小学校のころから成績優秀、真面目で生活態度もよかった山本翔くん(仮名・中学生)。歳の離れた小さな妹が2人いる、優しいお兄ちゃんです。小4から塾に通い始め、成績も安定していました(前編はこちら)。次第に両親も「都立一貫校に」と願うようになります。本人もそれを受け入れて努力を続けましたが、公立中学受験の現状は熾烈でした。
- 小学校の成績キープを目的に小4夏に入塾。当初 中学受験意向はなし
- 塾の指導方針で、受験を意識するように
- 塾の対応には満足していたものの、厳しい現実が……
- 母・恵子さんの不安と葛藤
- 都立一貫校一本の受験から安田学園の併願
- 安田学園の入試に4度挑む
- いよいよ都立白鴎中の受験の日
- 進学先を決めた「僕の3年間を無駄にしたくない」のひとこと
母・恵子さんの不安と葛藤
第一志望は都立白鴎高等学校附属中学。しかし、模試の成績は芳しくありません。翔くんも受験勉強のストレスから、テキストを切るなどトラブルを起こすようになります。「どうしても嫌なら受験をやめてもいい」 。母・恵子さんは、翔くんにそう言いながらも、「親の方もここまで乗ったレールから降りることにためらう気持ちが生まれた」といいます。