学習 国語

5種類の構成を知れば自然に身につく! 二字熟語を攻略するコツと、おすすめ問題集

2018年4月23日 鈴木恵美子

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小学校で習う漢字は全1006文字。そこから2文字を組み合わせてつくる二字熟語には本当にたくさんの種類があります。1文字のときに比べると、意味や読みのバリエーションも豊富になるので、苦手意識を持っている子供も多いのではないでしょうか。 そこで今回は「勉強のやり方」を教える塾・プラスティー教育研究所に、中学受験を目指す二字熟語の攻略法を教えていただきました。

ひとつひとつの漢字の意味とそれらの関係性を知れば、二字熟語が理解できる

二字熟語が苦手な子は、熟語をまるで英単語のように1つの言葉として覚えようとしている場合があります。でも、それではなかなかたくさんの熟語の意味が覚えきれず、書くことも難しくなります。 二字熟語に強くなるには、まず「熟語は漢字一字一字が結びついてできている」ことを意識させましょう。そのうえで次のポイントを知っておいてください。

「訓読み」を学ぶことで、その漢字が持つ意味を知ろう

漢字には音読みと訓読みがあります。音読みはもともと中国語に基づく読み方で、訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方です。ですから子供が漢字の意味を理解するには、訓読みを知っておく必要があるのです。普段から折りをみて「この漢字は訓読み(日本語読み)できる?」という声かけをすることからはじめてみてください。

二字熟語を、話し言葉で表してみよう

それができたら、二字熟語を一文字ずつ分解して次のように平易な話し言葉で表してみましょう。こうすれば難しく見える熟語の意味も理解しやすくなります。

・異様……異なる 様子・明朗……明るく 朗らか ・名著……名のある 著作(本) ・衆知……衆く(おおく)が 知る ・組閣……内閣を 組織する

熟語の成り立ち5パターンを覚えておこう

意味のある漢字が2つ結びつくときにはルールがあり、二字熟語には大きく分けて次の5種類の構成があります。1つ1つの漢字の意味を考えてこのパターンにあてはめると、初めて目にする難しい熟語も意味が推測できるようになるでしょう。

1)似た意味の二文字……思考、幸福、価値2)反対の意味の二文字……上下、左右、売買、善悪 3)前が後ろを修飾する関係……青空、誤字、海水 4)前が主語、後ろが述語の関係……地震、日没 5)前が動作、後ろが目的語の関係……洗顔、登山、読書

日本語では修飾の関係にある場合、3)のように形容詞が必ず前につくルールがあります。一方、5)のように目的語が後ろにつくのは、私たちが普段話している日本語とは逆のパターンです。こうした法則があることをお父さんやお母さんから説明してあげれば、子供はもっと二字熟語の意味を掴めるようになるでしょう。

二字熟語を攻略するためには、こんな問題に取り組もう

二字熟語への理解を深めるには、まず毎日の勉強で使っている漢字ドリルの練習が基本。それぞれの音読み・訓読みがきちんと書いてあり、漢字の意味をしっかり学ぶことができます。

漢字検定の教材なら、中学受験対策にも有効

それ以外でおすすめなのは、漢字検定の教材である「漢字学習ステップ」です。漢字の意味と読みがわかりやすくまとめられているので、基礎からきちんと学ぶことができます。また10級〜2級まで揃っているので、子供の学力や漢字への興味に合ったレベルのものを選ぶこともできます。練習問題を解くことは中学受験対策にも有効でしょう。

「知らない熟語も読む力」を育てよう

名門中学校の入試問題では、中高生向けと言ってもおかしくないレベルの文章が出題されることがあります。小学生にはわからない言葉も多いかもしれません。そうした時に漢字から熟語の意味を類推していくというスキルは、とても役に立つことでしょう。総合的な国語力をつけるためにも、ぜひ二字熟語のしくみと考え方を身につけていきましょう。

※5級:小学校6年生修了程度

プラスティー教育研究所

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/

※記事の内容は執筆時点のものです

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