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必要とされる教育「言語能力」|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(7)

専門家・プロ
2016年6月23日 大橋清貫

2005年に出版されたトーマス・フリードマンの「フラット化する世界」はまさに衝撃的であったと思います。一読した当時、ITテクノロジーの劇的な発展は企業ばかりか個人においても競争の定義を根本から変えてしまうことになると思いました。

これまでは情報や技術は先進国のほぼ独占状態にあったわけです。それが今やインターネットの普及を通じて誰もが新しい世界に参加できることになっています。まさに世界はフラット化したわけです。

その結果、受け取るだけだった個人がプレイヤーとして新しい世界にどんどん参加していっています。読み終わった時、これからは人口がものを言うと思いました。インドや中国がキープレイヤーになるとも思いました。

これらの情報や技術は新しい「知」として物凄い勢いで伝達されていきます。言語には世界標準言語が使われるのは当然のことです。残念ながら日本語は世界標準言語になれなかった以上、私たちは世界標準言語としての英語を日本語と同様に使えなければ新しい「知」の世界に参加できなくなってしまいます。

英語は大学受験対策科目から活躍していくために必要な言語に昇格したと思うのです。日本の大学の世界ランキングがしばしば話題に上ります。100位以内に2大学しか入っていないという指摘がその中心かと思います。英語の論文数が少ないこともその原因の一つという話もよく耳にします。英語が公用語となる日が来るかどうかはわかりませんか、ビジネスの世界では実質的にはそのようになりつつあるのは誰もが知っています。

この考えで学校つくりをしている中学校は現実にあります。にわかに信じがたいでしょうが、なかにはその授業のほとんどを英語で実施している学校もあります。一部のクラス限定で実施している学校もあります。その方向でスタートを切っている学校も含めれば少なくありません。

そのような学校の授業見学をしていただければ、「これが日本の学校か」と思われるかもしれません。海外在住経験がない生徒がこのような授業を理解できている現実や、なかには海外大学進学を前提にしている生徒がたくさんいることに驚かれるかもしれません。そこに教育の世界でも起こっている新しい時代への動きを情報として組み込まれた上での学校選択があってもよいと思います。

多様な教育の選択が本格的に始まっていると思います。その中で意中の学校に出会えれば、すばらしいと思います。必要とされる教育は時代とともに変わっていくのだと思います。時代が大きく変化しているのですから、教育だけずっと同じということはありません。子供たちの将来の幸せや成功を願うのが教育の大前提だと思います。

次回は必要とされる教育の条件から「コミュニケーション力」についてお伝えしたいと思います。

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■三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」バックナンバー

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この記事の著者
大橋清貫 専門家・プロ

三田国際学園 学園長/新時代教育研究所 代表理事。2005年4月、学校法人順心女子学園理事長に就任。同年9月、同校学園長に就任。 2007年4月、学校法人順心広尾学園(広尾学園中学校高等学校)に改称して理事長、学園長に就任。 2013年5月、一般財団法人新時代教育研究所を設立。 2013年4月、学校法人戸板学園教育監修理事に就任。 戸板中学・女子高校の校名改称・共学化を決定。三田国際学園学園長に就任。 著書に「『本当の学校価値』とは何だろう?」(プレジデント社)「新時代に生きるための本物の教育」(プレジデント社)など

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