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必要とされる教育「 2つのリテラシー」|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(9)

専門家・プロ
2016年7月06日 大橋清貫

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

Google社でAI開発の先頭に立つレイ・カーツワイルの『ポスト・ヒューマン誕生』(2007年)は衝撃的でした。AIが人類の知性を上回り、2045年に私たちは生物の限界を超えてシンギュラリティ(singularity)へと到達するという内容だったと思います。読んだ当時は未来学者の推論としておもしろいと思いました。ここ数年のAIに関するニュースに現実になりつつあると実感しています。

21世紀は人類史の中で特筆すべき時代なのではないかと感じています。「石器時代は石がなくなったから終わったわけではない」そんな思いを強くします。新しいテクノロジーは私たちの社会を大きく変えていきます。最近、どんな仕事がこの先消えていくか、逆に残るのかという本や雑誌での特集はよく目にします。おそらくその通りなのだろうと思います。2010年にアメリカで需要のある上位10位までの仕事はその6年前2004年には存在さえしなかったのですから、うなずける話です。

ではその21世紀を生きる子供たちはどんな準備をしたらよいのでしょうか。今までと同じ学びを同じやり方で学習していくだけでは到底足りないと誰もが感じてきています。しかし、何をどう学べばよいのでしょうか。保護者の方はわが子の幸せがかかっていますから、今真剣に考えていらっしゃるところだと思います。

必要な学びは何かという問いに私はこう答えています。この21世紀に生き、活躍するためには21世紀型の教育があります。その教育の中に参加されてはどうでしょうか。さらに申し上げればその前提としての学びを用意している教育こそ大切です。そんな話をさせて頂いています。その前提の重要なひとつがリテラシーだと考えます。特に、次の2つのリテラシーを中等教育時代に身につけておく必要があると考えています。

それはサイエンスリテラシーとICTリテラシーです。理科と情報という教科の話ではありません。もちろん両教科とも重要です。ここで話題にするのは考え方のことです。「文系学部への進学なので受験科目ではありませんから」という話ではこれからは大変になると思います。なぜならこれからの時代、社会に影響を与えるテクロジーを論理的に考え、理解する力は必須だと考えます。

この2つは他教科の学びにも大いに影響します。そういう時代に入っています。中学教育の現場でこのような視点で、学校全体で取り組んでいる学校はまだまだ少ないのが現状ですが、やがてそうなっていくと思います。なぜなら教育は子供たちの幸せを何よりも大事にしなくてはいけないからです。そうであれば、21世紀に生き、活躍する子供たちのために、必要な教育としてリテラシーを教育現場は取り入れていくことになるからです。

そういった視点で学校選択をされるのも、ひとつの方法と思います。

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この記事の著者
大橋清貫 専門家・プロ

三田国際学園 学園長/新時代教育研究所 代表理事。2005年4月、学校法人順心女子学園理事長に就任。同年9月、同校学園長に就任。 2007年4月、学校法人順心広尾学園(広尾学園中学校高等学校)に改称して理事長、学園長に就任。 2013年5月、一般財団法人新時代教育研究所を設立。 2013年4月、学校法人戸板学園教育監修理事に就任。 戸板中学・女子高校の校名改称・共学化を決定。三田国際学園学園長に就任。 著書に「『本当の学校価値』とは何だろう?」(プレジデント社)「新時代に生きるための本物の教育」(プレジデント社)など

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