中学受験は親子の連携プレーが求められます。親の積極的なサポートが志望校合格への近道になることもあります。しかし、子どもの性格によってはかえってそれがプレッシャーになることも。親に求められるのは、子ども自身が納得する受験を実現するためのサポートです。受験をするかしないかの判断から塾選びや学校選びの全てを子ども自身が決断し、親は見守り役に。その結果、第二志望でも大満足の受験を終えることができた親子のお話です。
現在、農業大学第一高等学校中等部に通う飯田家の琴香さん(仮名)。中学受験は小学3年生の終わりに自分の意思で決めたそうです。偏差値はずっと65をキープ。目標は人気難関校の渋谷教育学園渋谷中学高等学校でしたが、合格はかなわず第二志望の中学校へ進学。それでも琴香さんは大満足だそうです。「第一志望も第二志望も、自分の目で見て選んだ学校でした。納得して選んだ学校なので、娘は充実感たっぷりで、毎日のびのびと過ごしています」と母の綾子さん(仮名)は晴れやかな表情で語ります。
- 小3の終わりに中学の選択肢を伝え、本人の意思で受験を決意
- 系列の塾に楽しく通うも、遠くて通塾疲れ
- 小6の5月に個別指導塾へ転塾、ゆとり時間を確保
- 転塾後も成績は安定 友だちと遊ぶ時間も増えて心にゆとりが
- 時間にゆとりができ気晴らし上手に 集中力もUP
- 子ども自身の目で確かめ選んだ2つの志望校
- 予想外の連続不合格、親子で不安に
- 2日目も全て不合格。「受験は何が起きるか分からない」を実感
- 急遽申し込んだ中学に特待合格して自信を獲得
- 本番直前、前の塾の先生に激励され自信を持って受験
- 母の想像を超えるほど成長、受験の感想は「すっごく楽しかった」
小3の終わりに中学の選択肢を伝え、本人の意思で受験を決意
受験を意識し始めたのは、小学3年生の終わりごろ。きっかけは小学校入学前から通っていた低学年向け学習塾のコース選択でした。その塾は、野外体験など思考力の育成を重視した教育方法が人気の学習塾。4年生進級を前に、そのまま進むか、受験を前提に系列の中規模進学塾に進むか選択しなければなりませんでした。綾子さんは本人の意思を尊重しようと、中学には公立中学と都立の中高一貫校、私立があることを説明しました。