偏差値重視の教科入試ではなく、個性を重んじる新しいタイプの中学入試を実施する学校が増えてきました。受験戦争に挑むつもりはなかった江口親子も、「これならば」と、小学5年生の夏から準備を始めました(前編はこちら)。特定の教科試験ではないので、これといった対策はありません。塾には通わず、試験対策はオリジナルで。勉強方法も受験スタイルも「自分らしさ」を貫いた親子の物語です。
- 4年生までは「受験なんて…… 」と思っていた
- 偏差値にとらわれない「幸せな入試」との出合い
- 受験スイッチON! 偏差値20台で小2の基礎からスタート
- 塾は苦手、公文も挫折。肌に合った家庭教師2人体制
- ESD入試の対策は親子一緒に模索
- 受験を成功体験に 喜びを爆発させた合格発表
塾は苦手、公文も挫折。肌に合った家庭教師2人体制
日頃、あまり勉強が好きではなかったというひよりさん(仮名・中学生)。6年生の春、試しに塾の模試を受けたところ、偏差値は20台でした。ここから中学受験を考えるのは大変厳しい状況です。普通ならば「塾に頼ろう」となりがちですが、ひよりさんは集団での授業が苦手なタイプ。「塾には行きたくない。先生が威圧的で怖そう」と拒むひよりさんの意志を、母親の景子さん(仮名)は尊重しました。あくまで「娘らしさ」を大切にしてあげようと考えたのです。まずは知り合いの中学受験カウンセラーに相談。結果、小学2年生レベルの基礎から公文式で国語と算数を学び直すことになりました。