
指事文字・象形文字・形声文字・会意文字を見分けるコツは? (1ページ目)
「漢字の成り立ち」は教えられた直後には理解していても、いざ問題となると「見分け方を忘れた」というお子さんが少なくありません。今回は、4つの文字の分類名の覚え方と見分けるコツ、それぞれの代表的な漢字をご紹介します。
Contents
漢字を「分解できない」「分解できる」の2つに分類してみる
わかりやすいように、次の4つの漢字で考えてみましょう。
日 | 上 | 森 | 校 |
「森」と「校」は「分解できる文字」です。「森」は「木+木+木」に、「校」は「木+交」に分解できます。「分解できる文字」は、形声文字か会意文字です。
「日」と「上」は「分解できない文字」です。分解できない文字は、指事文字か象形文字です。
指事文字と象形文字の見分け方
では、指事文字と象形文字の見分け方です。2つを見分けるには、数が少ない指事文字から覚えるとカンタンです。
指事文字は「抽象的なもの」を「指」で表した文字
指事文字は「かたちがないもの」「抽象的なことがら」を表すために生まれた文字です。かたちがないものを「指」で表したから「指」事文字というと覚えやすいです。
たとえば、「上」という漢字。「上」という物体があるわけではないです。かたちがなくて抽象的なものですね。漢数字の「一」「二」「三」も指事文字です。次のような代表的な指事文字から確実に覚えていきましょう。
指事文字の例
上 | 中 | 下 | 一 |
二 | 三 | 本 | 末 |
上記に挙げた例のうち、間違えやすいのが「本」「末」といった字です。
指事文字には、後述する象形文字に点や線を加えてつくられた文字があります。
「本」という字で考えてみましょう。「本」は「ほん」とも読みますが、「もと」とも読みますよね。「ほん」はかたちがあるものですが、「もと」はかたちがないものです。
この「もと」を表すために、「木」(象形文字)に横棒を1本足して表したものが「本」です。「末」も同様で、「木」のうえに少し長い横棒を加えて、先端である「すえ」を表しています。
象形文字の「象」は「かたち」を表す
象形文字は4分類のなかで直感的にわかりやすい漢字です。「象」は「かたち」を表します。ですから、「もののかたちをかたどった漢字は象形文字」とすると覚えやすいです。
ただ、画数の多い漢字を見ると「分解できる」と考えてしまう子がいるので、丁寧に文字を確認するよう助言できるとよいでしょう。次のような漢字が代表的な象形文字です。
象形文字の例
木 | 魚 | 鳥 | 馬 |
羽 | 門 | 卵 | 角 |
形声文字と会意文字の見分け方
「どっちがどっちだっけ?」と迷うお子さんが多いのが、形声文字と会意文字です。
「声」、つまり「音」を表わすのが形声文字で、漢字と漢字を組み合わせて異なった「意味」を表わすのが会意文字です。読むときに太字の部分を強調すると印象づけやすいです。
形声文字は音読みするとわかる
漢字は約9割が形声文字といわれています。形声文字と会意文字を見分けるには、形声文字から入るとわかりやすいです。
形声文字は、音を表わす文字(音符)と、意味を表わす部分(意符)で構成されています。
カンタンな見分け方としては、漢字を音読みさせることです。次のように、漢字の中に同じ音の漢字があれば、形声文字です。
形声文字の例1(漢字のなかに、同じ音の漢字があるもの)
次のように、音読みをしたとき、同じ音を表わす文字が入っているのが形声文字の代表的なパターンです。
紙(シ) = 糸+氏(シ) |
町(チョウ) = 田+丁(チョウ) |
姉(シ) =女+市(シ) |
理(リ) =王+里(リ) |
形声文字の例2(漢字のなかに、似た音の漢字があるもの)
また、似た音を表わす文字が入っている場合もあります。
村(ソン) =木+寸(スン) |
暑(ショ) =日+者(シャ) |
形声文字の例3(同じ音で「へん」が異なるもの)
同じ音で、「へん」が異なる形声文字もあります。
板(ハン)坂(ハン) | 講(コウ)構(コウ) |
会意文字はセットにすると意味が変わる文字
会意文字は、意味のある漢字を2つ以上組み合わせると、別の意味になる漢字です。
たとえば、「明」。これは「日」と「月」が組み合わさって、別の意味の漢字になっています。「木」が3つ組み合わさった「森」も同じです。次のような漢字が代表的な会意文字です。
会意文字の例
明=日+月 | 森=木+木+木 |
鳴=口+鳥 | 畑=火+田 |
男=田+力 | 品=口+口+口 |
とじる
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