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おしべとめしべ・がく・花びらはそれぞれ何個ある? 花のつくりと4要素の役割まとめ

2018年8月03日 東荘一

子供だけではなく、大人でも「花びら」だけを「花」の要素だと思っている人は多いと思います。花を咲かせて実がなり、種子ができるのですから、「花びら」だけが花ではありません。では、「花」とはいったいどの部分を指すのでしょうか。

今回は「植物」における基本中の基本、「花の4要素」を整理します。少なくとも今回ご紹介する内容は、常識の範囲と考えておいてください。紹介する順に覚えていくと効率がいいと思いますのでおすすめですよ。

おしべとめしべ・花びら・がくの4要素で植物を分類

種子植物はまず、被子植物と裸子植物に分類されます。被子植物は双子葉類と単子葉類に、さらに双子葉類は離弁花と合弁花に分かれます。これらの分類を「花の4要素」という視点から整理してみましょう。

花の4要素と役割

「花」には4つの要素があり、1つの花にすべてがそろっているものもあれば、そうではないものもあります。上図はアブラナの花で、4要素をすべて備えています。外側から順に役割を見ていきます。

・がく
つぼみのときに、花を包みこんで中を守ります。また花が咲いた後は、花びらを支える役割をします。

・花びら
昆虫に対して、色と形で好物があることを知らせる目印となります。また、中のおしべ・めしべを守る役割をします。

・おしべ
先にある「やく」で花粉をつくって、たくわえます。

・めしべ
柱頭に花粉がつく(受粉)と、子房は実になり、中に種子ができます。

4要素のどれが重要かという問題ではなく、すべてがそれぞれの役割を果たして、はじめて子孫を残すことができるのです。

被子植物、双子葉類、離弁花の例外

アブラナは最初に習う植物でもあるので花の典型的なものだと思うかもしれませんが、実はそうではありません。アブラナ科の花びらは4枚ですが、「花びら4枚」というのは中学受験で覚える植物の中では例外とも言えます。

アブラナの場合、「がく」4枚、「花びら」4枚、「おしべ」6本、「めしべ」1本です。双子葉類で「がく」「花びら」の枚数が4枚というのは例外で、迷ったらむしろ「5枚」と答えたほうが正答率は高いと考えてください。

1つの花の中に4要素がすべてそろうものを「完全花」、「おしべとめしべ」が両方そろうものを「両性花」、花びらがバラバラになるものを「離弁花」と呼びます。

被子植物、双子葉類、離弁花の基本

図のサクラは、「がく」は5枚、「花びら」は5枚、「おしべ」は多数、「めしべ」は1本です。「がく」「花びら」の枚数5枚となっており、これが双子葉類の標準的な特徴となります。

ちなみにサクラもウメもバラ科で似ていますが、サクラの花びらは先が割れていて、ウメは丸いという違いがあります。またサクラは枝と花の間に小さな茎があり、花が枝から離れていますが、ウメの花は枝にくっつくようにして咲きます。

サクラも「完全花」「両性花」「離弁花」です。

被子植物、双子葉類、合弁花

合弁花には、さまざまなパターンがあります。一見すると離弁花に見えるものから、明らかに合弁花とすぐに分かるもの、さらに知識なしでは本当の花のつくりに気がつかないものもあります。

離弁花に近いものから順に、どのような違いがあるのか見てみます。

一見すると離弁花に見えるもの

ヘチマ(ウリ科)の花びらは、離れているように見えますが、花びらだけを取ってみると根元の部分でつながっていることが分かります。「がく」5枚、「花びら」5枚(合弁花)と、数だけ見れば双子葉類の標準形です。

「おしべ」がなく「めしべ」のみを保有する「めばな」と、「めしべ」がなく「おしべ」だけを保有する「おばな」に分かれ、「おばな」のおしべは5本、「めばな」のめしべは1本となります。

1つの花の中に4要素がすべてそろわないので「不完全花」、「おしべとめしべ」が片方だけなので「単性花」、花びらがつながっているので「合弁花」です。なおヘチマは、同じ株に「めばな」と「おばな」が咲くこともあり、同じ株内でも受粉可能な植物です。

