中学受験ノウハウ 基礎知識

知っておきたい各地域の中学入試日程と日程の組み方

2018年10月09日 花里京子

中学受験の入試日程は地域によって異なり、午前入試と午後入試があるなど細分化されています。また、「サンデーショック」「プチサンデーショック」「入試100日前」など、入試に関連する独特の用語もあります。この記事では、中学受験の基本である各地域の入試日程と、関連する用語について紹介します。

地域ごとに異なる入試日程

一般的に中学受験の入試は12月から2月上旬にわたって行われます。しかし、地域によって入試日には微妙な差があります。基本的に自宅から通える学校を受験する方が多いと思いますが、引越しや転勤などで地方の進学校を受ける可能性もゼロではないでしょう。ここでは、地域ごとに異なる入試日程について紹介します。

東京・神奈川の入試日程

例年2月1日になると「中学入試が始まりました」というニュースが流れるほど、風物詩となっています。この2月1日に入試が始まるのは、東京と神奈川です。開成や麻布といった難関中学校は、2月1日の1回だけで入試を実施します。

開成・麻布以外にも、多くの有力校が2月1日の午前に第1回の入試を実施するので、2月1日は「第1志望校を受験する日」ととらえてもよいでしょう。言い換えれば、首都圏の中学校をめざす受験生にとっては2月1日が本番であり、この日を目標に学習に取り組むことになります。

埼玉・千葉・茨城などの入試日程

関東の東京・神奈川以外の県では、入試は12月から始まり、正月明けの1 月上旬から本格化します。埼玉や千葉、茨城の学校を第1志望と考えている受験生は1月が本番といえるでしょう。

関西やその他の地域の入試日程

関西やその他の地域では、多くの学校で1月中旬を入試日としています。これらの地域にも大学進学実績の高い学校があり、地元だけでなく東京や大阪といった都市圏の会場で入試を行うケースがあります。都市圏に住んでいて、志望する学校が地方にあったり、腕試しを目的に受験する可能性がある場合は、東京や大阪の会場で入試がないかチェックすることになります。

試験日程の組み方はどうしている?

中学受験では、第1志望校だけを受験するというご家庭は少数派で、第4志望校から第5志望校くらいまで受験するのが一般的です。では、どのように試験日程を組むのでしょうか。ここでは、東京都内の学校を第1志望校と仮定した場合の、日程の組み方を一例として紹介します。

レベルに応じた日程組み

複数の学校を受験するということは、当然受験校のレベルに応じた日程を組みます。受験する学校のレベルは下の表のように「チャレンジ校」「実力相応校」「安全校」「腕試し校」に分類できるでしょう。

「腕試し校」は入試の雰囲気を体験するための学校です。本番を前に入試を疑似体験する目的で受験するご家庭があります。

受験する学校のレベル

チャレンジ校 模試の結果、合格は難しいが可能性はゼロではないと判断できる学校
実力相応校 模試の結果、合格圏内ではあるが、不合格になる可能性も否めない学校
安全校 模試の結果、ほぼ合格できると判断された学校
腕試し校 入試の雰囲気を体験するための学校

各家庭によって差はありますが、概ねこのような分類で受験校を決めます。都内の学校を第1志望校とした場合は、次のような日程を組むことになります。

<例:都内の学校を第1志望校とした場合の試験日程>

志望順位 学校 学校所在地 偏差値 入試日
第1志望 A校
(男子校)
東京 70台前半
(チャレンジ校)
2/1
午前
第2志望 B校
(男子校)
東京 60台後半
(実力相応校)
2/2
午前
第3志望 C校
(共学校)
東京 60台前半
(安全校)
2/3
午後
第4志望 D校
(共学校)
神奈川 50台後半
(安全校)
2/2
午後
第5志望 E校
(共学校)
長野
(地方)
60台前半
(腕試し校)
1/15
午後
※東京会場

1月に東京会場で試験が行われる地方校のE校を「腕試し校」として受験。そして、2月1日に本命の第1志望校を受験します。2月1日の午後は受験校を入れず、翌日2日に備えています。2日は午前に第2志望校、午後に第4志望のD校を受験します。B校もC校も同じ都内です。

あくまで一例ですが、概ねこのような形で、各ご家庭それぞれ第1志望校を軸に、移動のしやすさ、受験生本人のモチベーションなどを踏まえてスケジューリングします。

ユニークな入試を実施する学校も増えている「午後入試」

午後入試を実施する学校も少なくありません。従来は午前入試と午後入試は同じ科目(4科、あるいは2科)で実施する学校が多かったのですが、近年は2020年大学入試改革を見据えてか、午後入試では、教科の試験だけでは計れない受験生の力を見る入試を行う学校が出てきています。

