習い事をやめさせてまで、子どもを受験勉強に向かわせるべきか。中学受験を志す親子には悩ましい問題です。今回はその葛藤のなかでもギリギリまで子どもの意志を尊重し、紆余曲折がありつつも、壁を乗り越えた一家のお話です。
現在、慶應義塾中等部に通う滝川結さん(仮名・中学生)が中学受験をめざしたのは、自然な成り行きでした。地域の小学生の7~8割は中学受験にチャレンジする土地柄で、本人にも受験に対する抵抗感はなかったそうです。
「近所のお姉さん、お兄さんもみんな受けていたので、自然と本人も受験を受け入れていました。小学校3年の2月からは受験のための塾通いも始めました」と母親の聡美さん(仮名)は振り返ります。
- マイペースだった親子が、周囲に刺激を受けて上位校をめざすように
- 偏差値が60前半から50前半に。本人もショックな内容
- 母の役目は問題コピーとおやつ
- 模試の成績が伸び悩むも、1月の受験では力を発揮
- いよいよ志望校の受験。本人の緊張はピークに!?
- 子どものこだわりが突破口になることもある
マイペースだった親子が、周囲に刺激を受けて上位校をめざすように
もともと成績がよかった結さん。塾は自由が丘にある中小塾を選びました。上から二番目の「α2」クラスに在籍、マイペースに勉強を始めました。ご両親ともに志望校にこだわりはなく、当初は結さんも聡美さんも「近所の中堅私立中学に行くために」と、軽い気持ちで受験準備にとりかかったそうです。