間違えやすい漢字の特徴とは? 国語だけでなく理科社会でも役立つ漢字学習法
子供が「自信があるんだ!」と言っていた模擬試験。しかし、返却された答案を見ると、予想外の低い点数……。国語では、漢字の書き取り問題を半分以上間違っただけでなく、抜き出し問題も漢字を書き間違って×。理科や社会でも漢字の間違いで20点近く失点。そんな答案を見た子供と保護者は「漢字さえ間違わなければ…」と思うはずです。
では、どうすればよいでしょうか? 今回は、間違えやすい漢字の特徴をふまえて、具体的な解決策を紹介します。
形声文字は訓読みと部首を一緒に覚えよう
小学校で習う漢字の中には、意味を表す部分(部首)と音を表す部分の組み合わせから成る「形声文字」がたくさんあります。「織」「識」や「構」「講」などがその例です。形声文字は形が似ているうえに音読みが同じになることが多く間違えやすいので、覚え方に工夫が必要です。
具体的には、訓読みと部首を一緒に覚えることをおすすめします。たとえば、「織」の訓読みは、「機を織る」などの表現で使われる「おる」です。だから、糸と関係のある「いとへん」が部首です。同様に、「識」は、言葉で表現されたことを知る意味なので、言葉に関係のある「ごんべん」が部首です。
同様に、「構」は「かまえる」と訓読みし、木で家などを組み立てることを表すので「きへん」。一方、「講」の訓読みはありませんが、言葉に関わる「講演」「講義」などの熟語で使われる漢字なので「ごんべん」。
このように、訓読みや部首は、漢字の意味やイメージと密接に関係しているので、間違えやすい漢字の識別にも役立ちます。
音読みが同じ漢字は意味を区別して理解しよう
形は似ていなくても、音読みが同じ漢字は間違えやすいものです。たとえば、社会の公民分野で登場する「議院内閣制」という言葉には、「議員内閣制」「議院内閣政」などの書き間違いが見られます。こうした間違いをなくすには、漢字の持つ意味を区別して理解することが大切です。
「議院」は、国会を構成する衆議院と参議院のことです(日本では)。一方、「議員」は、衆議院や参議院の中のメンバーを表します。「衆議院議員」という言葉では、「ぎいん」が2回繰り返されますが、それぞれ漢字が違います。
また、「制」は「制度」で、国や社会のきまりや仕組みを表します。一方、「政」は「政治」で、国や社会を動かしていくことです。
議院内閣制は、内閣が国会に対して責任を負う仕組みです。そのため、国会を表す「院」と、制度を表す「制」を使います。国語の熟語だけでなく、理科や社会の用語を覚える際も、漢字に着目すると書き間違いが減ります。
形が似ている漢字はノートにまとめて何度も見直そう
音読みは全く違っていても、形が似ている漢字にも要注意です。たとえば、社会で登場する「遣唐使」の「遣」と「世界遺産」の「遺」や、「冠位十二階」の「冠」と「元寇」の「寇」などで混乱する子供が多いようです。これらの漢字は、意味を考えても区別できるとは限りません。
そこで、形が似ていて間違えやすい漢字は、ノートにまとめて何度も見直す方法が有効になります。ノートのページに、「遣」と「遺」を大きく書いて、その下に「遣唐使」「世界遺産」などの言葉も書き込んでおきます。問題を解いているときにこれらの漢字が出てきたら、ノートで必ず確認するようにします。また、テストの前には、ノートに一通り目を通して、「自分はこの漢字を間違いやすいんだな」と意識すると、間違いは激減するでしょう。
間違えやすい理由を分析して対処しよう
漢字の書き間違いは「ケアレスミス」「うっかりミス」として軽く見られがちです。しかし、そのまま放置していると、入試本番の失点につながります。間違えやすい漢字には、間違えやすい理由があります。それを正しく分析して対処すれば、間違いを減らすことは可能です。
※記事の内容は執筆時点のものです
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