たとえば、英語のみの入試を行ったり、問題解決をするための方法を小論文形式で書かせたりする入試などです。午後にユニークな入試を行う学校の先生は「午前に他校の一般入試を受けた後、午後にはちょっと変わった入試にも挑戦してほしい。そして、いろいろな力をもった生徒に入学してほしい」と、ユニークな午後入試実施の理由を語っています。

サンデーショックとは

「サンデーショック」も入試日程を組むうえで重要な用語です。サンデーショックがある年とない年では、併願校選びや入試日程の組み方が変わってきます。

サンデーショックの意味

キリスト教系の学校では日曜日を安息日としているため、日曜日が2月1日となった年は2月1日には入試を行わず、翌日の2月2日に入試を行います。これを「サンデーショック」といいます。入試日がずれる影響は大きく、通常の年であればできない併願パターンが可能になったり、逆に例年であれば可能だった併願パターンがその年だけは併願不可になったりするなど、入試日がずれる学校だけでなく、その併願先となる学校にまで大きな影響を及ぼします。

サンデーショックの影響

たとえば、東京の女子御三家(女子学院・桜蔭・雙葉)のひとつである女子学院を例に見てみましょう。例年、女子学院の入試はほかの女子御三家と同じ2月1日なので、女子学院を受ける受験生は桜蔭・雙葉を受けることができません。

しかし、サンデーショックの年は女子学院の入試日が2月2日に移動するので、2月1日に桜蔭・雙葉を受けてから2月2日に女子学院を受験するということが可能になります。また、2月2日に受験を行っている女子進学校は、受験生が女子学院に流れてしまうため、例年より受験者数が減る傾向があります。

サンデーショックにはこのような影響がありますが、受験生からはこの現象を「サンデーチャンス」と見ることもできます。上記の例でいえば、受験生が女子学院に流れて受験者数が少なくなった女子進学校は倍率が下がるので、例年よりもハードルが低い狙い目となっている可能性があります。サンデーショックを「ショック」ととらえるか、あるいは「チャンス」にするかは、受験生や保護者の意識や戦略にもよるでしょう。

次のサンデーショックはいつ? プチサンデーショックとは?

実はこの「サンデーショック」、2015年に起きたばかりで、次の「サンデーショック」は2026年とちょっと先のことになります。これは2014年4月から2015年3月に生まれた子供たちが中学受験をする年です。

本格的な「サンデーショック」は8年後のことですが、その前に2019年と2020年に「プチサンデーショック」というべき年があるので要注意です。

2019年は2月3日が日曜日、2020年は2月2日が日曜日になります。この場合も、キリスト教系の学校は日曜日が試験日にならないように日程を変更します。2月1日が日曜日になるケースに比べれば影響は小さいといえますが、併願パターンが変化し、ボーダーラインも上下するので、注意が必要です。

入試100日前とは?

中学入試直前でよく言われるのが「入試100日前」です。塾でもよくアナウンスされます。100日前は約3カ月前で、東京・神奈川の受験を例にすると、10月24日前後となり、この時期をきちんと過ごすことが大切とされています。

この3カ月で受験する学校をしっかりと決め、最後の追い込みをし、ラストスパートをかけます。残された3カ月をいかに有意義に過ごすか、悔いのない学習をするかが合格へのカギとなります。

入試100日前の過ごし方

この時期は秋から冬へと向かっていきます。体調を崩さないよう注意したいものです。また、インフルエンザの予防接種は、特別な理由がない限りは受けさせたほうが安心でしょう。子供は「100日前」といわれると、焦ってしまう可能性があります。しかし、そんな時こそ平常心で、保護者がいつも通り接することが肝心です。

この時期は併願校選びも大詰めです。説明会などへ保護者が学校に行くことも多いでしょう。追い込みの時期なので、受験生本人が学校へ足を運ぶことは難しい時期ですが、本人が「ぜひ行きたい」というのなら、時間をつくって行ってみてもよいでしょう。

入試100日前の学習法

学習面でよく言われているのが、過去問を繰り返し解くことです。「第1志望校なら過去5年分」「第2、第3志望校なら過去3年分」といったように、具体的な目標を立てて取り組みます。ただし、無理は禁物。受験生本人が実現可能な無理のない目標を設定します。その他、苦手分野の克服など個人個人の課題に取り組みます。新聞に目を通すなど時事問題対策も忘れずにしたいものです。

おわりに

中学受験の入試日程は地域によっても違います。また、午前と午後にも入試を実施する学校も多いので、日程の組み方が肝心です。中学受験は大学受験などと違い、浪人ができません。小学6年生の12歳、その時にしか受験ができないものです。わが子の受験を満足のいく結果で終わらせるためにも、スケジュール管理が大切だということを心に留めておきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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