模試の復習をするということ|桜井信一コラム「下剋上受験」

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2014年4月23日 桜井信一

桜井信一ブログ『父娘の記念受験』で過去に掲載されていた記事から、一部を編集して掲載しています。この記事の内容は 書かれたものです。

新学年になって初めての模試はどうでしたか?

サピックスオープンや合不合判定テストなどを受けられた方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

この模試というイベントですが、親としては受ける前にちょっぴり期待しますよね。

そこでちょっとお聞きしたいのですが、その期待の根拠は「何」でしょう?

 

「そういえば何だろう?」って我が家まで聞えてきそうです(笑)。

模試が終わって撃沈とわかった途端、ちょっぴり期待しちゃった自分への怒りの矛先を我が子に向ける……、まさかそんなことはありませんよね?

 

えっ? 
さっそく模試の復習させてるって?
間違いノート作ったですって?

撃沈したのに?

そもそも撃沈する予定ではなかったのですか?

要するに、期待の根拠はなかったのでは?

 

冗談はさておき、今夜は模試の復習についてお話しさせていただきたいと思います。

よく考えると、模試というのは日頃の学習の成果を試すもので、決してラッキーな出題を期待するものではありませんよね。

むしろ、ラッキーな出題だったほうが弱点を見つけ損ねてアンラッキーだと思います。

ということは、「撃沈=日頃の成果」ではないでしょうか。

 

「えっ? そんなことオマエに言われなくてもわかってるって?」

 

じゃあ、どうして復習するのですか?
間違いノート必要ですか?
もしかして次の模試に備えて復習?

私が思うに、今回の模試で間違えた漢字を復習しても、まさか次に模試でその漢字は出題されませんよね?

似たような旅人算も出ないでしょうし、似たような図形の問題も出ないでしょう。

サピックスオープンが毎回似たような問題ばかりになるはずがない。

すると、模試の復習に時間をかけてもきっと次の模試の得点アップには直結しない。

もちろん、無駄なことではないですよ。できなかった漢字や旅人算をできるようにするのは大事なことだと思います。しかし、もっと大事なことは子どものモチベーションアップではないでしょうか。

 

子どもは成績が伸びるとモチベーションが上がります。逆にいつまでも伸びないとどんどんやる気を失う。

そりゃそうですよね。頑張って塾に行き、頑張って復習したのに伸びないのですから。

それならここでちょっといい加減になりましょう、って話しです。

撃沈したお子さんに、こう言ったらどういう顔をすると思います?

 

「今回の模試は捨てちゃっていいよ。イチから頑張ろう」

 

目を丸くする真面目な子もいると思います。
罪悪感で一杯になる几帳面な子もいるかもしれません。

でも、よく考えるとそれでいいような気がしませんか?

目標偏差値にもう一歩という結果なら復習すべきかもしれませんが、撃沈したのですから穴だらけですよね。

例えば、国語の記述ですが、それを復習したからって何がどうなるの? って私のようないい加減な人間は思ってしまうんです。

私が使わせていただいたデイリーサピックスというテキストは基礎と実戦が39冊、読解と記述が39冊ありました。合わせて78冊あることになります。

1冊に2題の文章題が掲載されているということは、なんと約150題もある。

馬渕教室のテキストも使わせていただきましたが、6年生用だけで4冊もあるんです。そこにぎっしり文章題が掲載されています。

塾生のみなさんって……、
これ飛ばしている問題はありませんか?
全部やっていないのでは?
しかもサラッとやっているのでは?

これらのテキストは本当によく研究されていて、少しずつ難易度が上がっています。

これをきっちりやる方がいいような気がしませんか? もしくは、これからはきっちりやることにするでもいいですし。

どちらにしても模試の復習という膨大な時間よりはいいような気がしませんか。

模試の復習を終えるまで塾が休みっていうわけじゃないのですから、結局はやらなきゃやらなきゃでストレスになっているだけじゃありませんか。

国語の文章題を150題解く。
しかも曖昧な言い回しを放置せずに解く。
曖昧な語彙を放置せずに解く。
丁寧に心情語を押さえる。

いやぁ、とんでもないことになりますよ。

私はずいぶんと悩みました。私の本の中でもふれましたが、早く読む方法、深く読解するテクニック、正解になる記述をするコツなどをなんとか体得しようと色々なテキストをあさりました。

結局そんなコツないんです。

曖昧な語彙が減り、曖昧な言い回しが減り、心情語を押さえる癖がつく。

これが一番早く読み、深く読解する方法でした。

そして正解になる記述を書くためには読めていないと始まらない。

 

うちはかなりの語彙不足でしたから、出会った文章題の曖昧な語彙を蛍光ペンで塗っていくと、とんでもない量になったのを覚えています。本当にキリがない。

でもこれを地道に150題も重ねるとミルフィーユみたいになるんです。

なに? たとえがおいしそう?

そりゃ、300題以上は丁寧に読みましたから(笑)

地頭のいい人は得ですよね~。
こんな地道な勉強をしなくても読めるんでしょ?書けるんでしょ?

いやぁ~、悔しいですよね~。

これを愚痴っていてもはじまらない。何も解決しない。

そして、塾の宿題もあるのに模試の復習をしなきゃとストレスに感じていても何も解決しないと思うんです。

それなら、これからきっちりやりませんか?って話しです。その方が次の模試の対策になりませんか?って話しなんです。

算数も同様です。

旅人算が曖昧なら、最初からきっちりやりませんか。相似のパターンすべてを整理しませんか。数列や数表のパターンをノートにまとめませんか。

その方が次の模試で成績が上がる確率が高いと思いませんか。

10点でも20点でも点数がアップする方が子どものモチベーションを維持しやすいと思うんです。

振り返ってみて私は思います。

受験って、モチベーション勝負ですよね。維持し続けることに成功したもん勝ちです。

まぁうちは桜蔭に行けませんでしたけどねっ! 2月1日は一生忘れませんけどねっ!

どうか皆さん四苦八苦してください。

第一志望へ向けて全力で!

では今夜はこのへんで。

2014.4.23 am2:00

桜井信一

※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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