中学受験ノウハウ 塾選び

塾の体験授業はどこに注目すればいい? ふたつのチェックポイントを解説

2020年11月10日 室内玲

塾の体験授業は、入塾の見極めができる大切な機会です。しかし体験授業を受けても、そもそも何を基準に入塾を判断すれば良いかわからない、という方も多いでしょう。現役の塾講師の視点から、体験授業で注目したいポイントをお伝えします。

体験授業でチェックしたいポイント

体験授業でチェックしたいポイントは、主に以下のふたつです。

  • 講師のタイプが子供に合っているか
  • 指導の意図

前提として、可能であれば体験授業は親も見学してください。塾は成績を上げ、志望校に合格させるために通う場所。「合格」という目的を達成できる場所か、大人の目で冷静に判断する必要があります。

そして体験授業が終わったら、子供にも感想を聞きましょう。子供自身が通う場所なので、本人が感じた印象は大きなポイントとなります。ただし、子供の感想だけを頼りに入塾を決めるのはあまりおすすめできません。入塾前の多くの子は、そもそも受験勉強の意味をよくわかっていないケースが多いからです。授業の感想を聞いて「楽しかった」と返ってきても、「勉強そのものが楽しかった」というより、授業の本筋とは関係ない雑談で盛り上がっただけ、ということも。そのため体験授業では、子供の感想を聞きつつ、一方で大人の冷静な視点で判断することが欠かせません。

【チェック1】講師のタイプが子供に合っているか

講師ごとに、授業のスタイルに違いがあります。緊張感のある厳しい雰囲気で生徒を指導する講師もいれば、やさしい雰囲気と話し方でその場をまとめる講師もいます。そのため体験授業では、「わが子に合っていそうな講師か」といった点に注目してみてください。

ただし、「のんびり屋のうちの子も、この厳しい先生なら鍛えてくれそう」と思っても、子供は「あの先生は怖そう。この塾には通いたくない」と感じている場合も。子供の気持ちをないがしろにし親の考えだけを優先して入塾を決めると、のちのち退塾してしまうリスクも生まれます。体験授業のあとは、子供の素直な感想も聞きつつ、親子でじっくりと話し合う場を持ってみてください。

ちなみに私自身、現役講師としてほかの講師の授業風景を見学していると、教室という「場の支配」ができていない状況を見ることがあります。授業中に生徒が関係ない話をしていたり、講師の指示を守れていなかったり、といったことです。講師がおもしろい話をしたときにワッと盛り上がるのは健全ですが、度を越して騒ぐ生徒がいる場合には、その状況に対し講師が適切に対応しているかも確認しましょう。

【チェック2】指導の意図

体験授業を見学し、「この先生の教え方はわかりやすい。だから、うちの子の成績が上がるに違いない」と感じて入塾を決めたものの、子供の成績が意外と伸びないケースがあります。原因として考えられるのは、授業自体はわかりやすくても、受験につながる知識などを教えていなかった、その後の授業で解き方や考え方の定着を図っていなかった、といったことです。

そこで体験授業のあと、可能であれば講師に質問してみましょう。その際におすすめなのが、以下3つの質問です。

  • 今日教わった単元で押さえておくポイント
  • 今日の授業が、受験にどうつながるか
  • 今日習ったことを定着させるうえで、家庭学習で気をつけること

学んだことが受験にどうつながるか、教わった内容をどう定着させていけばいいのか、といった質問にきちんと回答できる講師は、受験知識があり、子供を伸ばすことを念頭においた指導ができているといえるでしょう。塾によっては、体験授業の講師と、通塾が始まってから授業を担当する講師が違うこともあるので、どの講師が授業を担当するのかも確認しておけると良いですね。

ふたつのポイントをチェックし、より良い塾選びを

講師の雰囲気や、親への説明の丁寧さは塾によって大きく異なります。体験授業では今回挙げたポイントをチェックしつつ、塾同士の比較をしてみてください。ポイントを押さえた塾選びをすることで、子供の成長にとってより良い環境を選び取ることができるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

塾講師歴は7年以上。東京の大手進学塾にて約6年勤務した後、現在は個別指導塾にて中学受験生を担当。執筆・取材協力した教育関係の書籍、Webメディア多数。