中学受験ノウハウ

山地を境に異なる? 中国地方と四国地方の気候と農業

2019年2月08日 紙井昇

中国地方と四国地方は、それぞれ山地を境に気候や農業が大きく異なります。今回は、その理由について解説するとともに、南中国・北中国・南四国・北四国の特色について紹介します。中国地方・四国地方の地理は入試頻出事項なので、しっかりと押さえておきましょう。学習する際には、ただ用語を暗記するのではなく、「なぜそうなるのか」仕組みや理由をしっかりと理解することがたいせつです。

中国山地を境目にして、気候が異なる中国地方。その特徴とは

中国山地を境として、南北で気候が大きく異なる中国地方。日本海に面する北側を「山陰地方」、瀬戸内海に面している南側を「山陽地方」といいます。ここでのキーワードは雨や雪を降らせる風「季節風」です。

山陰地方は季節風の影響を受ける「日本海側気候」

山陰地方の気候を「日本海側気候」と呼びます。冬には北西から強い季節風が吹くため、雨や雪が多く降ります。漁業が盛んで、ズワイガニやアジ、ブリなどがよく水揚げされることで知られています。

山陽地方は雨が少ない「瀬戸内海式気候」

中国・四国地方は夏に南東から、冬に北西からの季節風が吹きますが、山陽地方は中国山地と四国山地にはさまれているため風の影響を受けにくいです。山陽地方の「瀬戸内海式気候」は、年間を通じて晴れの日が多く、降水量が少ないのが特徴。果物の生産が盛んで、広島県ではみかん、岡山県ではももやぶどうがつくられています。

南四国地方の特色は? 四国地方の農業や気候についてチェック

南四国は山陽地方同様に雨が少ない地域です。ここでは、南四国地方の農業の特色についてチェックしていきます。

香川県では水不足対策として「ため池」が活用されていた

四国側の瀬戸内海に面しているエリアも山陽地方同様に雨が少なく、人々は水不足との闘いに知恵を絞ってきました。その一例が香川県讃岐平野に見られる「ため池」。水を溜めて、農業用水として使えるように整備した人工的な池です。現在、県内には14,000以上ものため池があり、ため池密度は全国1位。 また、小麦は比較的乾燥に強いことから、香川で栽培されるようになり、それがさぬきうどん文化に発展していきます。

南四国地方では温暖な気候を生かした促成栽培が盛ん

四国山地の南側「南四国地方」の気候は比較的温暖です。その理由は、高知県の南海域を流れる暖流の「日本海流」にあります。この暖流により南四国地方には温かい湿った空気がもたらされ、気温が上がり、降雨量も多くなります。

この温暖な気候を活かし、高知県では古くから特徴的な農法が取り入れられてきました。かつては1年に2度同じ作物をつくる二期作がおこなわれており、現在ではビニールハウスを使った促成栽培(温暖な気候を生かして、作物の成長を早めて通常よりも短期間で栽培・収穫する農法)が有名です。2017年、ししとう・なす・しょうがの都道府県別生産量は高知県が1位です。

用語をただ暗記するのではなく、その土地の気候や文化も一緒に覚えよう

  気候 農業 漁業
山陰

日本海側気候

→北西から吹く季節風の影響を受ける

二十世紀梨(鳥取県)

らっきょう(鳥取県)

→鳥取砂丘の特徴を活かした農業が特長。

ズワイガニ(鳥取県)

ぶり(鳥取県)

さば(鳥取県)

→鳥取県の境港が有名。日本海の沖合・遠洋漁業が主流。

山陽(瀬戸内)

瀬戸内海式気候

→雨が少なく、比較的温暖。山に挟まれているため、季節風の影響を受けづらい。

ぶどう(岡山県)

もも(岡山県)

みかん(広島県・愛媛県)

→少雨の活かした果物の生産が盛ん。

カキ(広島県)

真鯛(愛媛県)

フグ(山口県下関)

→瀬戸内海は穏やかなので、養殖業が盛ん。

南四国

年間を通じて温暖

→黒潮と南東の季節風の影響を受ける。夏は降水量が多くなる。

なす(高知県)

ししとう(高知県)

ピーマン(高知県)

しょうが(高知県)

→温暖な気候を活かした、促成栽培が盛ん。

カツオ(高知県)

マグロ(高知県)

→高知県の室戸岬が有名。暖流に乗ってくる魚が多く水揚げされる。

中国・四国地方の気候や文化を理解するために欠かせない「中国山地」。地理的にも歴史的にも重要で、昔から人々の生活に大きな影響を与えてきました。 暗記教科になりがちな地理分野ですが、用語をただ覚えるだけでなくその周辺知識と関連づけて学んでいくことで応用力がつきます。たとえば、「中国山地」という用語をただ暗記するのではなく、「山を境に気候が変わる仕組み」を理解しておけば、農産物や雨温図の問題にも対応することができます。点ではなく、線や面として学んでいくことを意識しながら学習を進めていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

大学時代に教職課程を履修し、高等学校英語科の教員免許を取得。また、大学在学中に学習塾で、中学、高校、大学の受験指導を経験(国語、英語を中心に担当)。受験生の頃からの受験参考書マニアで、塾講師時代には国語、英語を中心に各社の参考書を買いあさり、分析していた経験を持つ。現在はその経験をもとに、受験勉強や参考書レビューなどの記事を執筆中。