中学受験ノウハウ 塾選び

現役塾講師が比較する「首都圏4大塾」の特徴

2020年6月04日 室内玲

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首都圏で中学受験を考えるとき、まず大手集団塾への入塾を検討される方は多いと思います。転塾を考えたときに候補に挙がった方もいるでしょう。大手集団塾は、生徒数の多さから導き出される豊富なデータと受験ノウハウが魅力です。では、それぞれの塾にはどのような特徴があるのでしょうか。SAPIX、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研の首都圏4大塾の特徴を、現役塾講師の視点から解説します。

【SAPIX】ハイレベルなテキストで反復学習ができる

SAPIXは、首都圏の中学入試において高い合格実績を誇る塾です。その一因は「テキスト」にあります。まず、内容が非常にハイレベルです。国語の場合は、小学校低学年の段階で「御三家入試」を意識した記述問題を中心とするテキストの構成になっています。さらに、反復学習ができるのもSAPIXのテキストの特徴のひとつ。算数であれば、類題を徹底して解ける仕組みとなっています。

ただし一度に出される宿題量は多く、生徒のレベルに合わせて個別に出題範囲を絞らないことが多いようです。そのため、自力でどんどん問題を解いていける子はSAPIXに向いているでしょう。保護者が学習のスケジュールを管理していくことが求められる塾ともいえます。

【早稲田アカデミー】宿題管理と熱い雰囲気が特徴

早稲田アカデミーも、宿題の量が多い塾のひとつです。ただ、講師が宿題のチェックをしてくれて、生徒のレベルに合わせて宿題の量や範囲の調節もしてくれます。

早稲田アカデミーは、「熱血系」「体育会系」といわれます。生徒・講師ともに大きな声で挨拶することを推奨しており、「私語のない緊張感のある授業」をスローガンとして掲げ、おしゃべりをした子を厳しく注意する講師も少なくありません。そのため、ほかの塾と比べて“独特の雰囲気”を感じる子もいるでしょう。もちろん、そういった雰囲気に馴染める子には向いている塾といえます。早稲田アカデミーへの通塾を考える際は、まずは体験授業を受けてみて、子供の性格に合うかどうか確認してみてください。

【四谷大塚】ベテラン講師が多く、テキストの解説が詳しい

四谷大塚は、年齢層が比較的高めのベテラン講師が多い塾です。スライドを使った社会の授業や、実験を行う理科の授業など、生徒の好奇心を掻き立てる授業が目立ちます。

四谷大塚で主に使われている『予習シリーズ』という教材は、解説が詳しく、子供が宿題をやっていてわからないところがあった場合も親がフォローしやすい内容となっています。ちなみに『予習シリーズ』は早稲田アカデミーでも使われています。

6年生になると、首都圏4大塾のなかでも通常授業の拘束時間がかなり長くなります(原則として週4回の授業に)。そのため四谷大塚に通う際は、子供が個別に抱えている弱点の対策や、志望校の対策を行う時間を確保するためにも、あらかじめ一週間のスケジュールを細かく考えておく必要があるでしょう。

【日能研】じっくり勉強したい子におすすめ

日能研は、週末に行われる「カリキュラムテスト」の成績によって座席順が決まるシステムが特徴の塾です。座席によって友達と自分の成績が目に見えてわかることになるので、子供によっては勉強に対するやる気につながります。ただし昨今は、クラス名を上位クラスか下位クラスかわからないような名前に変えるなど、以前よりは競争心を煽る方針ではなくなってきている印象です。

日能研のカリキュラムは、4大塾のなかでは特にゆっくり進みます。そのため、じっくり勉強したい子に向いている塾といえるでしょう。通常授業よりもハイレベルなことを勉強したい場合は、担当の講師に相談し、個別の課題を出してもらうように相談してみてください。

講師との相性も確認しよう

首都圏大手塾の特徴をそれぞれ紹介しましたが、担当の講師によっても授業の進め方や雰囲気は変わります。そのため塾の特徴をおおまかにつかんだあとは、子供と講師との相性を見極めるためにも、入塾前の体験授業や保護者面談を受けてみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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