学習 国語

指事文字・象形文字・形声文字・会意文字を見分けるコツは? (1ページ目)

2018年11月21日 兵藤 かおり

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「漢字の成り立ち」は教えられた直後には理解していても、いざ問題となると「見分け方を忘れた」というお子さんが少なくありません。今回は、4つの文字の分類名の覚え方と見分けるコツ、それぞれの代表的な漢字をご紹介します。

漢字を「分解できない」「分解できる」の2つに分類してみる

わかりやすいように、次の4つの漢字で考えてみましょう。

「森」と「校」は「分解できる文字」です。「森」は「木+木+木」に、「校」は「木+交」に分解できます。「分解できる文字」は、形声文字か会意文字です。

「日」と「上」は「分解できない文字」です。分解できない文字は、指事文字か象形文字です。

指事文字と象形文字の見分け方

では、指事文字と象形文字の見分け方です。2つを見分けるには、数が少ない指事文字から覚えるとカンタンです。

指事文字は「抽象的なもの」を「指」で表した文字

指事文字は「かたちがないもの」「抽象的なことがら」を表すために生まれた文字です。かたちがないものを「指」で表したから「指」事文字というと覚えやすいです。

たとえば、「上」という漢字。「上」という物体があるわけではないです。かたちがなくて抽象的なものですね。漢数字の「一」「二」「三」も指事文字です。次のような代表的な指事文字から確実に覚えていきましょう。

指事文字の例

上記に挙げた例のうち、間違えやすいのが「本」「末」といった字です。

指事文字には、後述する象形文字に点や線を加えてつくられた文字があります。

「本」という字で考えてみましょう。「本」は「ほん」とも読みますが、「もと」とも読みますよね。「ほん」はかたちがあるものですが、「もと」はかたちがないものです。

この「もと」を表すために、「木」(象形文字)に横棒を1本足して表したものが「本」です。「末」も同様で、「木」のうえに少し長い横棒を加えて、先端である「すえ」を表しています。

象形文字の「象」は「かたち」を表す

象形文字は4分類のなかで直感的にわかりやすい漢字です。「象」は「かたち」を表します。ですから、「もののかたちをかたどった漢字は象形文字」とすると覚えやすいです。

ただ、画数の多い漢字を見ると「分解できる」と考えてしまう子がいるので、丁寧に文字を確認するよう助言できるとよいでしょう。次のような漢字が代表的な象形文字です。

象形文字の例

形声文字と会意文字の見分け方

「どっちがどっちだっけ?」と迷うお子さんが多いのが、形声文字と会意文字です。

」、つまり「音」を表わすのが形文字で、漢字と漢字を組み合わせて異なった「味」を表わすのが会文字です。読むときに太字の部分を強調すると印象づけやすいです。

形声文字は音読みするとわかる

漢字は約9割が形声文字といわれています。形声文字と会意文字を見分けるには、形声文字から入るとわかりやすいです。

形声文字は、音を表わす文字(音符)と、意味を表わす部分(意符)で構成されています。

カンタンな見分け方としては、漢字を音読みさせることです。次のように、漢字の中に同じ音の漢字があれば、形声文字です。

形声文字の例1(漢字のなかに、同じ音の漢字があるもの)

次のように、音読みをしたとき、同じ音を表わす文字が入っているのが形声文字の代表的なパターンです。

紙(シ)
= 糸+氏(シ)
町(チョウ)
= 田+丁(チョウ)
姉(シ)
=女+市(シ)
理(リ)
=王+里(リ)

形声文字の例2(漢字のなかに、似た音の漢字があるもの)

また、似た音を表わす文字が入っている場合もあります。

村(ソン)
=木+寸(スン)
暑(ショ)
=日+者(シャ)

形声文字の例3(同じ音で「へん」が異なるもの)

同じ音で、「へん」が異なる形声文字もあります。

板(ハン)坂(ハン) 講(コウ)構(コウ)

会意文字はセットにすると意味が変わる文字

会意文字は、意味のある漢字を2つ以上組み合わせると、別の意味になる漢字です。

たとえば、「明」。これは「日」と「月」が組み合わさって、別の意味の漢字になっています。「木」が3つ組み合わさった「森」も同じです。次のような漢字が代表的な会意文字です。

会意文字の例

明=日+月 森=木+木+木
鳴=口+鳥 畑=火+田
男=田+力 品=口+口+口

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