学習 算数

何通りあるかを計算で求めよう! 「場合の数」が苦手な小学生のための公式の使い方

2018年7月13日 みみずく

ある事柄が起こる場合を全て数え上げて、「何通りあるか?」を求めるのが「場合の数」です。全ての場合を書いて数えれば正解は出るはずですが、地道に数えていると抜け漏れが生じてしまうこともありますし、時間的に全ての場合を数え上げるのが難しい設問になっていることもあります。こうした設問に対応するためには、場合の数を計算で解く方法を知っておくといいでしょう。今回は、小学生でも理解できる「場合の数の計算方法」を紹介します。

順列の公式Pはどういう意味?

場合の数の問題は、並び順を考える「順列」と、並び順を考えない「組合せ」に大きく分かれます。まずは、次の問題を考えてみましょう。

1、2、3、4、5の書かれた5枚のカードから2枚を取り出して2桁の整数を作ります。全部で何通りの整数ができますか。

たとえば、「1」と「2」という2つのカードを並べたとき、12と21は別の整数になるので、並び順を考えなければならない「順列」の問題だとわかります。小学校の算数の授業では、順列の問題は樹形図(全ての場合を枝分かれで表した図)を描いて数え上げます。

樹形図から答えは20通りです。一番左側の1で始まる図を描いて、「これと同じ図が5つできる」と気づけば、4×5=20(通り)と答えを求めることもできます。

では、樹形図を描かずに答えを求める方法はないのでしょうか? 高校数学では次の公式を学びます。

異なるn個のものからr個取り出して並べる順列は、nPr

Pは「パーミュテーション」といいます。難しそうな公式ですが、多くの中学受験生はこの公式と同じ方法で計算しているはずです。上の問題を次のように考えてみましょう。

十の位に来る可能性のある数は1~5の5通り。一の位に来る可能性のある数は、十の位で使った数を除いた4通り。積の法則より5×4=20(通り)

ある事柄Aの起こり方がa通りで、それぞれの場合について、他の事柄Bの起こり方がb通りあるとすると、AもBも起こる場合の数はa×b通りになります。これを積の法則といいます。上の問題では、十の位の数字が1~5の5通りです。そして、たとえば十の位が1のとき、一の位は2~5の4通りです。このように十の位が1~5のそれぞれについて一の位が4通りあるので、5×4という積の法則が成り立ちます。この5×4が 5P2 (異なる5個のものから2個取り出して並べる順列の公式)の正体です。

組合せの公式Cを使ってみよう

一方、並び順を考えない場合の数を「組合せ」といいます。次の問題が組合せの問題です。

A、B、C、D、Eの5人の中から2人の書記を選ぶとき、選び方は全部で何通りありますか。

このとき、さきほどの順列と異なるのは、ABという選び方とBAという選び方が同じと考えるという点です。このことに注意して樹形図を描くと次の通りです。

樹形図から答は10通りです。このような組合せの問題でも、高校数学では次の公式を使います。

異なるn個のものからr個を選ぶ組合せは、nCr

Cは「コンビネーション」といいます。組合せの公式は便利なこともあり、多くの中学受験塾でも教えているようです。では、改めて上の問題を題材にしながら、組合せの公式の仕組みを理解しましょう。

A、B、C、D、Eの5人から書記1と書記2を選ぶとすると、順列になるので 5P2 =5×4通り。しかし、実際は書記1と書記2が同じものなので、(書記1、書記2)という並び順と(書記2、書記1)という並び順は2通りではなく1通りである。したがって、5×4÷2=10(通り)

5人から2人を選ぶ組合せ 5C2 は、5人から2人を選んで並べる順列 5P2 =5×4を2人の並び順である2×1でわった式で表せます。

同じように考えて、5人から3人を選ぶ 5C3 は、 5P3 =5×4×3を3×2×1でわります。また、10人から4人を選ぶ 10C4 は、10P4 =10×9×8×7を4×3×2×1でわります。Cを使うと、複雑になりがちな樹形図を描かずに答を求められるので便利です。

「どうしてこうなるのかな?」と考えながら問題を解こう

PやCの公式は便利です。しかし、これらの公式がどうして成り立つのかを理解しないまま使っていると、公式を使えない問題と出会ったときに大失敗します。公式に当てはめて計算するだけでなく、「どうしてこうなるのかな?」と考えながら問題を解くことが大切です。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

家庭教師/ライター。墨田区・台東区を拠点に活動している個人家庭教師。家庭教師を本業としつつ、ライターとしても活動しています。モットーは「好きな人を応援する」。小学生の指導科目は国語・算数(数学)・英語・理科・社会・作文など。「楽しく学びながら、中学の準備をする」ことを目標に指導をおこなっています。

Webサイト:みみずく戦略室 墨田区・台東区のプロ家庭教師&ライター
https://mimizuku-edu.com/

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