学習 理科

熱の伝わり方は3種類 ―― 原理を「イメージ」でおさえよう

2020年7月07日 ゆずぱ

熱の伝わり方には3種類あります。放射と伝導、そして対流です。ところが、どれがどれだかわからなくて困ってしまう子は少なくありません。では、なぜわからなくなってしまうのでしょうか? 子供の話を聞いてみると、理由はとてもシンプル。「太陽の熱が伝わるのは放射」「ビーカーの水をアルコールランプで熱すると対流」といったように、「事例」で覚えてしまっているのです。一方で、「熱が伝わる原理」をイメージで教えてあげると、子供はすんなりと理解してくれます。

熱とは何かをおさえる

熱が伝わる原理をイメージで理解するには、まずは「熱とは何か」をおさえる必要があります。熱の正体がわかると、熱が伝わるとはどういうことなのか、その本質を理解することができます。

熱の正体は「分子の動きの激しさ」

熱の正体は、ザックリいうと「分子の動きの激しさ」です。

分子とは、モノを構成する粒のこと。この分子という粒がブルブル動いているイメージを持ちましょう。そして「温度が高い」とは、分子の動きが激しいということです。熱いものを手で触ると、分子の振動が手に伝わって熱く感じるのです。

一方で「温度が低い」とは、分子の動きがそれほど激しくない(おとなしい)ということ。ちなみに、分子の動きが全くない状態、これが温度が最も低い状態です。普段使っている温度の単位でいうと「摂氏マイナス273.15度」で、温度はこれ以上さがりません。

3種類の熱の伝わり方

熱の伝わり方は、放射と伝導、そして対流の3種類に分けられます。ここからは、太陽が地球を照らして気温が上がっていくイラストを使いつつ、熱が伝わる原理をイメージでおさえていきましょう。

放射 ―― 電磁波が分子を動かす

「放射」のポイントは電磁波です。電磁波がぶつかると、分子はブルブルと振動します。すると、熱が発生するのです。たとえば、電子レンジでモノが温まるのも「放射」の例のひとつ。電子レンジのなかでは、強力な電磁波がモノに当たっています。

■太陽の熱は届いていない?
太陽は、地球からとんでもなく遠いところにあります。そのため、太陽の表面で燃えさかる炎の熱は地球に届いていないのです。では、なぜ温かさを感じるかというと、太陽から発せられた電磁波が地球に届き、その電磁波が地表やモノに当たって熱をもつ(分子が動きはじめる)からなんですね。

伝導 ―― 隣り合った分子同士で伝わっていく

熱の伝わり方のなかでは、「伝導」は最も直感的に理解できるかもしれません。まずは上の図のように、「隣り合った分子にその振動が伝わっていく」というイメージを持ちましょう。

図を見ると、陸地のなかで熱が伝わっていくと、空気中にも熱が伝わっていることがわかります。つまり、分子どうしが隣り合っていれば、陸地と空気といった違うものにも熱が伝わるのです。

ちなみに、伝導には伝わりやすさの「度合い」があります。陸地のように分子がギッシリ詰まったところは伝導がしやすく、空気のように分子がスカスカのところは伝導がしにくいといったことです。

対流 ―― 分子そのものが移動する

「対流」を理解するためには、上の図のように「熱を持った分子そのものが移動する」というイメージを持ちましょう。

固体と違い、空気のような気体、水のような液体のなかでは、分子が自由に移動できます。そのため、熱を持った分子が自由に移動でき、それに伴って熱もいっしょに伝わっていくのです。

まとめ

放射と伝導、そして対流が起きる原理を、イメージをもとに紹介しました。電磁波や分子の振動という言葉に出会うと、「難しい……」と考えてしまうかもしれません。しかし、まずは厳密な定義ではなく、今回お伝えしたように「イメージ」で理解することで、不思議とすんなり理解できるようになります。

そして、事例ではなく「原理」をベースに考えると、一見すると「熱が伝わる」という同じ現象に見えても、実はさまざまな伝わり方があることがわかるでしょう。3種類の熱の伝わり方で混乱してしまいそうなときは、それらの原理について、まずはイメージで押さえるようにしてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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