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中学校選択に正しい情報が必要な理由|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(4)

専門家・プロ
2016年6月01日 大橋清貫

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

ここまでこのコラムでは最初に「中学校受験をする積極的な理由」が必要ということを書かせてもらいました。それは「幸せになる確率の選択」ということで説明させてもらいました。

そして前回はその選択のためには「中学受験に必要な情報」があるということを話させてもらいました。とりわけ大学の付属中学の場合、10年間の教育の選択になるのでとても大事ですということも述べさせてもらいました。

今回は大学付属でない中高一貫校(中高併設型も含む)の選択の話をします。また、大学付属校と言っても、併設の大学に進学する生徒はほとんどいない学校も少なくありません。そういった学校も同じように考えたいと思います。

大学進学にあたって入学試験を受けるということは、多くの場合、中学または高校の入学時に進学校を選択することになります。多くの進学校では豊富な指導実績があり、無駄のない効果的なカリキュラムができあがっています。進学校を選択するということは大学入試で思うような結果を出したいという気持ちの表明でもあります。進学する側も迎え入れる側も思いは一致しています。結果を出すことがお約束ということになります。ですから、中学高校の側もその期待に応えるべく体制も整えてあります。

高校2年生、3年生ともなれば、国立文理、私立文理とクラス分けがあり、春夏冬休みともなれば受験対策講座も豊富です。大学受験で目指す大学への結果を出したい受験生にとって頼りになる学校です。

進学校の特徴はもう一つあります。ほぼ全員が同じような目標を持っており、比較的近い学力の生徒と6年間過ごせるメリットがあることです。そこから得られる学習的刺激は大きく、これだけでも進学校を選択する理由があると言う方もいます。友達同士の情報や競争意識は成績を伸ばしたい生徒には特に効果があります。なかには学校だけでなく予備校も同じという生徒も少なくなく、真に切磋琢磨しています。進学校の選択はそれなりの価値があります。

しかし、問題も少なくありません。なにしろ6年間、学校も生徒本人も受験シフトを取るわけですから。今現在中学受験を目指している方はこの2・3年間生活が受験一色になっているかもしれません。やや極端に言えば、有名大学を目指して進学校に通った場合もそれに似た状況になるのはやむを得ません。もちろん好きな部活動があったり、充実の学校行事があったりすべてが同じということではありません。

問題はどのような学びがそこにあるかということです。

なにしろ10年後、大学院等に進めば12年後には激変している世界、従来型の知識や経験だけでは対応が困難な世界に新規参入していくわけです。大学受験で結果を出すことはもちろん大切ですが、それ以上に新しい世界に通用する力を身に着ける基礎期が中高6年間でもあるという意味をご理解された中学選択であってほしいと思います。それが「中学選択に正しい情報が必要な理由」でもあります。

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この記事の著者
大橋清貫 専門家・プロ

三田国際学園 学園長/新時代教育研究所 代表理事。2005年4月、学校法人順心女子学園理事長に就任。同年9月、同校学園長に就任。 2007年4月、学校法人順心広尾学園(広尾学園中学校高等学校)に改称して理事長、学園長に就任。 2013年5月、一般財団法人新時代教育研究所を設立。 2013年4月、学校法人戸板学園教育監修理事に就任。 戸板中学・女子高校の校名改称・共学化を決定。三田国際学園学園長に就任。 著書に「『本当の学校価値』とは何だろう?」(プレジデント社)「新時代に生きるための本物の教育」(プレジデント社)など

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