連載 「国語力」が、中学受験を左右する!

受験校をどう検討すればよいか? 学校選びの今を知る|「国語力」が、中学受験を左右する!

専門家・プロ
2020年9月02日 水溜 兼一(Playce)

本連載では、国語の講師として、中学受験を目指す子どもたちを長年指導している南雲ゆりか先生が、国語力アップにつながるさまざまな方法を紹介します。

首都圏には約300校近くの中高一貫校があります。数ある学校の中から、わが子に合った学校を選ぶのは容易なことではありません。そこで、長年、受験生を指導されてきた南雲先生に、「受験校をどう検討すればよいか?」をテーマに、2回にわたりお話を伺います。今回は、受験校選びの現状を中心にお伝えします。

今どきの受験校選びのプロセス

長年に渡り、私はさまざまなご家庭の進路相談を行ってきましたが、昔に比べて「有名校だから」という理由で学校を選ぶ方は減り、教育内容や子どもとの相性などを重視する方が増えていると感じます。英語教育やグローバル教育、アクティブラーニングなどに力を入れる新進校に魅力を感じる方もいれば、伝統的な教育方針を貫く学校がいいという方もいます。厳しい指導のもとで子どもを育ててほしいのか、自由な校風でのびのびと学校生活を送らせたいのかなどもご家庭によって判断が分かれるところです。

小学4年生は、親が行かせたい(子どもが行きたい)憧れの学校を目指して受験勉強をスタートします。この時点では、難関校や、“御三家”(男子校:開成中・武蔵中・麻布中、女子校:桜蔭中、女子学院中、雙葉中)と呼ばれるブランド校を目指す方も多くいらっしゃいます。

5年生になると、学習内容が難しくなり、壁に当たってしまう子が出てきます。親は子どもの学力を踏まえて、現実的に受かりそうな学校に目を向け始めます。さまざまな学校の情報にも詳しくなり、偏差値やネームバリューに捉われず、教育内容など中身に目を向けて受験校を検討する方が増えます。

6年生になり、模試の合格可能性の数字で子どもの学力ランクがおおよそわかってくると、より現実的なプランに軌道修正されます。ただし、超難関校志望でなければ、夏期講習までは、理想を目指して頑張ってみようというご家庭も多く見られます。そして、9月以降の毎月の模試の結果を踏まえて、塾の先生と面談を行い、11月下旬から12月上旬頃までには、最終的な受験校を決めます。

4、5年生のうちから押さえの学校を考えておく

受験校選びで絶対に避けたいのは、6年生の秋に塾側から受験校変更の提案をされたとき、その学校について何も知らず慌ててしまうことです。それまで第一志望校のことばかり考えていたためにショックを受けたり、受験校変更の提案を受け入れられず、「頑張ればなんとかなる」と考えてしまったりするケースがあります。そうなると当然子どもにも影響が及びます。子どもは6年生の秋ごろには、まわりの子と比較して自分の学力がどれくらいか、ほぼ分かっています。自分には無理だと思っていても、「なんとかママの期待に応えないと……」と精神的に追い詰められ、成績が上がらない自分を責めてしまいがちです。この場合は、塾のアドバイスを聞いて冷静に受験校を検討し直すべきでしょう。

中学受験は長期戦です。憧れの学校のことだけを常に考えて、「この学校以外は受けない」という受験勉強は、親子ともに大きなストレスがかかります。このような状況を避けるためには、「この学校なら確実に合格できそう」というところを早めに決めておくことが大事で、そうすれば精神的に余裕を持って受験勉強に取り組めます。

そのためには子どもが4、5年生のうちから、第一志望校だけでなく、さまざまな学校の情報を集めて、1、2校は押さえの学校を考えておきましょう。オープンキャンパスや学校説明会は、校内の様子を見られる貴重な機会ですから、足を運んでみてください。コロナ禍により、オンラインでの説明会のみという学校もありますが、受験校として考えていることをメールや電話で伝えれば、見学させてくれるところもあります。情報をしっかり集め、押さえの学校を早めにきちんと確保しておくことを覚えておいていただきたいと思います。

次回は、学校を選ぶ際に押さえるべきポイントについてお伝えします。


これまでの記事はこちら『「国語力」が、中学受験を左右する!

※記事の内容は執筆時点のものです

南雲ゆりか
南雲ゆりか 専門家・プロ

南雲国語教室(東京都文京区)主宰。「正確に読む力、伝える表現力」の育成をモットーに小学生の指導にあたっている。東京都生まれ。横浜市の小学校教諭を経て、大手中学受験塾の国語科専任教師に。10年間、最難関コースの指導を担当するとともに、模試や教材の作成にも携わった。主な著書に、『笑って合格する!「中学受験」必勝法』『中学受験の合否を決める! 考える力がつく「国語」勉強法』(いずれもダイヤモンド社)『名探偵コナンの12才までに身につけたい本物の漢字力 1026字』(小学館)がある。現在、朝日小学生新聞で「楽読み楽解き国語の時間」、朝日新聞EduAで「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」を連載中。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。

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