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【中学受験算数】小4・小5後半の要注意単元と学習のポイント

2020年12月01日 國友克弥

中学受験を目指す子にとって関門となるのが、小4後半、そして小5後半の算数です。入試に直結する単元ばかりなので、苦手な単元があれば早めに克服しておくことが欠かせません。なかでも特に要注意な単元にしぼって、学年ごとの学習のポイントを解説します。

【小4後半】要注意単元と学習のポイント

小4の後半は、小数・分数の計算や、かけ算・わり算、単位の変換などを学習します。これらは、小5で学ぶ「割合・速さ・平面図形」といった入試必須単元の土台となるものです。小4後半で学習するテーマを習得しておくと、学習内容が本格化する小5の算数、さらには本番の入試にもつながっていきます。

小4後半に学習する単元のなかで特にチェックしておきたいのは、以下の3つです。

■小4後半の要注意単元
(1)小数同士のかけ算・わり算
(2)倍数と約数
(3)分数の計算

いずれも計算問題としてだけでなく、入試ではさまざまな形式で出題されます。小4のあいだに、確実に習得しておきましょう。

小数同士のかけ算・わり算 ―― 小数点の位置に気をつける

4年生の前半で習う「小数のたし算・ひき算」や、「小数×整数」「小数÷整数」の計算は、苦労せずに習得できた子も多いのではないでしょうか? しかし小数同士のかけ算やわり算になると、小数点の打ち間違いが多くなります。中学入試の算数は答えのみを記入する形式が主流のため、小数点を打ち間違えると失点につながる可能性が高いので注意しましょう。

小数同士のかけ算は、小数点より右側に数字がいくつあるか、ていねいに数える練習をしておくと良いですね。一方で、多くの子がつまずくのが小数同士のわり算です。小数同士のわり算のポイントは、大きく以下のふたつです。

<1>はじめに割る数が整数になるまで、割る数と、割られる数の小数点の位置を動かす
<2>余りが出る場合は、割られる数の元の位置から小数点を下ろす

小数同士のわり算でミスが起きやすいのが、余りの小数点の打ち間違いです。打ち間違いを防ぐためには、日頃からタテヨコまっすぐに筆算を書くようにすることが大切です。難しい場合には、マス目のあるノートを使って練習すると良いでしょう。4年生の段階で小数点に対する意識をしっかり持っておくと、5年生になったときの計算ミスが大きく減ります。日頃から、筆算はていねいに書くように心がけてくださいね。

倍数と約数 ―― 日常生活で感覚を養う

倍数を出すこと自体は、さほど難しくありません。約数も、素数を覚えておけば失点は防げます。公倍数や公約数、最小公倍数や最大公約数も、ていねいに書き出せば答えられます。一方で難しいのは、いかに素早く正確に導き出せるか、ということです。

入試問題では、倍数や約数を使って解く問題が多く出題されます。このあと説明する「分数の計算」でも、最小公倍数や最大公約数を使う場面が少なくありません。そのためまずは、倍数や約数を素早く正確に導き出すトレーニングを積みましょう。たとえば生活のなかで目にする数字から、倍数や約数を思い浮かべる練習をしてみるのもおすすめです。

■生活のなかで感覚を養う
・塾の送り迎えの車のなかで、前の車のナンバープレートを使って最小公倍数や最大公約数を暗算で見つける
・携帯電話の番号を使って、ゲーム形式で倍数や約数を出してみる

分数の計算 ――「たし・ひき」と「かけ・わり」を区別

倍数と約数を学習したあとに出てくるのが、異なる分母のたし算・ひき算、かけ算・わり算です。一つひとつの計算は難しくない単元ですが、四則の計算方法を一気に学習するため、解き方を混同してしまう子が多い領域でもあります。たとえば「分数のたし算やひき算は、分母同士・分子同士を足したり引いたりするんだっけ?」「分数のかけ算やわり算は、分母の最小公倍数をとってから解くんだっけ?」といったように、「たし・ひき」と「かけ・わり」の解き方を反対に覚えてしまう子もいます。

