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パズルで学ぶ!「算数脳」の鍛え方とおすすめパズルを紹介

2020年5月28日 福井俊保

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算数ができるようになるためには、いわゆる「算数脳」と呼ばれるものを鍛える必要があります。算数脳とは、試行錯誤して「考える力」と、解答の見通しを立てる「感覚力」のこと。算数脳を鍛えるためには、パズルが適しています。今まで多くの教え子を指導してきた経験から、算数脳を鍛えるためにおすすめのパズルを紹介します。

「算数脳」を鍛えるためにパズルが最適な理由

算数の能力は、才能だけで決まるものではありません。後天的に算数脳を鍛えることで、算数の能力を伸ばせます。

算数脳を鍛えるためにパズルが最適な理由はふたつあります。ひとつは、試行錯誤して取り組む経験が積めるからです。パズルの場合、公式を覚えて解くわけではありません。そのため「公式を知らないから解けない」ということはなく、正解することが重要でもないことから、知識よりも「考える力」が必要とされます。つまり、自分で考えてパズルに取り組むことそのものが、算数脳を鍛えるうえで大切なことなのです。

パズルが最適であるふたつ目の理由は、嫌がらないでチャレンジしてくれる子供が多いからです。算数の問題を解くとなるとなかなか気持ちが乗らない子供たちも、パズルであれば解いてみようと思うことが多いものです。

算数脳を鍛えるためのテキストとして、『パズル道場シリーズ』や、宮本算数教室の宮本先生が出している『宮本算数教室の教材賢くなるパズルシリーズ』があります。市販されているテキストも多くあるので、まずはどれか一冊手にとって挑戦してみましょう。

 

「考える力」を伸ばすパズル

試行錯誤して手を動かしながら考えるパズルはたくさんあります。そのなかでも特にルールがわかりやすく、取り組みやすい4つのパズルを紹介します。

推理算

「推理算」は会話文をもとに順位などを考えるパズルです。与えられた条件に従って推理していきます。

■例題
太郎君、次郎君、花子さん、桜さんの4人で50m競走をしました。その結果は以下の通りになりました。

1.次郎君は花子さんに負けましたが、太郎君には勝ちました。
2.桜さんは3位でも4位でもありませんでした。
3.花子さんは2位ではありませんでした。

このとき、4人の順位を答えなさい。

ナンプレ

「ナンプレ」は1~9の数字をマス目に埋めていくパズルです。ヒントとして書かれている数字が少ないほど難易度が高くなります。

【ナンプレのルール】
・縦と横1列に1~9の数字が必ず入る
・9×9の小さなマスにも1~9の数字が必ず入る

四角に分ける

「四角に分ける」は、与えられたマスをすべて正方形、または長方形に区切るパズルです。盤面にはあらかじめ数字が書かれていて、区切った正方形や長方形のマス目の数を、その数字と同じ数にしなければいけません。たとえば「6」と書かれていれば、その「6」の数字を囲むようにして6マスの長方形に区切ります。

与えられたマスを1つも余らないように区切るには、常にマス目全体を捉えつつ解き進める必要があります。ポイントは、まずは「この区切り方1択しかない」という正方形や長方形から考えていくこと。自分なりにコツを見つけていくことで、論理的思考力も身についていきます。

賢くなるパズル

「賢くなるパズル」は、考える力だけでなく、計算力も身につくパズルです。マス目には以下のように「四則演算」の表記が書かれています。

「3×」と表記のあるマスには、掛け算をした解が「3」になる数字を入れていきます。「2÷」であれば、割り算をして解が「2」となる数字が入ります。さらに例題のマス目は3×3のため、縦、横の列に1~3までの数字を重複しないように入れる必要もあります。

賢くなるパズルを解き進めると、縦の列では数字を重複せずに入れられても、横の列で見てみると数字が重複していることがあります。この場合は、どこが間違えているかを見つけ出し、もう一度計算をやり直さなければいけません。賢くなるパズルをやり込むことで、論理的思考力と、何手も先まで読む力もついていきます。

「感覚力」を伸ばすパズル

受験勉強において、解答の見通しを立てる「感覚力」を磨いておくことは大切です。感覚力を養うパズルには、立体図形や平面図形を使った問題が多い傾向にあります。こうしたパズルを解くときは、はじめはメモを取りながら考えるのがおすすめです。慣れたところで頭のなかだけで考えていくことで、感覚力がさらに鍛えられ、解答の見通しも早く立てられるようになります。

積み木パズル

「積み木パズル」は、積み木が積み重ねられたイラストを一方向からだけ見て、積み木の個数を答えるパズルです。積み木を上から見た図と横から見た図が頭のなかで描けるようになると、全体の個数が早くわかるようになります。

穴あけパズル

「穴あけパズル」は、27個の立方体を積み上げてつくられた3×3×3の立方体のなかで、穴があいている立方体の数を答えるパズルです。立方体のなかには穴があいているものがあり、その穴は反対側まで突き抜けるようにあいています。「穴同士が交差する立方体は2重にカウントしない」といったルールもあり、穴あけパズルを解くことで空間把握能力が培われます。

折り紙パズル

「折り紙パズル」は、何回か折った折り紙をハサミで切り、広げたときの形を答えるパズルです。折り紙を折る回数が多ければ多いほど、問題の難易度が上がります。

さいころパズル

「さいころパズル」は、すごろくのような盤面に沿ってさいころを転がしたときに、終点のマスに止まったときのさいころの目を答えるパズルです。

パズルを毎日少しずつ解き続けよう

パズルを解くときは、1日でたくさん解くのではなく、毎日少しずつでもよいので解き続けていくことが大切です。コツコツと取り組んでいくことで算数脳が鍛えられ、算数の成績アップにつながっていくでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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