連載 プロ家庭教師 西村則康先生が教える

プロ家庭教師 西村則康先生が教える「読書習慣のはじめ方」

専門家・プロ

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「うちの子、読解問題が苦手なんです。どうしたら本を読むようになるのでしょうか?」これは、編集部に届いた、小4生(女児)をお持ちのあるお母様からのお悩みです。塾ソムリエでプロ家庭教師でもある西村先生に、読書習慣のこと、読書が学習につながることについてお答えいただきました。

「読解問題ができない=読書しましょう」は間違い

国語や読解問題が苦手=読書量が足りない、と考えるお母様も多くいらっしゃるのですが、実は読解問題の点数を読書と結びつけるのは間違いです。

読解問題が苦手なお子さんの場合、最初に取り掛かるべきことは「音読」です。というのも、黙読の時は文字の上を目でなぞっているだけで、内容が頭に入っていないことがよくあるからです。

長文の音読を嫌がるようでしたら、設問や選択肢を音読させるだけでも、ぐっと正解率があがる可能性は高くなります。鉛筆でなぞりながら音読させるなど、お子さんにとって効果的な方法を工夫してみましょう。

読書の目的は「速読力」「共感力」「理解力」の向上

読解問題を解く力=読書量ではないとお伝えしましたが、だからといって読書習慣が不要なわけではありません。読解問題でよい点を取るという目先の目的ではなく、長期的に次の力を伸ばしていくことができるからです。

・速く読み終わる練習ができる
・深く共感する力がつく
・論理的な構造を理解する力がつく

お子さん向けの本としては、歴史、伝記などの学習漫画シリーズや図鑑などをはじめ、ドラえもんやちびまる子ちゃんなどキャラクターと楽しく学習できるシリーズなども多くあります。

できれば自然科学系の知識も積極的に取り入れたいので、年齢や学年に応じて、ジュニア新書や小学生新聞などを組み合わせてみるのもよいでしょう。

ご家庭で育む読書習慣のポイント

お子さんの読書習慣に大きくかかわるのが、ご両親の読書習慣でもあります。ご両親は家で本を読んでいらっしゃいますか?また、リビングなどお子さんの目につく場所に、大人向けの本がならんでいますか?

ご両親の読書の様子を子供はよく見ていて、「大人になったらああいう難しい本が読めるんだ」「いつか私も読んでみたい」と思うものです。大人向けの本がお子さんの視界に入るように、本棚のレイアウトや書籍を置く場所にも少し意識を配るとよいでしょう。

また、親子で取り組みたいのが、「読書タイム」の実施です。例えば「日曜の何時から何時までの1時間は、家族揃って読書しましょう」と、親子で一緒に読書をする時間をつくってみてはいかがでしょうか。

お子さんが「楽しそうに」「熱中して」読書している時間を、週1時間でもつくれると、自然と読書習慣が身に付いてくると思います。

 

※記事の内容は執筆時点のものです

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