学習 時事問題

最近のカタカナ語を分野別に整理! 時事問題に出やすい用語を工夫して覚えよう

2024年9月20日 みみずく

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中学入試では、カタカナ語に関連する問題が出題されます。中でも、近年登場した新しいカタカナ語は社会や理科の時事問題になりやすいため、受験生はしっかり覚えておきたいところです。今回は、最近のカタカナ語を分野別に整理して紹介します。

最近のカタカナ語をどう覚える?

カタカナ語を覚える場合、もとになった英語から意味を推測できます。たとえば、「外から中に入る」を意味する inbound を知っていれば、そのカタカナ表記であるインバウンドが「外国人が日本に観光やビジネス目的で訪れること」を表すことにも納得できるでしょう。

しかし、このように英語でカタカナ語を覚えるのは、多くの中学受験生には難しいはずです。そこで役に立つのが、複数のカタカナ語を分野別に整理して、それぞれを関連付けてまとめて覚えてしまう暗記法です。

最近のカタカナ語を分野別に整理

入試に出やすい分野から、代表的なカタカナ語をいくつか紹介します。

1. 政治分野

日本は、国民が政治について決定する民主主義(デモクラシー)の国です。国民の代表である国会議員が国会で話し合って決定します。この国会議員を選ぶ選挙では、各政党が、具体的な数値などを示して実現を約束する政策であるマニフェストを表明します。

民主主義では、国民の人気を得るために正しい政治を行わないポピュリズムや、独裁者が人権をふみにじるファシズムが出てくることがあります。国民を特定の思想や行動に誘導しようとする宣伝活動(プロパガンダ)に注意することが大切です。

2. 経済分野

日本では長い間、商品やサービスの値段(物価)が全体的に下がるデフレ(デフレーション)が続いていました。近年、物価が上がり続けるインフレ(インフレーション)に転換しましたが、この状況はスタグフレーション(経済成長が停滞している中で物価が上がること)といわれることもあります。

2024年7月3日には、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインの新紙幣が発行されて話題となりました。一方で、現金を使わず、クレジットカードや電子マネーなどでお金を支払うキャッシュレス決済も普及しつつあります。

3. 産業分野

近年、環境や社会を大切にしながら経済活動を発展させていく「サステナブル(持続可能)な社会」の実現が世界の目標となっています。2015年9月25日に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)のSも「サステナブル(sustainable)」の頭文字です。

地球環境問題への取り組みには、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を等しくして、排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルがあります。まだ食べられる食品が捨てられるフードロスを削減する取り組みも注目されています。

また、発展途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指して、これらの国々の原料や製品を適正な価格で購入することがフェアトレードです。その背景には、原材料の調達から生産、加工、流通、販売までの全過程(サプライチェーン)における人権への配慮があります。

4. 生活分野

集団や組織の中で、異なる特徴や能力を持つ人々が一緒に活動し、お互いを尊重し合うことがダイバーシティ(多様性)です。これを実現するため、障害の有無にかかわらず全ての人たちが一緒に生き生きと活動できる社会を目指すノーマライゼーションの考え方が普及しました。中でも、障害のある人が日常生活を送る上で妨げになるものを取り除くのがバリアフリーです。

近年は、生物学的な性別とは異なり、社会的・文化的に形成される性別であるジェンダーが注目されています。「男は仕事、女は家庭」のような、性別を根拠とした役割分担や規範などは、バイアス(偏見)とされるだけでなく、時にハラスメント(迷惑行為)として問題になります。こうした男女の区別をなくそうというジェンダーレスがダイバーシティの観点からも重視されます。

5. 技術分野

人間の脳が行っている作業をコンピューターが再現するAI(人工知能)が普及してきました。その背景には、コンピューターが動作するのに必要な指示や規則であるアルゴリズムの向上だけでなく、膨大なデータをインターネット上に保管するクラウド技術の進歩もあります。遠くない将来、「シンギュラリティ」と呼ばれる、AIが人間の知能を超えるとされる技術的特異点が訪れるかもしれません。

また、インターネット技術の発展で、新聞やテレビなどで多くの人々に一方的に情報を伝えるマスメディアだけでなく、誰でも相互に情報をやり取りできるソーシャルメディアも重視されるようになりました。個人が情報を発信しやすくなり、ネット上で大きな影響力を持つインフルエンサーが活躍しています。

一方で、意図的に誤った情報を広めるフェイクニュースが増えました。そのため、情報が真実に基づいているかを検証し、正しい情報を人々と共有するファクトチェック活動が盛んになりつつあります。個人にも、情報の真偽を見極めて活用する力であるメディアリテラシーが強く求められています。

最近のカタカナ語から時事問題対策

最近のカタカナ語を覚えることは時事問題対策にもなります。ニュースや新聞などで見聞きしたカタカナ語で、知らないものがあったら、ノートなどにまとめていくとよいでしょう。今回の記事のように、それぞれのカタカナ語を関連付けて文章で表すことで、覚えやすくなるだけでなく、記述問題の練習にもなります。

※記事の内容は執筆時点のものです

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