【中学受験の理科攻略】低気圧と水蒸気――雨はどうして降るの?
「なぜ雨が降るのか」という質問に答えることはできますか?「気圧」「水蒸気」をキーワードに、雨が降る理由をイメージが浮かぶように解説します。
気圧とは「空気がモノを押す力」
雨が降る理由を理解するためには、「気圧」と「水蒸気」のイメージを頭に浮かべられるようになることが必要です。まずは、気圧から説明しましょう。
私たちの身の回りには、いつも空気がありますよね。この空気は「濃さ」が常に変化しています。空気が濃いところでは、空気がモノを押す力が強くなり、空気が薄いところでは空気がモノを押す力は弱くなります。
この“空気がモノを押す力(圧力)”のことを「気圧」といいます。そして空気が濃いところを「高気圧」、空気が薄いところを「低気圧」といいます。
・空気が濃い(=空気がモノを押す力が強い) ⇒ 高気圧
・空気が薄い(=空気がモノを押す力が弱い) ⇒ 低気圧
実は雨には、この「低気圧」が大きく関わっているのです。
空気中の水蒸気
次に、水蒸気について理解しましょう。空気のなかには、目に見えませんが「水蒸気」(水が気体になったもの)が入り込んでいます。水を温めると水蒸気になり、水蒸気は冷やすと水になります。同じように空気中の水蒸気は、冷やされると「水(水滴)」として出てきやすくなります(※)。これも、雨が降る理由を理解するために必要なイメージです。
※本来は「気温が下がると空気中に含まれる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が下がるため、そこに含みきれなくなった水蒸気が水滴となって出てくる」というのが正しい流れですが、今回は簡単な説明にしています
ところで水蒸気が冷やされて水滴になったものを、理科の世界では「露(つゆ)」といいます。この露ができる現象を「結露(けつろ)」、露ができ始める温度を「露点(ろてん)」といい、中学受験の理科でよくでてくる用語です。あわせて頭の片隅に置いておきましょう。
雨が降る理由
では、いよいよ雨が降る理由について説明します。
まず低気圧(空気が薄いところ)があると、低気圧の中心に向かって空気が流れ込んできます。「空(す)いているほうが楽だ」というイメージを持つとよいですね。このときの空気の移動を「風」といいます。
こうして、低気圧の中心にどんどん新しい空気が流れ込みます。しかし、空気はもとの方向には戻れません。下にも地面があり進めません。そこで唯一、あいている「上」に向かって移動することになります。この上向きの空気の流れを「上昇気流」といいます。そして上昇気流に乗って、空気中にある水蒸気も空高く運ばれていきます。
上空は寒いので、空気中の水蒸気は冷やされて細かい水滴になり、上昇気流に支えられて空気中に浮かびます。この細かい水滴の集まりが「雲」です(同じく細かい水滴が浮かんでできるものに「湯気」「霧(きり)」があります)。
雲は水滴の集まりなので、いつかは大きな水滴となって落下してきます。これが「雨」というわけです。
【参考】中学生向けですが、さらに詳しい説明は以下の動画を参考にしてみてください
■学びエイド
https://www.manabi-aid.jp/lesson/id/3912/35017
■TryIT(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=AayQ5cmCGyk&t=23s”
雨が降る理由をイメージして、「気圧」「水蒸気」の理解も進めよう
簡単にまとめると、雨ができる理由は次のようになります。
低気圧の中心に向かって風が吹く
↓
低気圧の中心で空気がぶつかって「上昇気流」ができる
↓
水蒸気も一緒に巻き上げられる
↓
水蒸気が上空で冷やされて水滴(雲)ができる
↓
水滴が集まって落下、これが「雨」になる
雨が降る理由をイメージできるようになると、「気圧」「水蒸気」といった単元も理解しやすくなりますよ。
※記事の内容は執筆時点のものです
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