連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

どこへ行く? 何をする? GWは遊びで学ぶチャンス!|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2019年4月15日 石渡真由美

もうすぐGWがやって来ます。新しい時代「令和」が始まる2019年のGWは、なんと10連休! これまでにない長期休暇をどう過ごそうかとあれこれ考えているご家庭も多いことでしょう。6年生にとっては大事な時期ではありますが、今から根を詰めて勉強していては、本番前に息切れしてしまいます。適度なリフレッシュも必要です。まだ時間がある4、5年生は、この期間にぜひさまざまな体験をしましょう!

10連休 ハワイへ行くならオアフ島よりハワイ島へ

今年のGWはかつてない長期休暇で、海外旅行へ行く家庭も多いようです。家族で行く海外旅行といえば、ハワイが人気ですが、ひとくちに「ハワイ」といっても、その魅力は多岐に渡ります。

高級ホテルのプールやビーチで泳ぎ、ショッピングやグルメを楽しむのもいいけれど、「中学受験」を視点に置いてみるのなら、ビーチやショッピングが魅力のオアフ島よりも、自然豊かなハワイ島を訪れることをおすすめします。

ハワイ島には、現在も噴火を続けているキラウエア火山国立公園、日本の天文台「すばる」があるマウナケアなど、見どころがたくさんあります。こうしたダイナミックな自然を目の当たりにできるのは、子どもにとって大きな魅力です。

火山や天体は、中学受験の理科入試にもよく出題されます。これらの知識は塾でも学習しますが、ただ先生の話を聞いても、興味がなかったり、実感がともなっていなかったりすると、頭に入りにくいものです。

でも、自分が実際に見たものであれば、「あの時、ハワイで見た火山はすごかったなぁ~。へぇ~、火山活動ってこんなふうに行われているんだぁ~」と自分の体験と照らし合わせながら、興味を持って学習できます。

小学生の子どもにとって、“本物”を見ているか見ていないかはとても大きく、学びの姿勢も変わってくるのです。

「日本って案外広いんだなぁ~」「頼朝はよく考えたなぁ~」自分の体験で得た知識は忘れない

国内にも魅力的なスポットはたくさんあります。私のおすすめは青森県の下北半島です。以前、レンタカーを借りて半島を回ってみたことがあるのですが、この地域には奥入瀬渓谷や仏ヶ浦の奇岩など見どころが満載です。

入試に出る確率としては低いかもしれませんが、世界の中では小さい日本も、青森県の半島ひとつを回るだけで2、3日は必要で、「日本って案外広いんだなぁ~」と実感すると思います。さまざまな地形や自然を体感することで、少しでも理科や社会に興味が広がれば、これほど有意義な家族旅行はありません。

そこまで遠出をする時間も予算もないというご家庭は、近場でもいいと思います。例えば、東京から電車で1時間の距離にある鎌倉は、鶴岡八幡宮や大仏で有名な観光地ですが、自然を楽しむハイキングコースも充実しています。

鎌倉には「天園ハイキングコース」や「葛原ヶ岡・大仏ハイキングコース」など、いくつかのハイキングコースがあります。どのハイキングコースも自然の道ですが、ゆるやかなアップダウンで歩きやすく、この時期におすすめです。

源頼朝が幕府を開いた鎌倉は、東・西・北の三方が山で、南に海があります。こうした地形を生かし、敵からの攻撃を守ってきました。塾の授業でもそのことは触れますが、ハイキングコースの高台から改めてその地形を確認すると、「なるほど、頼朝はよく考えたなぁ~」と感心させられます。大人の私でも感動するのですから、小学生の子どもならなおさらです。こうして自分の体験を通して得た知識は、忘れることはありません。

博物館&科学館 子どもに興味を持たせたいなら、まずは親自身が楽しむ

博物館や科学館もおすすめです。しかし、多くの親御さんは、子どもを連れて行けば、勝手に興味を持つだろうと思い込んでいます。たしかに最初はわくわくするでしょう。しかし、それをいいことに、親がベンチでスマホをいじっていたりすると、子どもの興味は途端に薄れてしまいます。子どもを「理科好きにしたい」「物知りにしたい」と願うならば、まずは親御さんがその姿勢を見せなければいけません。

博物館や科学館には、展示物について書かれた解説があります。しかし、「ここに解説が書いてあるから、読んでみな」といわれて、じっくり読む子はそう多くはいません。なぜなら、子どもにとって文字を読むことは、必ずしも楽しいことではないからです。

でも、お父さんやお母さんが率先して読み、「へぇ~、なるほどね~」「これはすごいな」と興味・関心を示すと、「えっ? 何なに? 何かおもしろいことが書いてあるの?」と知りたくなり、自ら解説を読むようになります。

GWは机上の学習から離れ、子ども達をぜひこういうところへ連れて行ってあげてください。「人が多いところに行くのは嫌だなぁ~」「休みの日くらいゆっくりしたいよ」と思う親御さんの気持ちもわかりますが、そこはグッと我慢。子どもを勉強好きにする絶好のチャンスだと信じて、有意義な休暇にして欲しいと思います。


これまでの記事はこちら『今一度立ち止まって中学受験を考える

※記事の内容は執筆時点のものです

宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)
『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)
『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)
『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。