学習 算数

流水算ってどんなもの? 流水算をわかりやすく解説

2018年11月12日 鈴木遥

流水算は、船が川を下ったり上ったりする様子から、川の流れの速さや船の速度などを算出する問題です。計算自体は難しくありませんが、速さの単元ということもあり、苦手とする子供は多いです。

そこで、今回は流水算の基本的な解き方と、子供がつまずきやすいポイントを解説していきます。

流水算とは? 中学受験ではどのような扱い?

流水算は速さの発展問題です。速さの計算を理解し、線分図が描ければ解ける問題です。

流水算の問題は、中学入試では基本から中級難度であることが多いです。受験生はきちんと正答してくることが見込まれます。正解して当然といえる問題なので、基本的な問題は必ず解けるようにしておきたいです。

流水算の基本的な解き方解説

流水算の基本的な解き方を2つの例題をもとに解説します。

流水算の例題1

ひとつめの例題です。船が川を進むのにかかる時間を求めます。

■例題
時速12kmの速さで進む船が、時速4kmで流れている川を、32km上るのに何時間かかるでしょうか。また、この船が32km下るには何時間かかるでしょうか。

まず、船が川を上る状況を考えてみましょう。

上りは、川の流速(流れの速さ)に逆らって船を進めなければなりません。

そのため船のスピードは、

12-4=8km/時

です。

32km川を上るには、

32÷8=4時間

かかります。


次に、船が川を下る状況です。

下りは、船の速さに加えて、川の流速が後押ししてくれます。そのため、船のスピードは、

12+4=16km/時

です。

32km川を下るには

32÷16=2時間

かかることになります。


流水算の例題2

ふたつめの例題です。この問題では、「静水時(流れがない状態)の船の速さ」と、「川の流速」を求めます。

■例題
A川の40km離れた場所に、船着き場があります。この船着き場の間を行き来すると、上りは10時間、下りは8時間かかります。静水時の船の速さと川の流れの速さを求めなさい。

問題文には、川から船着き場までの距離と、上りと下りで船が移動するのにかかる時間が示されています。

まずは、川を上る時と下る時、それぞれの船の速さを計算してみましょう。

上りの船の速さ:40÷10=4km/時
下りの船の速さ:40÷8=5km/時

ただ、これだと「静水時(流れがない状態)の船の速さ」がわかりません。

よくわからないので、ここで線分図を描いてみましょう。

線分図を描くと、上りと下りで速さの差があることがわかりますね。

では、この速さの差について考えてみましょう。

この差は、川の流速によって生じるものです。線分図に川の流速も書き込んでみましょう。

注目するのは、「上りと下りの船の速さの差」は、「川の流速の2倍」になるということです。

上の図のように、「上りの船の速さ」は、「静水時の船の速さ-川の流速」となります。一方、下りの船の速さは「静水時の船の速さ+川の流速」となります。

そのため、「上りと下りの船の速さの差」は、「川の流速の2倍」となるのです。

この説明がわかりにくいときは、上の図のように静水時の船の速さも書いてみましょう。

後は、線分図に従って計算します。

(5-4)÷2=0.5km/時 …川の流れの速さ
4+0.5=4.5km/時 …静水時の船の速さ

流水算で子供がつまずきやすいポイントと対策

流水算で子供がつまずきやすいポイントは、以下の3つです。

[1]流水のイメージがわかない
[2]速さの計算でつまずく
[3]条件が変わると解けなくなる

それぞれ対策を見ていきましょう。

[1]流水のイメージがわかない

流水算を習うと、「上るときは引き算、下るときは足し算」と公式のように丸暗記している子供がいます。

しかし、丸暗記だとふとした拍子に「足すんだっけ? 引くんだっけ?」と混乱することがあります。

大切なのは子供に、流れのなかを進むイメージを持たせることです。そこから、流水算の足し算・引き算の流れへと導いていきましょう。「流れるプールに行ったとき、どちらに進む方が楽だった?」といったように、実体験でイメージを持たせられるとよいです。

[2]速さの計算でつまずく

流水算の問題は、時間や距離、速さのどれが与えられます。何を算出するかは、問題によってばらばらです。

速さの計算が危うい子は、途中で何を計算しているのかわからなくなることがあります。速さの計算ができているかを確認しましょう。理解が危うい場合は、流水算の解き方を復習したり、類題に挑戦するよりも、速さの計算を復習するほうがよいです。

[3]条件が変わると解けなくなる

ここでは基本的な解き方を解説しましたが、難しい流水算の場合、船が複数でてきたり、旅人算の要素を含んだりする問題が出題されます。このような問題も、基本的な解き方は一緒ですが、状況をきちんと整理するために、図法を使った解き方を身につける必要があるでしょう。


流水算は速さの計算ができれば、さして難しい問題ではありません。お子さんがつまずいている場合は、速さの計算ができているかを丁寧に確認してあげましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

中学受験指導講師。家庭教師、有名進学塾の講師として10年以上の指導歴を持つ。小石川などの公立中学から女子学院などの私立中学まで、数多くの生徒を合格に導いてきた。自身も中学受験を経験し、算数が苦手であったことから、子ども目線で指導をすることを心がけている。モットーは「わかるまで何度でも丁寧に」。最近の趣味はボルダリング。