中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験】がんばっているのにできない! 親が意識したい3つのアクション

2021年4月05日 石井知哉

中学受験に挑んでいると「子供は勉強をがんばっているけど、なかなかできるようにならない……」という悩みにぶつかることがあります。親としては「このまま中学受験をさせて大丈夫なのかな?」と不安に感じることもあるかもしれません。こうした悩みや不安は多くの家庭が直面するものですが、実は乗り越えるためのアクションを知っていれば落ち着いて立ち向かえるようになることも多いのです。

[1]冷静に受け止める

なかなかできるようにならない子を前にすると、親としても心配になりますよね。しかし、そもそも伸び悩むことは中学受験では珍しいことではありません。むしろ、右肩上がりに成績が伸び続ける子のほうが稀。成績が伸び悩んだとき「成長のチャンス」です。親子で粘り強く逆境を乗りこえ、レベルアップを積み重ねること。それが合格へとつながる道です。

そして子供は、親の感情に敏感です。親が慌てている姿を見ると動揺してしまいます。ですから、子供ががんばってもできないときこそ親は冷静な姿を見せるようにしてください。一方で、次のように感情にまかせた言動は禁物です。

  • いらだちをぶつける
  • バカにする
  • 落胆した様子を見せる
  • ため息をつく

親にとっては無意識でも、こうした言動を子供は重く受け止めます。そしてこのとき抱いたネガティブな感情は、子供の心に残り続けます。すると勉強する動機が「親に怒られたくない」「親をがっかりさせたくない」といった内向きなものに変わってしまうことがあるのです。こうした心理状態になると問題を解いている最中もビクビクし、テストや模試などに集中できません。結果として勉強時間の割に成果が出ず、親子ともますます焦っていってしまうのです。このような悪循環を避けるためにも、子供が伸び悩んでいるときこそまずは親が落ち着き、現状を冷静に受け止めてあげてほしいと思います。

[2]成長に気づかせる

がんばっているのにできない状態が続くと、子供も自信を失いがちです。「どうせできない」と思いこむと、解けるはずの問題も解けなくなることがあります。勉強すればするほど“できない自分”を痛感し、ますます自信を失う……。こうしたループはなんとしても避けたいですよね。

そこで自信を失っている様子が子供に見られた場合には、まずは自信回復に努めてあげてください。親からのポジティブなほめ言葉で、気持ちを上向きにさせてあげるのです。とはいえ、がんばってもできない状態なのに、いったい何をほめてあげれば良いのでしょうか?

それは、小さな成長です。「点数をほめる」といったわかりやすい形である必要はありません。がんばってきたプロセスに目を向けると、これまでと比べて良くなっているところが必ず見つかるはずです。

小さな成長(例)

  • 途中式を見やすく書くようになった
  • 時間配分を意識するようになった
  • 漢字のトメ・ハネ・ハライをていねいに書くようになった
  • わからなくても空欄のままにしないで埋められるようになった

受験勉強を始めたころはできていなかったことが、できるようになった。こうした「小さな成長」を少しでも多く見つけてあげてください。そして子供自身ががんばったからこそ成長できている、ということも伝えつつ、自信をつけてあげましょう。

[3]テストの見直し

点数が悪いテストは、誰だって見たくありませんよね。しかし結果が良くないときこそテストの振り返りと解き直しをおすすめします。テストが返ってきたら結果を見て一喜一憂するのではなく、まずは分析に時間をあてましょう。見直しをすると課題が発見できるので、この先で「何をどう勉強すれば良いか」といったことがわかるからです。

このとき注目したいのが、次の3点です。

  • 何ができているか?
  • 何ができていないか?
  • できていない原因はどこにあるか?

そもそも模試や塾の小テストは、基本的には授業で習う範囲から出題されます。そこでまずは「できている問題」「できていない問題」を把握しましょう。そのうえで不正解だった問題はどの単元の問題なのか、テキストでチェックしてください。すると、重点的に勉強する単元がわかってくるはずです。

こうして苦手な単元を発見したあとは、克服に向けて勉強を進めます。このときおすすめしたいのが、基本レベルに戻って復習すること。がんばってもできない状態だと、ついつい目の前の単元だけに目がいきがちですが、以前に学習した基礎的な内容が未定着であることが原因で、その後の単元が理解できないことは多いものです。そのため塾のテキストを振り返り、過去に習った単元で弱いところはないか見直してみましょう。ときには前の学年までさかのぼることが有効なケースもあります。「急がばまわれ」ということわざがあるように、一見すると遠まわりに見えても、基本レベルに戻って復習することが伸び悩み解決につながることは多いのです。

伸び悩みは「壁」ではなく「扉」

がんばっているのにできるようにならない、という時期は親子ともに苦しいものです。しかし「うちの子だけできない」と焦る必要はありません。がんばってもできない段階は“壁”ではなく、次のステージにつながる “扉”です。そして、その扉の先には成長したわが子が待っています。がんばってもできない状態をまずはポジティブにとらえ、親子二人三脚で一歩ずつ歩みを進めていきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

石井知哉
この記事の著者

株式会社QLEA教育事業部部長。教育系Webサイト「School Post」を主宰。2000年、早稲田大学第一文学部 哲学科卒業。東京都の塾業界にて指導歴20年以上。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校低学年から中・高・大学受験生、就職試験対策の指導にあたっている。幅広い学年・学力層・教科を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。