公立中高一貫校向け「適性検査型模試」を選ぶポイント
公立中高一貫校の適性検査型模試はどのように選べばよいのでしょうか。私立中学校向けに比べてわかりにくく感じる「適性検査型模試」を選ぶポイントをお伝えします。
Contents
適性検査型模試が「わかりにくい」理由
首都圏の私立中学を目指す子が受ける模試は、大手塾が主催する模試が一般的です。大手塾に通っている子であれば、その塾の模試を受検勉強の“ペースメーカー”として受けることになります。中小塾でも、大手塾が主催する模試を指定して受けさせているようです。難関校や中堅校といった難易度別に開催される模試、受検校の対策に特化した模試をプラスして受けることもあります。
私が中学受検を意識しはじめたころ、こうした私立中学の模試の特徴について理解するのは比較的簡単でした。一方で、公立中高一貫校向けの適性検査型模試は、どれを選べばよいかわかりづらさを感じました。
「一般的な模試受検モデル」がない
実は適性検査型模試は、塾主催かどうかを問わず、私立中学向けの模試に比べて種類が多いといわれます。「公立中高一貫校対策コース」を開設する塾が増えていること、公立中高一貫校自体も年々新しく開校していることから、今後も種類が増えることが予想されています。
一方で、公立中高一貫校が生まれてから日が浅いこともあり、1年間に実施される適性検査型模試の実施回数は、私立中学向け模試に比べて少ないのが現状です。「いつ、どの適性検査型模試を受けたらよいのか」といった情報も錯綜しています。つまり「模試の種類が多い一方で、受けられる回数が少ない」といった、適性検査型模試ならではの特徴を踏まえた“一般的な模試受検モデル”がないことが、「わかりずらさ」を生み出している要因といえるのです。
受検者総数や受検者層がハッキリしないことも
適性検査型模試を子供が受けた私の印象として、「受検者総数」や「受検者層」をハッキリと明記していない模試もありました。ちなみに、わが子が模試を受ける日に担当の方に聞いても、やんわりとごまかされ、教えてもらえなかった模試もあります。
無料模試にも種類があり、どれを受ければよいか迷う
6年生になると、私立中学向け模試は無料で受けられるものはほぼありません。しかし適性検査型模試では、6年生になっても無料で受けられる模試があります。
せっかくなら無料で受けたいと思うものですが、適性検査型模試は種類が多いこともあり、どれを受ければよいか迷ってしまうことも。私が知る限り、無料の適性検査型模試でも以下のように特徴はバラバラです。
模試A:具体的な学校名が模試の名称に入っている
模試B:塾の「志望校特訓講座」の入室テストを兼ねている
模試C:模試結果の分析資料が充実している
模試D:模試返却時に、模試を主催する塾の講師と面談ができる
適性検査型模試を選ぶポイント
では、適性検査型模試はどのように選べばよいのでしょうか。わが子が公立中高一貫校に進学した私の経験から、おすすめの模試の種類と選ぶポイントをお伝えします。
どれを受けるか迷ったときは……
私がおすすめする適性検査型模試は、以下の2つです。
・志望する学校名が模試の名称に入っている(例:『○○中学校対策模試』)
・地域別、都道府県別の模試(例:『首都圏版 公立中高一貫校対策模試』)
志望する学校で出題される問題を模した模試であれば、問題演習に適しています。間違えた問題を解き直すことで、弱点も対策しやすいでしょう。地域別や都道府県別の模試は、その地域の公立中高一貫校の出題傾向を踏まえた模試になっている可能性があります。
「受検特典」で選ぶのもひとつの手
「受検特典」で模試を選ぶのもひとつの手です。一般的に、適性検査型模試にも受検勉強に役立つ以下のような特典がついています。
・解答、解説
・成績表
・解答用紙の添削サービス
・復習問題の配布
子供が模試を受けている時間を使って、保護者向けに説明会や講演会を開催する模試もあります。志望校の隣接地域でおこなわれる模試だと、説明会のなかで志望校の学校紹介がされることも。こうした「保護者向け説明会」や模試終了後に配られる資料は、貴重な情報源です。
公立中高一貫校を検討する家庭は、突然思い立って受検を決めることが少なくありません。そのため準備期間が短く、情報が足りないこともあります。振り返るとわが家も受検を甘く考えていたところがあり、説明会を聞くことで“喝”を入れられていました。公立中高一貫校への準備期間が短い家庭こそ、適性検査型模試を演習の場としてだけでなく、情報収集の一貫として活用できるとよいですね。
適性検査型模試は、親子で「選び取ること」が大切
わが家は、子供がまだ通塾していなかった頃から「6年生になったらこの模試を受けよう」と決めていた模試がありました。しかし、5年生の3月から通い始めた塾が主催していた適性検査型模試は、わが家が決めていた模試ではなかったんですね。
ただ塾の模試より、受けようと決めていた模試のほうが受検者が多く、子供が志望していた学校の入試問題を意識して作成されているように感じられました。そこでわが家では塾の模試は受けず、別の模試を一貫して受け続けることに。
この選択は、模試を受けたあとの子供の様子や成績の伸び、実際に志望校に合格したことからも正しかったのかな、と思っています。ちなみに私は、塾主催とは別の模試の成績を、塾の担任の先生に毎回提出していました。いま思うと、我ながら度胸があったなと思います(笑)。
とはいえ、わが子が通った塾は、途中入塾にも関わらずいつも丁寧に接していただき、模試の結果が今ひとつのときの子供への接し方、提供される受検情報もさすがプロだなと感じていました。しかし、公立中高一貫校向けの模試に関しては、“模試受検モデル”が確立していないことからも、わが子に最も適した模試を親子で選ぶことが大切だと思います。
手探りでも、模試情報を集めよう
適性検査型模試は、まだまだ情報が少ないのが現実です。でも貴重な時間を使って受けるからには、しっかりとした効果が手に入る模試を受けたいですよね。そのためには、多少手探りになることは覚悟で、わが子にあった模試は何かを考え、探していくことが大切です。今回お伝えしたポイントをもとに、適性検査型模試を活用してみてくださいね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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