一目で合弁花と分かるもの

アサガオ(ヒルガオ科)の花びらは、一目で合弁花と分かります。ラッパのような形をしていますが、5枚の花びらが根元から先まで完全につながっています。知識がなければ、花びらが5枚とは気づきません。

「がく」5枚、「花びら」5枚(合弁花)、「おしべ」5本、「めしべ」1本、完全に双子葉類の標準形です。

アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、ヨルガオのうち、ユウガオはウリ科なので注意してください。サツマイモもヒルガオ科ですから、うまく接ぎ木をすれば地上ではアサガオの花を観賞し、地下ではサツマイモを収穫することができます。

間違えやすい合弁花

タンポポ(キク科)は一見すると多くの花びらが集まった花のように見えますが、1枚の花びらに見える各部分は「4要素をすべて備えた花」です。知識がなければわかりにくいですが、円盤状の花に見える部分は、多くの花の集まりということになります。

それぞれの花には「がく」が多数、「花びら」は5枚(合弁花)、「おしべ」は5本、「めしべ」は1本、「完全花」「両性花」「合弁花」です。このような合弁花の特徴は、キク科(キク、タンポポ、ヒマワリ、コスモスなど)に共通のものなので、覚えておきましょう。

被子植物・単子葉類と裸子植物

ここからは、被子植物の単子葉類と裸子植物についてです。私たちが食卓で目にするお米は「イネ科」の植物ですね。「イネ科」は植物としては例外の部類に入ります。身近なものなので、覚えておけば得点につながるため受験においても頼もしい存在です。

また裸子植物だけを覚えてしまっても得点に有利につながることもあります。花の4要素という観点から整理して、暗記の優先順位が最も高い部分となりますので、忘れないでください。

被子植物、単子葉類、ユリ科

チューリップ(ユリ科)は一見すると、花びらが6枚に見えます。しかし、このうち外側の3枚は「がく」で、花びらは内側の3枚となります。厳密に考えると、単子葉類と双子葉類では「花びら」部分の呼び方が異なります。双子葉類で離弁花・合弁花と分類されるのは、花びらを「花弁」と呼ぶためです。

これらを整理すると「がく」は外側の3枚、「花びら」は内側の3枚、「おしべ」は6本、「めしべ」は1本、「完全花」「両性花」です。

被子植物、単子葉類、イネ科

イネ(イネ科)は風媒花(虫などが媒介して花粉を運ぶのではなく、風で運ばれた花粉によって受粉する種類)ですから、花びらは必要ありません。夏に白い花が咲きますが、白いのは花びらではなく「おしべ」です。「がく」も「花びら」もないので、「えい」と呼ばれる部分が中を守る役割をしています。

整理すると「がく」なし、「花びら」なし、「おしべ」は6本、「めしべ」は1本、「不完全花」「両性花」です。

裸子植物の構成は?

図のマツのような裸子植物もイネ科と同様に風媒花ですから、花びらは必要ありません。風媒花として裸子植物(マツ・スギ・ヒノキ・イチョウ)とイネ科、単性花として裸子植物とウリ科を覚えると、選択問題ではかなり有利になりますので覚えておいてください。

マツ(マツ科)を整理すると「がく」なし、「花びら」なし、「おしべ」は「おばな」に多数、「めしべ」は「めばな」に多数、「不完全花」「単性花」です。

まとめ

花の構成要素のポイントをまとめると次のようになります。

◎ 双子葉類は花びらのようすから、「離弁花」と「合弁花」に分類されます。
◎ 1つの花に4要素すべてがそろう「完全化」と、そろわない「不完全化」に分類されます。
◎ 1つの花に「おしべとめしべ」がそろう「両性花」と、そろわない「単性花」に分類されます。

おしべとめしべ・がく・花びらは、それぞれ基本形の枚数と例外があります。これらは混乱しやすいですが、花の構成要素として常識となりますので、必ず整理して覚えておくようにしましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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