学習 社会

【土偶と埴輪の違い】中学入試で問われるポイントを徹底解説

2019年5月08日 ゆずぱ

「大昔の日本で粘土を焼いて作られた人形」このヒントから何を思い浮かべましたでしょうか? これだけでは土偶を指しているのか、埴輪を指しているのかわかりませんよね。

息子に聞くと「写真を見れば区別できる」と豪語するのですが……残念ながら中学入試では写真がヒントとなることはあまりないようです。

中学入試では土偶と埴輪の違いについてよく問われます。しかし、ポイントをおさえると両者の区別が驚くほどはっきりします。入試の出題パターンもあわせて紹介します。

なぜ土偶と埴輪を混同してしまうのか?

まずはなぜ土偶と埴輪を混同してしまうのか、理由を探りたいと思います。実際に中学受験生だった小学6年生の子供に聞いてみたときは、意外な答えが返ってきました。「混同しないでちゃんと区別ができている」というのです。

「写真を見れば判断できる」が大きなワナに

多くの子供は、写真を見れば土偶なのか埴輪なのか区別できるのではないでしょうか? 私の息子も写真を見せれば100%区別できました。しかし、問題はそこにあります。「写真を見れば判断できるので、違いがわかっている」と安心してしまっているんです。

私がここ数年の中学入試問題を調べてみた限りでは、写真や絵がヒントとして出される土偶と埴輪の問題を見つけることができませんでした。つまり、写真を見て区別できることは中学入試ではあまり役に立たない可能性があるのです。

外見以外の違いを比べたことがない

子供は土偶と埴輪を写真で区別できてしまいます。そのため、大切な知識である「作られた時代」や「作られた目的」といった外見以外の違いを比べようとしません。しかし、中学入試の出題パターンを分析してみると、外見以外の違いを知っておくことが大切だとわかります。

土偶と埴輪は似ているようで全く異なる

両方とも「粘土を焼いて作った人形」であることから似ていると考えられてしまう土偶と埴輪。実はたった3つの違いをおさえておくだけで、シンプルに理解することができます。3つの違いとは以下の通りです。

1. 作られた時代
2. 作られた目的
3. 造形の対象

土偶と埴輪の違い1: 作られた時代が違う

まずは作られた時代の違いです。

土偶は縄文時代に作られたもので、埴輪は古墳時代に作られたものです。確かに両時代とも現代から見れば同じ大昔の日本。しかしながら紀元前に狩りや漁を中心としていた縄文時代と、稲作が発展した結果食料が安定し、豪族が力をもった古墳時代は数百年も違う時代です。

※各時代の始期と終期は諸説あり

土偶と埴輪の違い2:作られた目的が違う

次は作られた目的の違いです。

作られた目的は諸説あるため有力とされるものを紹介します。当然中学入試でも知識問題ではなく、見つかった状況が示されたうえで目的を考えさせる問題として出題されます。

土偶は女性をモデルにしたものが多いです。そのため安産の祈りや豊穣の祈りとして作られたという説があります。また一部が意図的に壊された状態のものが多いことから、怪我や病気を治すおまじないの目的で作られたという説も。諸説あるため、必ず根拠とセットで考えましょう。

埴輪は古墳の周りに置かれていることから、死者を弔(とむら)う目的で作られたという説があります。また古墳を囲うように置かれていることから、聖域を囲む柵をつくる目的だったという説もあります。

事実はわからないので根拠から論理的に考える思考が大切ですね。

土偶と埴輪の違い3 :造形の対象が違う

最後は造形の対象、つまりモデルの違いです。

土偶は主に女性をモデルとして作られています。男性がモデルのものや動物がモデルのものもあるようですが出土数は少なく、一般的には女性がモデルとなっています。

一方、埴輪は人物だけではなく馬などの動物や武器、家などさまざまなものがモデルになっています。ものの形をかたどった埴輪以外にも、円筒の形の埴輪もあります。

3つの観点で土偶と埴輪を見てきましたが、違いはわかりましたでしょうか? それではいよいよ中学入試における出題パターンの解説をしたいと思います。

入試で問われる3つのパターン

近年の中学入試の過去問を分析した結果、出題パターンはおおむね次の3パターンあることがわかりました。

1. 土偶と埴輪の混同を誘う正誤問題
2. 作られた目的を考えさせる問題
3. 史料としての埴輪を問う問題

ひとつずつ紹介します。

土偶と埴輪の混同を誘う正誤問題

まずはシンプルな正誤問題です。

選択肢のなかに土偶や埴輪が登場する記述があり、誤っているものや正しいものを選択させる問題です。「作られた時代」「作られた目的」「造形の対象」の3つの視点で正しいか間違っているかを判定すれば簡単に解くことができます

作られた目的を考えさせる問題

次は作られた目的を考えさせる問題です。繰り返しになりますが作られた目的には諸説あり、真実は誰も知りません。そのため中学入試問題では、考えられる根拠とセットで出題されます。根拠をもとに論理的に考えて適切な目的を選択肢から選ぶことで得点できます

史料としての埴輪を問う問題

最後は史料としての埴輪を問う問題です。

埴輪は人物だけではなく、家や武器、動物など色々な形状をしたものがあります。これらの形状からその時代の様子がわかります。つまり埴輪は、当時の生活の様子を知るための大切な史料だということです。

中学入試では、埴輪が史料として貴重なものであるということを答えさせる問題が出題されています。

まとめ

今回は混同しがちな土偶と埴輪の違いについてまとめてみました。もし子供が写真を見れば区別できると考えていた場合は要注意です!

中学入試では、写真から土偶や埴輪を答えさせる問題はほぼ出題されていません。

しかしながら、3つの観点で土偶と埴輪の違いをおさえておけば簡単に問題を解くことができます。違いはとてもシンプルなので、ぜひ子供と確認してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

合わせて読みたい