らずにこのようなことを子供にしていないか、一度振り返ってみるといいでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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