中学受験ノウハウ 中学受験をするかどうか

「幸せな結末」を迎えるために知っておきたい。中学受験のメリットとデメリット

2018年7月10日 石井知哉

中学受験では合格をめざすのは当然です。ですが、もし不合格となってしまったら中学受験にトライしたことは無意味なのでしょうか? 中学受験を始める前におさえておくべき、中学受験のメリット・デメリットと、「幸せな結末」を迎えるために大切なことを解説します。

中学受験のメリット

中学受験のメリットとして、真っ先に思い浮かぶのは、次のようなものです。

■中学受験「合格」によって得られるメリット

・ 良質な環境で6年間(中高一貫校の場合)勉強できる
・ 高い進学実績を生み出すカリキュラムで大学受験が有利
・ 高校受験がないので、じっくりと勉強できて部活動にも打ち込める。

これらのメリットは「合格」によって得られるものです。しかし、中学受験のメリットはそれだけではありません。合格を目指すプロセス、すなわち「受験勉強そのもの」にもメリットがあります。

中学受験「勉強」のメリット1 ――学力のアップ

受験勉強を通じて高い学力が身につきます。中学受験では、小学校で学ぶ内容はもちろん、小学校の教科書レベルを超えた知識も必要です。つまり、中学校での学習を「先取り」して勉強するということです。公立中高一貫校の適性検査や近年の私立中入試が求める「思考力」「判断力」「表現力」などは、その先もずっと役に立つ「一生モノ」の力です。受験勉強を通じて、こうした学力を伸ばせます。

中学受験「勉強」のメリット2 ――メンタルの強化

スポーツの試合や音楽の演奏会、バレエの発表会、絵画のコンクールなどの「本番」と同様、入試とは「勉強の本番」です。一生懸命に打ち込んできた成果を発揮するには、子供の精神的な強さや、たくましさが重要です。入試本番は、わずか数時間の試験で合否が判定され、希望の中学校で過ごせるかどうかが決まる過酷な環境です。緊張や不安と戦いながら日々重ねる勉強。その努力・経験は、子供のメンタルを強くします。

中学受験「勉強」のメリット3 ――自立心が芽生える

受験生が入試本番で最も頼れる相手は「自分自身」です。本番試験中は誰の手助けもなく、子供が自分一人で乗り越えねばなりません。また、塾通いや宿題、模擬テストなど、忙しいスケジュールの中、時間管理は不可欠ですが、親が「1から10まで全て親がやってあげる」ということは不可能ですし、そうすべきでもありません。子供の「自分のことは自分でやる」「何事も自分次第」という習慣を形成しなければなりません。中学受験をする子は総じて大人びていますが、それはこうした「自立心」が養われているからです。

以上の「子供の成長」が中学受験のメリットです。中学受験の結果が、万が一不合格でも、その「成長」は間違いなくプラスになります。悔しさをバネに、地元の中学校に進学してから高校受験に向けて学年トップを目指せばよいのです。

ただし、忘れてはならないのは「合格するために本気で取り組むこと」です。「落ちてもいいや」といい加減な気持ちで取り組んでも、真剣味がないため「成長」は得られません。

中学受験のデメリット

もちろん、中学受験は良いことだらけではありません。「ローリスクハイリターン」というわけにはいかないのです。

中学受験のデメリット1 ――時間の自由が減る

合格に向けた本気の受験勉強には、多くの時間が必要です。ですから、ほかの習い事やテレビ、ゲームを楽しむ時間、友達と遊ぶ時間、家族で出かける時間など、好きな事にあてられる時間は確実に減ります。

中学受験のデメリット2 ――お金がかかる

塾や家庭教師、通信教育を利用するなら授業料や教材費などの費用が必要です。独学で進める場合でも、問題集や参考書、過去問集の購入費に加えて、模擬テストや交通費、入試の受験料もかかります。

中学受験のデメリット3 ――ストレスが発生する

中学受験には、親子共に体力的にも精神的にも多大なエネルギーが必要です。真剣に取り組めばこそ、ストレス要因にもなります。思うように成績が伸びない状況が続くと、親子間の緊張関係を招きかねません。

以上のデメリットは覚悟しておく必要があります。

中学受験で 「幸せな結末」を迎えるために

中学受験とは、「時間の自由」「お金」「ストレス」という代償を払って「子供の成長」という成果を得るものです。「記念受験」では意味がありませんが、合格は「目標」であって「目的」ではありません。

もちろん、第一志望校合格が最高の結果ですが、たとえ第一志望校が不合格でも第二、第三希望に合格したら、その学校を「縁のあった学校」と受け止める。あるいは全校不合格でも「よく頑張った! 悔しいけど高校受験で頑張ろう」と親子共に笑顔で迎えられれば、それは立派な「幸せな結末」です。

そのためには、親が「子供の成長」をしっかりと発見・評価することが大切です。社会に出れば、良くも悪くも「結果」が重く評価されます。「子供の成長」という結果以外の部分を評価し喜ぶことができるのは「親の愛」なのではないでしょうか。

※記事の内容は執筆時点のものです

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