中学受験ノウハウ 親の関わり方

中学受験経験がある親だからできる、受験への関わり方と注意点

2019年6月04日 稲石加奈

親御さんのなかには、ご自身が中学受験の経験がある方も多いと思います。自分の経験をもとに、中学受験を目指す子供をサポートしてあげたいですよね。この記事では中学受験を経験した親御さんに、受験への関わり方と、気をつけたいことを紹介します。

経験した親だからできる子供との関わり方

 中学受験を経験していない親が子供の勉強の苦しみに寄り添おうとすると、どうしても「受験をしていないのに自分の気持ちがわかるはずがない」とかえって反発を買ってしまうことがあります。わたしが塾講師として担当していた生徒では、小学5、6年生の時期にそうした傾向が顕著でした。

中学受験をしたことがない親は、なんとか子供の気持ちを理解しようと、手探りでサポートしています。一方で「5年生で勉強につまずくことは、自分にもあったよ」と、子供と同じ目線でつらい気持ちを理解できるのは、中学受験の経験がある親ならではの強みです。

同様に「中学受験の経験や、中高の生活が大人になった今活きていること」を、子供に話してあげられるのも強みといえます。「いま楽しく仕事ができているのは、中学受験の経験と、中高多くの子供は学んでいることが将来にどうつながるのかといった、長期目線で考えることが苦手です。親の実体験をもとに、リアルな話ができれば、前向きに受験勉強を捉えるヒントを与えられます。

経験した親だからこそ気をつけたいこと

気をつけたいことは、私立中学の偏差値などの評価です。これは時代によって変わります。しかし、学校情報の知識が昔のままだと、現在はクリーンなイメージの学校を、「昔はイメージが良くなかったから」という理由だけで、子供の志望校を変更してしまうこともあります。最新の学校情報は専門誌やインターネットを通して集め、過去のイメージを引きずらないようにしましょう。

たとえば、かつては中堅校だった本郷中学は上位校へと飛躍していますし、校名を改めて学校運営を見直したことで偏差値を上げている学校も少なくありません。「渋谷女子」は「渋谷教育学園渋谷」に校名を変えたことを機に、上位校に名を連ねるようになりました。かつて「東横学園」だった「東京都市大学等々力」、「日本橋女学館」だった「開智日本橋学園」なども同様です。

また、「なにがなんでも自分の出身校に通わせたい」と考える親御さんは珍しくありません。自分の成功体験から、子供にも同じように成功してほしいと願うためでしょうが、親と子供では向いている学校が違うことは当然考えられます。

親の出身校に行くことを目標づけられている生徒のなかには、「勉強したくない」が口癖の生徒もいました。自分が行きたいと思える学校に出会えれば、前向きに勉強を頑張れます。受験校を選ぶときは、まず子供にあった学校を一緒に考えてあげましょう。

価値観にとらわれず、子供が前向きになれる行動・声掛けを

 子供が受験勉強で壁にぶつかったときや、勉強する意味を見失いかけているとき、親自身の中学受験経験は役に立つものです。一方的にアドバイスを押しつけるのではなく、わが子の努力を認めながら、一歩ずつ前進できるようにサポート役に徹したいですね。中学受験は成功体験がある親ほど、「子供に自分と同じ道を歩んでほしい」という気持ちが強くなりがちですから、くれぐれも価値観を押しつけないように注意しつつ、子供の適性にあった学校を一緒に選んであげましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。