学習 理科

太陽の方角と四季~春分・夏至・秋分・冬至で異なるのは何?

2018年7月12日 東荘一

私たちの1年365日は太陽を基準にしていますから、天体のなかでは太陽が最も身近で体感的に理解しやすいテーマと言えます。体感を伴う知識というのは、学習の定着度がより深くなるものです。

どのような条件が整うと季節変化が生まれるのか、季節によって具体的に太陽の何が変化していくのか、さまざまな視点から太陽の動きを眺めてみます。太陽の基本を解説しますので、体感しながらすべてを完全に理解するつもりで読み進めていただきたいと思います。

太陽の方角と季節変化~なぜ四季があるの?

地球は、「地軸を傾けた状態で」「太陽のまわりを公転」しています。2つのうちどちらか一方では、季節の変化が生じることはありません。これから掲載する図はあまりにも見なれたものですが、もう一度こまかな点までじっくりとながめてみましょう。

太陽の方角と季節変化~「四季」には2つの条件が必要

【図1】

地球は北極側から見て、反時計回りに自転しています。自転運動は方角的に西から東の向きなので、地球から見た太陽は東から西に向けて移動するように見えます。地球の自転は1日に1回転ですから、太陽も24時間後には1回転して同じ位置に戻ってきます。

地球は常に太陽側の半分を太陽光によって照らされていますから、地球で生活している人にとっては、明るい部分にいるときが昼、暗い部分にいるときが夜だということになります。このように地球の自転は、季節によらず昼と夜を生み出します。

季節が生じるのは、地球の地軸が傾いているために、【図1】のような公転をする間のどの位置にいるかによって太陽によって照らされる時間の長さが違うためです。公転しなければ【図1】の中のどこかに止まっていることになりますから、太陽に照らされる時間の長さは一定で、季節の変化は生じません。「地軸を傾いており」かつ「公転している」から、1年を通じて地球と太陽の向き合い方が変わり、四季が生まれます。

【図1】の左の位置に地球がいるとき(夏至の日)、日本の位置する北半球が太陽の方向に傾いています。逆に【図1】の右の位置(冬至の日)の北半球は、太陽と逆の方向に傾いています。この2つは、ほとんどの子がすぐに理解します。一方、疑問の晴れないまま覚えてしまおうとするのが「春分の日」「秋分の日」です。【図1】では、地球が上の位置と下の位置にいるときの状態です。

「春分の日」「秋分の日」であっても、地軸は傾いたままですが、【図1】に描かれた4つの位置の地球の、明るい部分と影の部分をよく見比べてください。「春分の日」「秋分の日」の位置に地球があるとき、地軸はたしかに傾いていますが、地軸の傾きは太陽に対して平行であり、太陽側/太陽の反対側のいずれにも傾いてはいないのです。

このように、四季は地球の公転と自転という2つの条件が整うことにより生み出されます。

太陽の方角と季節変化~季節により昼の長さと太陽高度が変わる

地球と太陽との関係を拡大していくと、【図2】のようになります。太陽に対して地球の自転とともに移動している私たちは、明るい部分(昼)と暗い部分(夜)を交互に通り抜けていくこととなります。

【図2】

「春分の日」「秋分の日」は、地球のすべての地点で昼と夜の長さが同じです。いっぽう「夏至の日」は北半球では昼が夜よりも長く、南半球では逆に夜が昼よりも長いのが分かります。「冬至の日」はその逆です。

注意していただきたいのは、太陽との関係において地軸が傾いていないのは「春分の日」「秋分の日」の1日ずつだけで、春分の日から秋分の日にかけての北半球は太陽側に傾いており、秋分の日から春分の日までの北半球は太陽と逆側に傾いているという点です。

「地軸の傾き」と「公転」は1年を通じて「昼と夜の長さを変える」だけでなく、太陽高度も変化させます。これには「接線」の考え方が必要になり、少し高度な内容になるので詳しくは解説しませんが、「夏至の日」には太陽側に傾く分だけ太陽高度も高く、逆に「冬至の日」の太陽高度は低くなります。

以上のように「地軸の傾き」と「公転」によって、「昼と夜の長さ」と「太陽高度」が変化して、多彩な季節変化が生まれます。

太陽の方角と季節変化~「日の出」「南中」「日の入り」の方角は?

