学習 算数

損益算ってどんなもの? 損益算をわかりやすく解説

2018年7月10日 鈴木遥

「定価」「原価」など、売買に関する計算をするのが「損益算」です。大人にはすぐわかる計算も、売買に馴染みがない子供には難しく感じることがあります。用語から学んでいきましょう。

損益算とは? 中学受験ではどのような扱い?

与えられた数値、割合をもとに、原価や定価、利益などを求めていきます。中学受験では複雑な損益算が出ることもありますが、基本的なところを理解できていれば、ほとんどの問題に対処することができます。

重要なのは、「線分図」が書けるようになることです。線分図の書き方が身につけていれば、難しい問題でも同じ解法で解くことができます。

損益算の基本的な解き方解説

損益算の基本的な解き方は次のとおりです。ここでは2つの例題をもとに、線分図を使って解き方を解説します。

損益算の基本1――線分図ひとつで解ける問題

■例
ある商品に原価の15%の利益があるように定価をつけて3450円にしました。原価はいくらですか。

まずは、線分図を描きましょう。線分図を描くための思考過程は以下の通りです。

[1]原価の15%の利益があるように値段をつけるから、原価を1とする
[2]原価を1とすると、定価は1.15になる

【図1】

線分図をもとに、計算をします。

原価×1.15=3450円
原価=3450÷1.15
  =3000円

答え.3000円

損益算の基本2 ――線分図が2つ必要な問題

■例
定価が3000円の商品を2割引して、さらに200円をおまけして売ったところ、仕入れ値の1割の利益がありました。この商品の仕入れ値はいくらですか。

線分図を描くための思考過程は以下の通りです。

[1]定価しかわかっていないから、定価を基準に考えてみる

[2]定価を2割引する

[3]図がごちゃごちゃするので、もう1本ならべて描いてみる

[4]そこから200円をひく

[5][4]で200円をひくと、仕入れ値(原価)の1割の利益がある=仕入れ値(原価)を1とすると売値を1.1と表すことができる

【図2】

線分図をもとに、計算していきます。

まず、定価の8割の部分が

3000×0.8=2400円

となります。

ここから200円を引くと

2400-200=2200円

です。これが、仕入れ値(原価)を1と置いたときの1.1に対応するので、

原価×1.1=2200
原価=2200÷1.1
  =2000円

となります。

答え.2000円

損益算で子供がつまずきやすいポイント対策

損益算でつまずきやすいのは、以下の3点です。

[1]売買の用語がわからない
[2]割合(百分率/歩合)が理解できていない
[3]何を1とするのかがわからない

それぞれの対策を見ていきましょう。

[1]売買の用語がわからない

損益算を習ってはじめにつまずくのが、用語の理解です。損益算には「定価」「原価(仕入れ値)」など売買に関する用語が出てきます。大人には当たり前の言葉でも、子供には馴染みがなく、そもそも何を指しているのかわからないことが多いです。損益算の解き方を教える前に、図を使うなどして売買の用語を理解させましょう。

[2]割合が理解できていない

損益算では、百分率(%)と歩合(割/分/厘)が必ず出てきます。しかも、ひとつの問題で割合の表記が統一されているとは限りません。

例えば、

ある商品を仕入れ値の2割の利益があるように定価をつけ、さらにその定価の15%引きで売ると……

といったように、問題文に複数の割合の表現が使われることがあるのです。

そのため、割合の概念をしっかり理解していないと、計算の途中でわけがわからなくなってしまいがちです。お子さんの解きあとを確認して、「割合の理解が怪しいな……」と思ったら、面倒でも割合の計算に立ち返りましょう。

[3]何を1とするのかがわからない

損益算は問題によって、何を1と置くのかが変わります。そのため、お子さんによっては何を1と置いていいのかわからず、解き方を間違えてしまうことがあります。

これに対しては、「線分図を描く習慣を身につける」ことが対策となります。線分図を描いて、「何がもとになる量か(=何を1とおくか)」を視覚的に確認することができるからです。

割合が解けるのであれば、損益算は比較的攻略しやすい問題です。

・基本概念をおろそかにしない
・線分図を必ず描く

という点を守り、損益算を得点源にしていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

中学受験指導講師。家庭教師、有名進学塾の講師として10年以上の指導歴を持つ。小石川などの公立中学から女子学院などの私立中学まで、数多くの生徒を合格に導いてきた。自身も中学受験を経験し、算数が苦手であったことから、子ども目線で指導をすることを心がけている。モットーは「わかるまで何度でも丁寧に」。最近の趣味はボルダリング。