中学受験ノウハウ

「俯瞰力」の意味を知っていますか? 受験生の視野を広げるためにすべきこと5選

2019年1月11日 みみずく

ビジネスの世界では、「俯瞰力」という言葉をしばしば耳にします。論者によってさまざまな意味で語られますが、概ね共通している内容もあります。そして、その共通内容は、ビジネスだけでなく、中学受験の勉強でも役立ちます。

今回は俯瞰力のエッセンスを紹介し、中学受験の勉強にどう生かすかを考えます。

「俯瞰力」の意味を理解しよう

「俯瞰(ふかん)」とは、高いところから見下ろすことで、全体を広く見渡す意味で使われることもあります。同義語に「鳥瞰(ちょうかん)」がある通り、鳥が空から地上を見下ろすイメージがわかりやすいでしょう。

俯瞰は客観と似ていますが、違いがあります。客観は、自分ではない第三者の視点で物事を観察することです。たとえば、「自分の勉強している姿を親や先生が見たらどう思うかな?」が考えるのは客観です。

一方、俯瞰は、自分も第三者も含めた全体を見ることなので、第三者の視点というよりも神様の視点に近いといえます。「勉強している自分、サポートをしてくれる親、そして、教えてくれる先生のそれぞれがどう関係しているのかな?」と考えるのが俯瞰です。

視野を広げるためにすべきこと5選

全体を広く見渡す「俯瞰力」は大人のものの見方です。中学受験生が俯瞰力を身に付ければ、幼さから脱却できて、受験でも有利になります。まずは、保護者がサポートしながら、受験に関係することを子供に俯瞰させてみましょう。

(1)自分自身を俯瞰する

自分の気持ちや行動を正確に捉えるのは、案外難しいものです。そこで、まずは状況などを紙に書き出してみます。たとえば、子供の成績が下がり続けているとき、保護者は子供に「どうして成績が下がっていると思う?思いつくままに書いてみて」と促します。子供が「勉強時間が足りない」「算数がわからない」などと書いたら成功です。問題点を言語化する過程で、子供は自分の勉強全体を見直します。また、書き出した情報は、親子で具体的に対策を考えるきっかけになります。

(2)敵の戦力を俯瞰する

中学受験生にとっての「敵」は志望校の入試問題です。そして、「敵の戦力を俯瞰する」とは、過去問分析を行うことです。過去問から出題傾向や出題形式、配点などを把握できれば、「どの分野を重点的に勉強するか?」「優先順位はどうなるか?」など、具体的な勉強の方向性を決められます。過去問分析を子供だけで行うのは難しいので、保護者が過去問に目を通してアドバイスするか、塾や家庭教師に相談するのが得策です。

(3)全体像を俯瞰する

教材の多くは単元別に構成されています。たとえば、算数では、「つるかめ算」「和差算」「過不足算」など、特殊算だけでもいろいろあります。このような単元に沿って勉強しているだけだと、複数の単元が組み合わさった応用問題になかなか対応できません。そこで、科目の全体像を俯瞰することが大切になります。「時計算は旅人算の一種で、旅人算は速さの応用問題の一種」のように、各単元が科目全体のどこに位置づけられるかを、保護者が子供と一緒に時々確認してあげると良いでしょう。

(4)現在の状況を俯瞰する

宿題や組分けテストなどに追われていると、子供も保護者も立ち止まって考えるのが難しいものです。しかし、たまに親子で自分たちの歩んでいる道を振り返ってみると、新たな発見があります。たとえば、子供が理科の天体分野を苦手としている場合、さまざまな可能性が考えられます。「自転と公転を混同している」「東西南北で混乱する」など、あらゆる可能性を一つずつ検討します。案外、子供は「太陽は西から昇って東に沈む」と思い込んでいるのかもしれません。現在の状況を俯瞰することで問題の原因を特定し、具体的な対策を考えることが大切です。

(5)目的地を俯瞰する

中学受験生にとって「目的地を俯瞰する」とは、入試本番から逆算して学習計画を立てることです。特に過去問演習期は、いつまでに何を終わらせておくかを決めて学習計画表を作ると、余計な迷いもなくなって勉強に打ち込みやすくなります。とはいえ、計画通りに進まないこともあるでしょう。そのときは、親子で話し合い、時に塾や家庭教師などにも相談しながら、計画を見直す必要があります。

俯瞰力があれば視野も広くなる

今回紹介した5つは、いずれも当たり前のことばかりです。しかし、これらを実行する際、全体を広く見渡すことを意識できた子供は、少しずつ俯瞰力も鍛えられていきます。神様の視点を得られれば、視野が広くなって、中学受験でも望ましい成果を得られるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
https://mimizuku-edu.com/