ベン図の活用で集合算が得意に! 和集合や共通部分の関係を理解しよう
いくつかのものの集まりが「集合」です。集合は高校数学で本格的に学びますが、中学受験算数でも「集合算」という特殊算として出てきます。この集合算で役立つ「ベン図」について解説します。
ベン図の基本を理解する
ベン図を描いて問題を解く上で、大切な用語や考え方を解説します。
ベン図に関係する用語
集合が与えられた場合、その集合に含まれるものすべてをまとめて「全体集合」といいます。たとえば、「30人のクラスで、犬を飼っている児童が12人いる」という場合、全体集合は「クラスの全児童30人」です。
ここで「犬を飼っている児童12人」を集合Aとしましょう。Aに含まれていないものをまとめて「Aの補集合」といいます。Aが「犬を飼っている児童12人」ならば、Aの補集合は「犬を飼っていない児童18人」です。「全体集合-A=Aの補集合」です。これをベン図で次のように表せます。
「30人のクラスで、犬を飼っている児童が12人いて、猫を飼っている児童が16人いる」という場合、「猫を飼っている児童16人」を集合Bとすると、「犬も猫も飼っている児童4人」はAとBの両方に含まれます。このように、AとBの両方に含まれるものをまとめて「AとBの共通部分」といいます。
また、AとBの少なくともどちらか一方に含まれるものをまとめて「AとBの和集合」といいます。ここまでの例だと、「犬か猫の少なくとも一方を飼っている14人」がAとBの和集合です。
和集合と共通部分の関係
AとBの集合の関係をベン図で表すと次の通りです。図の人数はそれぞれ「犬を飼っているが猫を飼っていない児童8人」「猫を飼っているが犬を飼っていない児童12人」「犬も猫も飼っている児童4人」「犬も猫も飼っていない児童6人」を表します。
ベン図から、「A+B-AとBの共通部分=AとBの和集合」が成り立つことも明らかでしょう。
また、和集合と共通部分の関係で注意したいのは、次の2つです。
- 和集合が最小=共通部分が最大…AがBに含まれるか、BがAに含まれる。
- 和集合が最大=共通部分が最小…共通部分なし。
ベン図で問題を解く
ベン図を描きながら集合算を解いてみましょう。
典型的な集合算の問題
まずは集合算の基本問題です。
【問題1】30人のクラスで、国語と算数がそれぞれ好きかどうかを聞きました。国語が好きな児童は18人、算数が好きな児童は14人、国語も算数も好きではない児童は6人でした。このとき、国語も算数も好きな児童は何人ですか。
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