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三国同盟と三国協商とは? 地図と背景を押さえてスッキリ理解しよう

2021年6月08日 ゆずぱ

20世紀初頭の世界情勢はとても複雑。しかしまずは、何事もシンプル化して押さえるのが鉄則です。特に20世紀初頭のヨーロッパに関しては、三国同盟と三国協商の全体像を押さえることが欠かせません。そこでヨーロッパが三国同盟と三国協商に二分され、第一次世界大戦に至った経緯について、次のふたつのポイントをもとに解説します。

三国同盟と三国協商のポイント

  • 国名ではなく地図で理解する
  • 同盟・協商までの背景を理解する

国名ではなく地図で理解しよう

まずは、20世紀初頭のヨーロッパの様子をみてみましょう。

ヨーロッパの中央に位置するドイツとオーストリアを中心とした三国同盟。そして、イギリスとフランスにロシアが加わった三国協商。当時のヨーロッパは、三国同盟と三国協商というふたつの勢力によって二分されていました。ちなみに地図を見ると気づくかと思いますが、三国同盟の国々は三国協商の国々に挟まれていますよね。もしもこの状態で戦争になったとしたら……。三国同盟が圧倒的に不利であることは明らかです。

第一次世界大戦

実際、三国同盟と三国協商の間で戦争が起こりました。第一次世界大戦です。はじめはオーストリアとセルビアの二国間の戦争でしたが、結果的に色々な国を巻き込んだ戦争に発展しました。

では次のイラストをもとに、第一次世界大戦が本格化するまでの流れを紹介します。

[1]当事国同士の争い(オーストリア vs セルビア)

オーストリアの皇太子夫婦をセルビア人が暗殺した「サラエボ事件」をきっかけに、オーストリアがセルビアに宣戦布告しました。この二国が、第一次世界大戦の当事国です。

[2]同民族の参戦(ロシア)

セルビアと同じく「スラブ民族」のロシアが、セルビアを支援するために参戦します。なお、民族についての問題はこの先で詳しく解説します。

[3]大国が参戦(ドイツ/イギリス・フランス)

オーストリア、そしてロシアとそれぞれ軍事同盟を結んでいた大国も戦いに加わりました。具体的には、オーストリアと三国同盟を結んでいたドイツ、ロシアと三国協商を結んでいたイギリスとフランスが参戦します。

[4]その他の国の参戦(日本・アメリカ)

第一次世界大戦には、日本も協商国側の一員として参戦しました。なぜ、ヨーロッパで起きた戦いに参戦したのでしょうか? それは、日本がイギリスと「日英同盟」を結んでいたからです。そしてアメリカ人が多く乗っていた船をドイツの潜水艦に攻撃されたことをきっかけに、アメリカも協商国側に協力しました。

同盟・協商までの背景を理解しよう

三国同盟と三国協商が成立するまでには、多くの要素が複雑に絡み合っています。ここでは、次の3つの背景を紹介します。

三国同盟と三国協商が成立するまで

  1. 世界中の国が「帝国主義」を掲げていた
  2. フランスとドイツの関係が最悪だった
  3. ゲルマン民族とスラブ民族の対立

【背景1】世界中の国が「帝国主義」を掲げていた

まず押さえておきたいのは、20世紀初頭は世界中の国が「帝国主義」を掲げていたということ。帝国主義とは、ザックリいうと「武力でガンガン領土を広げること」を指す言葉です。

20世紀前半は、イギリスもフランスも、そしてドイツもロシアも、さらには日本も帝国主義。これらの国々は、武力を使って領土を広げる政策を取っていました。特にヨーロッパの国々は自国の領土を広げるために戦争を繰り返し、アジアやアフリカにまでその矛先を向けていました。

このとき、世界中に植民地を広げたのがイギリスとフランスです。そして、両国ともヨーロッパを代表する大国同士。お互いに戦争が起きたら大変です。さて、このような状況で何が起こったでしょうか? そう、たくさんの軍事同盟が結ばれたんですね。「お互いに侵略するのはやめましょう」「領土を広げるときは協力しましょうね」といった形で、イギリスとフランスをはじめ、国と国の間で多くの約束ごとが交わされていったのです。このような流れのなか、三国同盟や三国協商が結ばれました。

【背景2】フランスとドイツの関係が最悪だった

三国同盟と三国協商が結ばれるちょっと前、ドイツとフランスの間で戦争が起こります。1870年に起きた「独仏(普仏)戦争」です。


「自国周辺を統一したい」と考えるドイツと、「ドイツの拡大が気に入らない」と考えるフランスの間で起きたこの戦争がきっかけで、フランスとドイツの関係は最悪に……。その後の三国同盟や三国協商の枠組みに、両者の関係は大きく影を落としました。

【背景3】ゲルマン民族とスラブ民族の対立

世界の歴史をみると、同じ民族内で争うケースは少なく、基本的には同じ民族同士が団結してほかの民族と争うことが一般的です。これはヨーロッパも例外ではなく、たとえばゲルマン民族とスラブ民族に注目すると次のような位置関係となり、それぞれの民族は強い結束で結ばれている一方で、お互いを強くにらみあっていました。

三国同盟の一角を担うドイツとオーストリアは、ゲルマン民族が中心となってできた国です。一方で三国協商に加盟するロシアは、スラブ民族がその中心。つまり三国同盟と三国協商の枠組み、そして第一次世界大戦の背景には、こうした民族間の問題も影響していたのです。

まとめ

20世紀初頭の世界情勢はかなり複雑ですが、特に第一次世界大戦前の三国同盟と三国協商の関係性は覚えにくいですよね。こうしたときは細かい知識はさておき、まずは全体像をシンプルに理解することが大切です。お伝えしたふたつのポイントをもとに、三国同盟と三国協商の理解を深めていきましょう。

三国同盟と三国協商のポイント

  • 国名ではなく地図で理解する
  • 同盟・協商までの背景を理解する

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

小学生の息子と娘を持つ2児の父親。某電気メーカーでシステムエンジニアの仕事をしながら息子の中学受験を成功させ、今度は娘の受験生活に奮闘中。親としての受験活動の中での気づきや実践している工夫に加え、自らの失敗談からの役に立つ情報をブログで発信しています。

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