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汽水湖とは? 断層湖とは? 日本の湖は整理すると覚えやすい

2019年3月27日 ゆずぱ

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中学受験の地理分野で河川・湖沼の学習をしていると、汽水湖やら断層湖やらカルデラ湖やら……用語がたくさん出てきます。意外と混乱するようです。

汽水湖という言葉は水質による分類、断層湖という言葉は成因(でき方)による分類なので同等に扱ってはいけない のですが、闇雲に暗記をしてしまっている子供も多いようです。用語の意味を正しく理解すると、暗記も簡単になりますので、ぜひ一度整理してみることをおすすめします!

中学受験で代表的な10の湖は覚えたい

入試によく出る日本にある湖を整理するとおおむね、今回紹介する10の湖です。その成因(でき方)や水質の分類に加え、面積や深さまで求められることがあります。まず最初に地図上で日本にある湖の全体像をおさえたうえで、入試で問われるポイントを詳しく学んでいきましょう。

日本の代表的な10の湖の全体像

それではさっそく日本地図に10の代表的な湖をプロットしたものをご覧ください。実はこの図は中学入試でよく問われる成因(でき方)や水質もわかるようになっています。赤い湖はカルデラ湖、茶色い湖は断層湖、青い湖は海跡湖 です。地図にプロットしてみると、それぞれが地理的にもまとまっているので覚えやすいと思います。

日本の湖を成因(でき方)で分類する

それではさっそく成因(でき方)で分類してみましょう。

カルデラ湖

最初はカルデラ湖です。カルデラ湖とは文字通りカルデラにできた湖です。つまり火山の噴火によってできた大規模な凹地(くぼんだ土地)に水が溜まってできた湖です。まるで鍋のような形をしていて、とても深い湖になる傾向があります。図解を見てシッカリおさえましょう!

カルデラ湖の代表は、田沢湖、支笏湖、十和田湖 です。

断層湖

次は断層湖です。断層湖とは 断層運動によってできた凹地(くぼんだ土地)に雨などで水が溜まってできた湖なんですが、文章ではちょっとわかりにくいと思いますのでイメージをするために図を用意しました。

※断層運動による凹地のでき方はたくさんあるのですが、イメージしやすい代表的なもので図示しています。

断層湖の代表は、琵琶湖、諏訪湖、猪苗代湖 です。

海跡湖

最後は海跡湖です。海跡湖は何らかの原因で海から分かれてできた湖のことをいいます。何らかの原因……なので多くの要因があるのですが、代表的なものは以下の図のように浅い海の入り口が砂などの堆積で海から独立してできる湖 です。当然ですが海跡湖は海の近くにあります。

海跡湖の代表は、サロマ湖、浜名湖、宍道湖、そして海から少し離れていますが、霞ヶ浦 です。

日本の湖を水質で分類する

成因(でき方)による分類はイメージできましたでしょうか? 次は水質で分類してみましょう。

地球にあるほとんどの水分は海水ですが、湖の水は海から離れた凹地(くぼんだ土地)に雨などが溜まってできたものなので淡水です。

基本的に湖は淡水だと覚えてしまって良いでしょう。ただし、海跡湖はもともと海だったところが、海から分離した湖なので海水と淡水が混ざった水(これを汽水といいます)でできています。

海跡湖であっても霞ヶ浦は例外です。霞ヶ浦は大昔に海跡湖としてできましたが、海から分離してから長い年月の間、雨などで塩分濃度が下がりつづけて、現在では淡水になっています。

日本の湖の理解をさらに深めるために

さらに理解を深めるために、面積や深さなど追加知識についてまとめてみましょう。特に水源としての湖の知識は入試でもよく聞かれます。

日本の湖を面積で並べてみる

まずは面積です。日本最大の湖は誰でも知っている琵琶湖ですね。琵琶湖の面積は、 2位の霞ヶ浦や3位のサロマ湖と比べても断トツで広い面積を有しています。その名前は湖の形が楽器の琵琶に似ていることから名付けられたともいわれます。とても広い湖で、滋賀県の面積の6分の1を占めています。

日本の湖を水深で並べてみる

次は水深で並べてみましょう。特に田沢湖は日本で最も深い湖なので、絶対におさえておきたい湖です。そして2位の支笏湖も、3位の十和田湖も、全てカルデラ湖であることに注目です。

カルデラ湖は火山の噴火によってできた凹地(くぼんだ土地)なのでとても深いというのが特徴 です。この記事では紹介していませんが、深さ4位の池田湖も、5位の摩周湖もカルデラ湖です。

川の水源となっている湖

最後は水源としての湖を今回の10の湖のなかから、2つご紹介します。日本最大の琵琶湖を水源とする淀川は京都、大阪を通り大阪湾へ流れます。そして長野県のど真ん中にある諏訪湖を水源とする、天竜川は静岡県を経て太平洋へ流れます。この2つのルートをおさえましょう。

まとめ

地理分野における湖の分類は闇雲に暗記をしようとすると全くわかりませんが、整理すると覚えやすくなります。中学受験では湖の成因(でき方)や、水質がよく問われます。ぜひ整理しながら覚えてみてください。 

※記事の内容は執筆時点のものです

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