こうした間違いを防ぐため、分数の計算を学習したあとはできる限り毎日計算練習をしましょう。分数の計算が苦手な子は、一問ずつ時間をかけて解いても大丈夫です。練習を積むことで、整数や小数・分数が混じった計算問題や、四則混合の問題でも正答率が上がっていきます。

【小5後半】要注意単元と学習のポイント

小5後半の学習内容は、中学入試の核となる単元が集中しています。特に注意したいのが、以下の3つです。

■小5後半の要注意単元
(1)速さ
(2)比
(3)合同と相似

速さ ―― 単位を押さえ、状況を図示する

速さは、中学入試算数の頻出単元です。ほぼすべての学校で毎年出題されています。速さを習得するコツは、単位を押さえること、そして状況を図示することのふたつです。

まずは、「速さ」「道のり(距離)」「時間」といった単位をしっかり押さえましょう。公式に数字を当てはめるだけでは間違いやすいので、単位もつけながら式を立ててみてください。

次に、登場人物やその動きを、簡単な図(状況図)にしてみます。このとき、速さのグラフのひとつ「ダイヤグラム」を描こうとする子がいますが、描くのに時間がかかる図のため、制限時間内に問題を解けなくなる可能性もあります。まずは、下の図のような簡単なもので大丈夫です。図示することで、出題内容を早くつかむ練習を積みましょう。

比 ―― 単位をつける

比の問題も、必ずと言っていいほど中学入試で出題されます。比の計算自体は、かけ算やわり算ができれば理解できるため、比を習いたての子は「簡単だ!」と喜んで取り組んでくれます。一方で文章題になると、とたんにできなくなる子が多いのです。これは比というものが、子供にとって抽象的すぎる概念だからでしょう。

比の文章題を理解するコツは、比に単位をつけてみることです。たとえば「ミカンとリンゴが5:3あります」という問題であれば、「ミカンが5個、リンゴが3個あります」というように単位をつけます。ちなみに「姉と妹はお小遣いを7:4持っています」という問題であれば、「姉が7円、妹が4円」とするよりも、「姉が700円、妹が400円」といったように書いてみるとイメージしやすいでしょう。

単位をつけると具体的な状況を想像できるため、比を理解しやすくなります。家庭学習のなかで、比の文章題で子供が悩んでいる場面を見かけたら、単位をつけて考えることもすすめてみてください。

合同と相似 ―― 基本図形を見つける

比を学習したあとは、図形と比をからめた「合同と相似」を学習します。特に、相似は入試頻出単元です。

相似を習得するには、ふたつの基本図形、ピラミッド型とクロス型を覚えることが欠かせません。塾や参考書によってはA型とX型という呼び方をしていますが、形は同じです。まずはこのふたつの形や、対応する辺の位置を覚えましょう。特にピラミッド型は、対応する辺の位置を間違えやすいため注意が必要です。

次に、基本図形を見つける練習をしてください。クロス型の場合、上の図でいうと直線が交わっている箇所を探せば良いので、見つけるのは比較的簡単です。一方でピラミッド型は見つけにくく、苦戦する子が少なくありません。ピラミッド型を見つけるには、平行線と三角形を意識するのがポイントです。

合同や相似の図形は、平面図形だけでなく、立体図形にもからめて出題されます。基本図形を覚え、使いこなせるようにしておくと、難易度の高い入試問題にもスムーズに取り組めるようになります。

自信をもって、次のステップにあがるために

小4後半で学習する単元は、小5で習う算数の基礎として、そして小5後半で学習する内容は入試に直結するものばかりです。まずは、今回紹介した重要単元をひとつずつクリアしていきましょう。特に小4後半の単元は毎日の計算練習が、小5後半の単元は手を動かしながら勉強するのがポイントです。自信をもって次のステップにあがれるように、学習を続けていってくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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