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これだけは知っておきたい! 最新教育トレンド――ICT教育

2019年10月24日 石井知哉

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間近に迫った「2020年教育改革」。それは中学校教育にも大きく影響します。今回は、私立の中高一貫校を中心に取り入れられている最新の教育トレンド「ICT(アイシーティー)教育」について解説します。

「ICT教育」とは

ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、簡単にいえば「インターネットの通信技術を用いたコミュニケーション」のことです。パソコンやタブレットなどのICTツールを使って、情報や知識を効率良く伝達・共有し、教育の質を高めることがICT教育の狙いです。

たとえば、教員があらかじめ作成したスライドをプロジェクターでスクリーンに映したり、生徒のタブレット画面に直接共有したりすることで、板書の時間や手間が省けて、その時間をより効果的に使うことができます。

このように、ICTツールを用いることで“インプットの時間”を短縮することができるため、授業の形が大きく変わります。またICT教育は、“アウトプットの時間”を重視する「アクティブ・ラーニング(主体的で対話的な深い学び)」とも密接に関わってきます。

学校現場でのICT教育の実践事例

生徒1人につき、タブレットを1台配布(貸与もしく購入)する私立中高一貫校は多いです。授業開始と同時に生徒と先生がタブレットを開く、という光景も珍しくありません。そして、ICTツールは学校内のさまざまな場面で活用されています。

授業

ICT教育を実践する授業では、教員が作成した資料を投影・共有することが一般的です。また、調べ学習やレポートの作成、プレゼンテーション用の資料の作成など、生徒がICTを積極的に活用する場面も増えています。なかには、宿題の提出にICTを活用する学校も。生徒は家庭で解き終えたプリントをタブレットのカメラで撮影し、その画像を学習管理アプリで先生に提出。先生はそれをチェックし、コメントをつけてアプリ上で返却します。

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石井知哉

石井知哉

  • この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。