季節によって「昼と夜の長さ」と「太陽高度」が異なるということは、1年を通じて見た目の太陽の通り道が変化するということでもあります。具体的に見てみましょう。

太陽の方角と季節変化~天球図を眺める!

【図3】

さらに地球を拡大して、地球で生活する私たちから見た太陽の動きを眺めてみます。【図3】のグレーに塗られた部分は地面で、太陽の南中する方角が「南」、逆の方角が「北」、そして南・北との位置関係で「東」と「西」の方角が決定していきます。

青色は「冬至の日」、黄色は「春分の日」「秋分の日」、赤色は「夏至の日」における太陽の通り道を示します。実線は昼の太陽の動き、点線が夜の太陽の動きです。

「日の出」「南中」「日の入り」の順に、青色(冬至の日)は「A」「B」「C」、黄色(春分の日・秋分の日)は「D」「E」「F」、赤色(夏至の日)は「G」「H」「I」となります。観測者(J)として太陽をながめるつもりで、図の中に入りこんでいると思ってみてください。

青色(冬至の日)も黄色(春分の日・秋分の日)も赤色(夏至の日)も、1周にかかる時間は24時間で、昼と夜の時間配分が変わるだけです。1年で太陽の通り道は、「黄色(春分の日) → 赤色(夏至の日) → 黄色(秋分の日) → 青色(冬至の日) → 黄色(春分の日)」と変化し、毎年それをくり返します。

続いてさらに拡大した、観測者(J)から見た太陽の動きを次節で示しますので、【図3】と見比べながら太陽の位置と方角を確認してください。

太陽の方角と季節変化~観測者として太陽を眺める!

【図4】

さきほどと同じように、青色は「冬至の日」、黄色は「春分の日」「秋分の日」、赤色は「夏至の日」における太陽の通り道です。グレーで塗られた部分は地面で、AからIまでの位置もさきほどと対応しています。

「春分の日」「秋分の日」の「日の出」は真東、「日の入り」は真西です。「冬至の日」は「日の出」が真東よりも南寄り、「日の入り」も真西よりも南寄りであることが分かります。さらに「夏至の日」の「日の出」は真東よりも北寄り(南と反対寄り)、「日の入り」は真西よりも北寄り(南と反対寄り)です。

昼が長い季節ほど、太陽の動きは外まわりの長い道のりとなり、高度も高くなります。逆に、昼が短いほど、太陽の動きは内まわりの短い道のりとなり、高度も低くなります。季節に関係なく「日の出」後の太陽は右上方向に、「日の入り」前の太陽は右下方向に移動していきます。

まとめ

ここまで説明した内容を簡単にまとめると、次の3点になります。

◎ 季節変化は「地軸の傾き」と「地球の公転」によって生まれます。
◎ 季節によって「昼と夜の長さ」と「太陽高度」が変わります。
◎ 「日の出」「日の入り」の方角も、季節によって変わります。「南中」の方角は、どの季節でも南で変わりません。

この3点をお子さんがしっかり理解しているか、確認しておきましょう。たんに覚えているだけでは少しこみいった出題がされたときに対応できない可能性があるので、「なぜそうなるのか」まできちんと理解しているかを確認するのが大事です。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

京都大学工学部、東京大学大学院(工学)、世界最大の外資系コンサルティング会社の共同経営者(パートナー)を経て、教育業務を開始。業界最大手の中学受験塾で、小学3~6年生3000名以上の理科を担当し、習熟度に応じて幅広い学習指導を行いました。学習方法や各テーマの解説をおこなう、小学生向けサイト(偏差値アップの勉強法)を運営しています。以下のリンクからご覧ください。

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