
得意を伸ばすか、苦手を潰すか? 勉強の優先順位を解説│中学受験塾のトリセツ#58
学年が上がるにつれて勉強量は増え、取捨選択が必要になります。
なかでも「得意を伸ばす」か「苦手を潰す」か、どちらを優先するかは悩むところでしょう。
私は、点数が上がりやすく、成長実感も得やすい「苦手を潰す」を優先したほうが良いと思いますが、「得意を伸ばす」も上手に取り入れてほしいと思っています。
今回は、勉強の優先順位についてお話しします。
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優先したいのは「苦手を潰す」
得意を伸ばすか苦手を潰すか、当然ですがどちらも重要です。
しかし両方に全力投球するのは難しいので、まずは結果を得やすい「苦手を潰す」を優先することをおすすめします。
理由①:平均点までは取りやすい
テスト結果を見るとわかるのですが、中心値である偏差値50から離れるほど人数は少なくなっていきます。
つまり、平均点付近までは取りやすく、それより高い点数を狙うのは難しいということです。
そのため苦手の度合いにもよりますが、平均点を目指す勉強、つまり苦手を潰す勉強のほうが結果に繋がりやすいと言えます。
理由②:苦手克服のほうが点数に結び付きやすい
得意を伸ばすには応用問題を、苦手を潰すには基礎問題を進めていくのがメインとなります。
しかし、応用問題は知識に加えて思考力やひらめきが必要なものも多く、勉強したからといって必ずできるものではありません。出題の運も絡んできますよね。
一方、苦手を潰す勉強のほうが身につけた知識が出題される可能性が高く、点数として結果が出る可能性も高いと言えるでしょう。
理由③:苦手克服のほうが実感を得やすい
苦手を潰すために身につけた基礎力は、基礎問題だけでなく応用問題でも使えます。
たとえ応用問題が解けるところまでいかなくとも、基礎力が身につけば「途中まではわかった」ということもあるでしょう。つまり「勉強したことが役に立った」という実感が得られやすいということですね。
苦手を潰す勉強は手ごたえを得やすく、勉強のモチベーションにも繋がります。
苦手を潰すときのポイント
苦手を潰すときは、次の2つを意識しましょう。
- 「細かい苦手」を見つける
- 苦手の中に「得意」を混ぜる
1、「細かい苦手」を見つける
苦手を潰すためにはまず、細かい苦手を見つけていきます。
たとえば理科という科目の中で、昆虫や植物といった生物は得意で、電気やてこなどの物理が苦手など、より細かく得意と苦手を分けていくのです。細かい苦手がわかれば、勉強する範囲がしぼれます。
たとえば理科なら、知識を覚えるために問題を繰り返し解いたり、自分が理解できるレベルまでさかのぼって学び直したりするなど、範囲がしぼれれば克服もしやすくなります。
また、苦手克服を前向きに捉えやすいというのも、自分の苦手を細かく知るメリットです。
「理科が苦手」より「理科の物理が苦手」のほうが、克服できそうな気がしてきませんか?
上記の例でいえば、苦手を正しく知ることで、「自分は理科そのものが苦手だと思っていたけど、実は物理が苦手なだけで、生物の勉強とかは意外にきらいじゃないかも」という気付きを得られます。
前向きな気持ちになると、苦手克服への努力もしやすくなるでしょう。
2、苦手の中に「得意」を混ぜる
苦手を潰すのは大切ですが、苦手と向き合うばかりでは疲れてしまいます。練習問題を解いても点数が伸びないと、苦しい時間に感じられることもありますよね。
疲れてしまいそうなときは、合間に得意なものをはさむと、モチベーションが回復するかもしれません。
苦手な理科の合間に得意な国語でも良いですし、苦手な物理の合間に得意な生物でも良いでしょう。
得意なもので高得点を出すことで自信を回復し、モチベーションアップにつなげましょう。
苦手と得意をうまく組み合わせよう
得意を伸ばす勉強も大事ですが、苦手を潰す勉強をすると結果が出ることも多いはずです。
とはいえ、苦手を潰す勉強は精神的に苦しいもの。
苦手を潰す勉強をする際は朝と夜に分けたり、書いて覚える以外に単語帳を使ったりと、やり方にバリエーションを持たせて無理なく進めていきましょう。
精神的に好調なときは苦手をメインにし、不調なときは得意をメインに勉強していく、というのもひとつの手です。
苦手なもので点数が取れると大きな励みになります。頑張ってください!
※記事の内容は執筆時点のものです
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