損益算ってどんなもの? 損益算をわかりやすく解説
「定価」「原価」など、売買に関する計算をするのが「損益算」です。大人にはすぐわかる計算も、売買に馴染みがない子供には難しく感じることがあります。用語から学んでいきましょう。
Contents
損益算とは? 中学受験ではどのような扱い?
与えられた数値、割合をもとに、原価や定価、利益などを求めていきます。中学受験では複雑な損益算が出ることもありますが、基本的なところを理解できていれば、ほとんどの問題に対処することができます。
重要なのは、「線分図」が書けるようになることです。線分図の書き方が身につけていれば、難しい問題でも同じ解法で解くことができます。
損益算の基本的な解き方解説
損益算の基本的な解き方は次のとおりです。ここでは2つの例題をもとに、線分図を使って解き方を解説します。
損益算の基本1――線分図ひとつで解ける問題
■例
ある商品に原価の15%の利益があるように定価をつけて3450円にしました。原価はいくらですか。
まずは、線分図を描きましょう。線分図を描くための思考過程は以下の通りです。
[1]原価の15%の利益があるように値段をつけるから、原価を1とする
[2]原価を1とすると、定価は1.15になる
【図1】
線分図をもとに、計算をします。
原価×1.15=3450円
原価=3450÷1.15
=3000円
答え.3000円
損益算の基本2 ――線分図が2つ必要な問題
■例
定価が3000円の商品を2割引して、さらに200円をおまけして売ったところ、仕入れ値の1割の利益がありました。この商品の仕入れ値はいくらですか。
線分図を描くための思考過程は以下の通りです。
[1]定価しかわかっていないから、定価を基準に考えてみる
[2]定価を2割引する
[3]図がごちゃごちゃするので、もう1本ならべて描いてみる
[4]そこから200円をひく
[5][4]で200円をひくと、仕入れ値(原価)の1割の利益がある=仕入れ値(原価)を1とすると売値を1.1と表すことができる
【図2】
線分図をもとに、計算していきます。
まず、定価の8割の部分が
3000×0.8=2400円
となります。
ここから200円を引くと
2400-200=2200円
です。これが、仕入れ値(原価)を1と置いたときの1.1に対応するので、
原価×1.1=2200
原価=2200÷1.1
=2000円
となります。
答え.2000円
損益算で子供がつまずきやすいポイント対策
損益算でつまずきやすいのは、以下の3点です。
[1]売買の用語がわからない
[2]割合(百分率/歩合)が理解できていない
[3]何を1とするのかがわからない
それぞれの対策を見ていきましょう。
[1]売買の用語がわからない
損益算を習ってはじめにつまずくのが、用語の理解です。損益算には「定価」「原価(仕入れ値)」など売買に関する用語が出てきます。大人には当たり前の言葉でも、子供には馴染みがなく、そもそも何を指しているのかわからないことが多いです。損益算の解き方を教える前に、図を使うなどして売買の用語を理解させましょう。
[2]割合が理解できていない
損益算では、百分率(%)と歩合(割/分/厘)が必ず出てきます。しかも、ひとつの問題で割合の表記が統一されているとは限りません。
例えば、
ある商品を仕入れ値の2割の利益があるように定価をつけ、さらにその定価の15%引きで売ると……
といったように、問題文に複数の割合の表現が使われることがあるのです。
そのため、割合の概念をしっかり理解していないと、計算の途中でわけがわからなくなってしまいがちです。お子さんの解きあとを確認して、「割合の理解が怪しいな……」と思ったら、面倒でも割合の計算に立ち返りましょう。
[3]何を1とするのかがわからない
損益算は問題によって、何を1と置くのかが変わります。そのため、お子さんによっては何を1と置いていいのかわからず、解き方を間違えてしまうことがあります。
これに対しては、「線分図を描く習慣を身につける」ことが対策となります。線分図を描いて、「何がもとになる量か(=何を1とおくか)」を視覚的に確認することができるからです。
割合が解けるのであれば、損益算は比較的攻略しやすい問題です。
・基本概念をおろそかにしない
・線分図を必ず描く
という点を守り、損益算を得点源にしていきましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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