中学受験ノウハウ

中学受験 ゲームはどれくらいしてもいいの? 受験勉強中のゲームとの上手な付き合い方

4月 10, 2018 中曽根陽子

子供のゲームやスマホとの付き合い方は、受験をする、しないに関わらず、多くの家庭で頭を悩ます問題ですが、受験生となれば、親の心配もマックスでしょう。実際、ゲームをしている時間が長いほど学力テストの正答率は低くなるという統計もあります。

しかし、禁止すれば勉強に身が入るという訳でもなさそう。そこで今回は、ゲームとの上手な付き合い方、そして、そのための子供への働きかけについて考えます。

ゲームの時間と成績に関係あり!?


「ゲームをしている時間が長いほど教科の正答率は低くなる」これは、文部科学省が毎年行っている全国学力・学習状況調査での結果です。コンピューターゲームやスマートフォンを含むテレビゲームをしている時間の長さと学力との間にも相関関係があると言われています。

これには、単にゲームをする時間が長くなれば、その分勉強に割く時間が短くなるからというだけでなく、さまざまな理由が考えられます。

参考:平成29年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【全国版/小学校】http://www.nier.go.jp/17chousakekkahoukoku/factsheet/17primary/

半数以上の子供が、ゲームで1時間以上遊んでいる

全国学力・学習状況調査の結果では、平日にテレビゲーム(パソコンや据え置き・携帯ゲーム機、従来型携帯、スマートフォンによるもの)を1時間以上遊ぶ人の割合は、小学生で55.1%、中学生で58.4%。この比率は年々増加していて、スマートフォンの普及が進んだ平成25・26年度を境にゲームの時間が大きく増加しています。それだけに、その影響が気になります。

まず、単純にゲームで遊ぶ時間が長くなれば、ほかのことをやる時間がなくなります。

1日は24時間しかなく、学校で過ごす時間が8時間として、残りは16時間。通学時間や塾やお稽古事に通っている時間を引くと、残りは12~3時間しかありません。そのなかで、食事やお風呂、トイレや寝る時間も確保しなくてはならないので、自由にできる時間は2~3時間しかありません。

特に受験生なら、勉強を優先しなければならない立場ですが、もしそこで1時間以上ゲームをやっていたら、ほとんど勉強をする時間もなくなってしまうということがわかります。

ゲームが睡眠に与える影響も考えよう

さらにそれだけでなく、ゲームの持つ依存性や、夜遅くまで強い光を浴びていると、なかなか寝付けなくて、睡眠不足になってしまいかねないという問題もあります。

実際、睡眠不足がホルモンの分泌のリズムを狂わせ、認知、記憶、集中力の低下など脳に悪影響を及ぼすこともわかっています。今では寝る間を惜しんで勉強するのは効果なしと言われるようになってきているくらいで、小学生なら睡眠時間を8〜9時間は確保するのが最優先事項です。となると、平日にゲームに割ける時間はほとんどなくなってしまいます。

子供が自分でコントロールできるようになることをゴールに


では、「受験生はゲームを一切禁止」にすればいいのでしょうか。家庭によって考え方がわかれるところだと思いますが、無理やり禁止しても、やりたい気持ちが強ければ隠れてでもやるかもしれないし、ゲームをやらなかったから勉強に身が入るかというと、そうとも限りません。

また、これからの時代は、あらゆる分野でテクノロジーを使いこなすことが欠かせないとも言われていますから、一切触れさせないというのもどうでしょう。私がだいじだと思うのは、「子供自身が自分でコントロールできるようになる」ということです。ではそのために親はどうすればいいのでしょうか?

親子で一緒にルール作り

正解はないのですが、ひとつはルールを決めるということです。ゲームの時間や、やり方について、子供と話しあったことはありますか?

あるご家庭では、子供にゲームやデジタル機器との付き合い方について、そのいいところと悪いところを伝え、そのうえで24時間をどう使うか、子供と一緒に時間割をつくって可視化し、話し合ってルールを決めたそうです。

この時に大切なのは、親が勝手に「ゲームは30分ね」と言い渡すのではなく、子供が自分で決めるということです。

自分で決めたことなら守りやすいですし、できなかった時には、その結果を自分で受け止めるしかありません。また、うまくいかなければ、もう一度、どうしたらうまくいくかを考えます。つまり、このプロセスを回すことで、自分で考える力も育つという訳です。

失敗の経験が成功につながる

もちろん、子供に任せて、最初からうまくいくとは限りません。むしろ失敗することの方が多いかもしれません。

例えば、「ゲームは1時間やって、勉強もする」と決めたけれど、実際はゲームに熱中して宿題が終わらず、寝不足になってテストで思うような結果が出ないということが起きるかもしれません。でも、この失敗が、次に進むだいじなステップになります。

ただし、この失敗を成功に変えるためには「ほらだから言ったじゃない! ゲームは禁止よ」とキレたくなるのをちょっと我慢し、「じゃあどうしたらいいと思う?」と解決を促す質問をしてみてください。どうしたら……と聞かれれば、人は自動的に「どうしたらいいかな」と考え出します。失敗は成功のもとです。がんばってくださいね。

ゲームとの付き合い方を考えることで、自己コントロール力を育てよう

受験勉強中のゲームとの上手な付き合い方について考えることは、子供自身が自分でコントロールできるようになるチャンスです。

そう言われても、親にとっては、「待つ」ってことは一番の試練ですが、そのプロセスが、子供が自分で考える力を育てることになります。

また、ゲームのいいところと悪いところ、さらに言えば、そもそも「なんで勉強しなくてはいけないか」を、子供と一緒に考えるいい機会になるかもしれません。

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

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公式サイト:http://www.waiwainet.com/